とおく、とほうもなく、微笑して、口をわらない何かがあって。カーテン留めを はずす事にさえ、充分満足できる何かがあって。そういうものをずっとさがしてきた気がする。そしてずっと見つからなかった気がする。
 ....
心を奪ってしまう
Eテレのくま
まつ毛の下で
すばらしく跳ねる関心
持てないマグを
もとうとする指
区切られた
きみ
裏方のママは腰痛で
でも
わらってる
きみがジュースをこぼす ....
思ったことをぶつけることしかできない
そうやって生きていって
まよったまま
いつか死ぬ
それだけのことを
これからしていくだけなんだと
腹の底から思うと
わけもわからず
なんだか力がみ ....
人に話しにくい夢をみた
その夢はこんな夢
杉の樹だった
長い事ずっと杉の樹
星や森の理性が
ティンカーベルの様に幹を交流してた
そして山火事
白亜層の匂いで
目が覚め
さめた目をさ ....
「炎の惑星」

炎暑で痙攣する夏空の真ん中
涼風吹き込む洞窟に
途方もなくでっかい入道雲が
安置されている
SはNのプラグマティックな個室で
SF小説を嘗めたりして
可愛い旧式のロケッ ....
「漂流」

気が付くといつも善悪の島に流れ着く。



「地球動物園の《人間山》」

自分にどこか似ているが自分より脆そうな猿、そんな猿がいると、猿は安堵する。そういう猿の存在が猿山で ....
{引用=だから森は
透明色の
青ほたるぐさ

傘をとじ
ぽたぽた垂れる
し分音符

ちどり足の
ケ・セランパサラン
忘失の風

岬あやうく
フレアスカートのように
はためき ....
冬の分厚い雲にとざされた
細胞内共生説
のような太陽の下を歩いていると
ロケットに括り付けられた
葉緑体の
気分だ
真空空間はエナメルのペトリ皿
おれは
スポイトの
遊星で爆発する
ぼくらが生まれてからというもの
100万円は100万円の顔をすることに
ずっと勤しんでいた
経済ことは判らない、が
100万円の顔が
他のいろんな顔になる路を何故尽く塞いだか
だれが、なん ....
ゆるやかな
「おやすみ」をもたらす為
優しさと弱さとが
乳がゆの双樹のあいだを
ずっと行ったり来たりしていた
蜃気楼のような風は
まだ
滞留していた
鋏を入れられた手紙は
彼岸は
 ....
「アフリカ大陸は残してもらう」

金に困って
地球は質にいれた
おやじにどうしてもと頼み
アフリカ大陸だけは
手元に残してもらった

帰ってすぐ
如雨露で水をやる
サバンナに
雨 ....
かんぜんに
腐った土くれから
一本の
新しい草が
天に向かいのびる

天のなにかを
知らず
また
土くれの何かを
知らず

のびること

それを
ただ一つ
羅針盤  ....
ここにひつようなのは
あかるい島
カラコルム山脈という語感
しわくちゃな赤色の千代紙
麒麟の模型
プラスチック造成機
アラビカコーヒー
周期表

水素をかぞえながら
酸素を引い ....
ひんやりと
聴診器があたる

「生きています。
だいじょうぶ、あなたは生きています」

そう言って
次の患者をまねき入れる

「そうか、生きてるか・・・」

受付で千五百円をはら ....
{引用=「はじまりの小詩」

 
洗面所の
鏡の前に立って
歯みがきをしていると
朝の光が
横顔を洗った
ふり向くと
トイレのドアが笑った

このとき
ぼくの何かは
まだ眠っ ....
 その格子をみたことのある人は少ない。それは大気圏の上層にあることになっている。くぐもった神様の声が聞こてきて、天使たちはいそいそと持ち場を離れ始めた。どうやら格子のどこかが壊れていたらしい。大天使は .... {引用=雨のように大地が
海の端に
こぼれていく

濃霧を裏返すと
ヤドカリの心臓が
宝石になる

渡り鳥たちは
スクリーンのなか
{ルビ黒色=こくしょく}の雨に打 ....
船べりから身を乗り出した声帯は
のりしろを喪くした

カーペットにくっついた星屑
コロコロで綺麗にしたら
見たこともない骨片が紛れていた

とり散らかっていても
六芒星を宙に描く

 ....
{引用=prologue「サティの波紋」

橘の香りする
枕もと
地球が訪ねきて
細いゆびを
こちらに突きだす

ティーテーブルで
フランネルの布がわらっている

(ちがう
( ....
{引用=星々のように
ばらまかれた{ルビ言珠=ことだま}よ

おまえが
浮力を得た意味ならば
水底に沈む摩天楼は
凝固した
アニミズム

ひらがなの手は
さながら{ルビ薇=ぜんまい ....
太陽がある
親しい間柄みたいな

焙じ茶がある
ぶら下がったわらじのように

雲がある
どこかしらコロボックルめいた

心がある
カラスアゲハの長い舌みたく

そして 詩があ ....
たどるように

消えるように

すてるように

流れのように

いっさいはながれ

はがれかかったかさぶたは
なかなかとれない

生命線

銀河鉄道

黙殺を超え
 ....
おしまいだよ
ああ、おしまいだ

みなさん
お元気で

さいわいを
祈ります
三角の潔い生き様は
四角には真似出来ない

四角の大らかさは
三角の力の限りではない

円は
楕円に嫉妬し

楕円は
平行四辺形のことが嫌いだ

そんな平行四辺形は
じつは円 ....
{ルビ三度=みたび}ばかり 夢魔泣きはらし 新雪の島

裏返る原っぱである {ルビ蝸牛=かぎゅう}も春めき

雪の丈 常夏の丈 冬 海の脊索

ひらがなも漢字も皆 一面銀世 ....
本をひらいて
目を置いていく
本をとじ
目を釣っていく

なまなか
のまま
仰向けの童話となり
何年かしたら
猫の事務所で
逢瀬となる

そういう菌の夢のような
読書観である ....
手袋の中のこぶしや聞き上手

{ルビ皹=あかぎれ}の手に触れる手もあかぎれて

{ルビ凍星=いてぼし}を枕に猫とともに眠る

いにしえの銅貨貫く{ルビ去年今年=こぞことし}

ヘ ....
ポイントを
どこかで期待している
たくさんポイントが入ると
過信する
ポイントが入らないと
無視された気になり
時に落ち込む
ポイントを
期待していても
バカバカしい
そんなバカバ ....
「12月28日のsketch」

トンネルを抜けるとズレた周波数があった。ラジオ深夜便、ラピスラズリの火球は未明の空を横切った。

「ザザ…ザザザ、とある三歳の女の子がお母さんに結婚してとせが ....
{引用=線を引く
すると
くわわり
へる
ディメンションが{ルビ幻視=みえ}る



駱駝にしょわれ
千里

息の中には
妖精も
居る
妖精の過去も
有る

おき ....
道草次郎(642)
タイトル カテゴリ Point 日付
疾走する砂礫へ自由詩4*21/1/11 18:26
心を奪ってしまうEテレのくま自由詩2*21/1/11 11:47
自覚自由詩1*21/1/10 19:55
夢物語自由詩1*21/1/10 7:00
五惑星物語自由詩321/1/9 13:42
漂流 自由詩1*21/1/9 8:59
酔生と透過[group]自由詩021/1/8 23:58
冬の惑星で自由詩221/1/8 12:56
退廃の感自由詩021/1/8 0:05
スジャータのいない惑星の悉達多自由詩021/1/7 23:42
アフリカ大陸は残してもらう、他[group]自由詩221/1/7 11:09
自由詩221/1/6 18:15
ひつようなのは自由詩021/1/6 13:44
診察自由詩121/1/6 10:20
音楽へのオマージュ(補遺)自由詩2*21/1/5 14:19
檻(掌編)散文(批評 ...021/1/5 9:47
慈雨と沐雨[group]自由詩1*21/1/4 18:22
星の船自由詩3*21/1/4 12:51
音楽へのオマージュ(一部改訂・付け足し)自由詩3*21/1/3 17:46
言の雫[group]自由詩2*21/1/3 13:43
シロツメクサの朝露に似て自由詩121/1/3 8:19
自由詩321/1/2 9:50
おしまい自由詩020/12/31 19:19
図形自由詩120/12/31 14:46
雪精魔(破調)俳句0*20/12/31 7:07
我が読書観自由詩020/12/31 0:02
冬の炉端俳句1*20/12/30 22:59
感度へ自由詩2*20/12/29 22:10
ラピスラズリのスケッチ、他自由詩3*20/12/29 11:57
加減と彗星自由詩420/12/29 0:18

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