遠くで
どこかで
風が吹いている

耳たぶをさわりながら
少し冷静でいよう

三つ葉のクローバーを
親指と人差し指のあいだで
やさしくしよう

生きている
だけで
何かをよご ....
個人的な事で恐縮だが、ずいぶん長いこと失読の状態が続き、もう、右も左も訳も分からずいることが多くなる近頃にあって、一つだけ読める文章がある。

その文章はたったの十五行である。岩波文庫版 柳田國男 ....
{引用=脳に落ちました

今に
至ります

そういう蛙は
手のひらの吸着力は
詩魂で濡らす
井戸の縦長は
哲理の電解質です

雷が直下型に
地球のコアへ落すれば
炭化した蛙 ....
色んなものへと
いきとどかぬ途中では
一人のできることなんて
川沿いに歩く
ことに似ている

タンポポは地面が好き
ごめん
しか知らない

訳せない生姜紅茶の味
掘り起こし
川 ....
その奥に
何をしのばせている

そこにいて
どこにいて

なにをして

どんなかんがえ

ぼくが笑えば

きみはどうする

君も笑うか

かなしいね

そして君は君 ....
「飛行士の帰還」

一輪のマーガレットを買い
空を睨む
ぐわぁーんと
敗戦
神話を書き付ける
円形に
鼠蹊に
時間機械に
リラックス・タイム
おんざ
ブラッドベリ
さよなら
 ....
すごいいい詩ばかり書いちゃって
なんか立派な賞をもらって
インタヴューまでされる夢をみてしまった
インタヴューアーは「あなたの詩を三つのワードで表すと?」とマイクをむける
ぼくはこう答えた
 ....
蝶番が何億光年か先にある大きな部屋では
たくさんのことが大変だ

想像してみて

太陽系はその部屋の住人の
鼻の穴の鼻毛のそよぎのようなもの
鼻毛を横切る彗星とアポロの夢
エウロパの謎 ....
白紙があるだけで
大半は満足だ
詩人らが挙って
製紙工場へ見学に行ったいう話を
ついぞ聞かないのは
退行現象か
『詩論』で有名なホラティウスだって
パピルス製造工場を
覗いてみたこと ....
ニュートリノを一つ買った

こないだの事もあるから
今度は慎重だ
骨董屋によくその出処をきくと
そこまでいうならと
裏から鑑定書を引っ張ってきた

ほらご覧なさい
この通り小柴先生の ....
今日19号線を松本市へ向かい走っていたら、途中三匹のタヌキの死骸と出くわした。そのうち一匹は道路の真ん中でひどい死に方をしていた。自分の身の丈の三倍はあろうかという腸を、はげしく飛び出させていたのだ .... なにも
いらない

なににも
ならない

ひじょうに肩がこる
欲得のかげは
うすい

ぜんぶの詩が
じつは
ローカロイド宝石

個人的ななにかを誤読し
あとは
愛する ....
どんどん
書けなくなる
次第に
言葉の壁が四方から迫ってくる

盗掘したわけではないのに
インディージョーンズでもあるまいし

スナイパーが潜伏しているらしい
フレーズの ....
風に栞をはさみ
手をかけると
ノブは風化していた
脳りの白亜層に
つき琴は鳴り

ゆっくりと
蝸牛のツノは
五うんの
河を
{ルビ攀=よ}じのぼる

類語字典は灼き
ふむ草の ....
躁うつ病がデフォルトの惑星の住人にもメンタルクリニックはある。という事はつまり、一人の男が気分の波の喪失に困り、とあるメンタルクリニックに足を運ぶこともあるのだ。

紫色の雨の降る、春でも夏でも秋 ....
こういう一つの思想がある

在るものはみなかいくぐり来、即今、そこここに顕現している

という思想である

砂粒一粒にも、数世代前の恒星系の残闕、それを成す要素の一々にも、億百の御霊の凋落 ....
ぼくは自分自身のふせいじつに爆弾を落としたいです。

あるいは、詩を一日三十は書いてそのうちの十を投稿してしまう発作に。

俳句も、白状しましょう。ああいうのは、読みふるしの文庫版の歳時記から ....
一つ銀河を買った
安かった
お値打ちだよと町の骨董屋が言った
どのへんのですかと尋ねたら
古いのだからずっと遠くのらしいねと答えた
持って帰って
包みをほどいて中を覗くと
赤い惑星に
 ....
「太陽の失態」午前1時

のんきな太陽が退屈のあまり海を覗いたそうな
するとパラオの海にぽちゃんとおとなしい波を落としてしまったそうな
だから大西洋はいつも時化なのだそうな


「眠りあ ....
{ルビ凩=こがらし}や袖でミラーを拭きし恋

寒風のとえにはたえや砂の色

{ルビ空風=からかぜ}の上州廻りに馬具にほふ

くらき夜の背わたごそりと{ルビ偸=ぬす}まれり

{ルビ夕凍 ....
自分は、昔からサイエンス・フィクションを愛してやまない人間であった。昨日、ある詩人の方が投稿された詩を読んでいて、忘れかけていたそんな思いが胸のうちに甦ってきた。

自分はかつて夢を見ていた。SF ....
闘いの始まりではなく
始まりの闘いが続いている

クローゼットの把手の
象徴は
クローゼットの中の死体に拠るよりも
振り返った先の
あなたの微笑に降ろす
錨かもしれない

そうやっ ....
 ~序~
 
 若い頃、男であれば当然のことだが、どうしても誰かとお付き合いしてみたくなった。なので、人生で一度だけ合コンというものに参加したことがある。たしかあれは「読書コンパ」とかいう名の、じ ....
{引用=「アルタイル(ひこ星)」

めをつむると
いたって
砂さばくです

ずっと
ふたはあけた{ルビ儘=まゝ}

眼には
さぼてんの花

{ルビ如何=いかん}
せん
いか ....
きわまりが結氷である事をもとめて神様は冬を創造したのかな

けれどもローリエを咥えて希望を運んで来たのは何も鳩だけじゃない

あの日のぼくもそっとバーモントカレーにそれをしのばせたんだから
 ....
!ひゅーうぃーごー

「ラーメンも食えねえ」

どうにもならない気がして
さまよう気もして
ラーメン一杯300円
なんてどこにもない
から
コンビニで安いのを買う
さんたんたる
 ....
{引用=糸くずの
ふりかかる
だまった湖面に
傾斜した
クレセント・{ルビ月=ムーン}が
代入される

みぎも左もわからぬ
夜来の{ルビ湧出=ゆうしゅつ}

妖精により
{ルビ繙 ....
青空に白いボール
をなげ
それきり
ボールは
……
もちろんおちてきて
ぽーん
ぽん



跳ねて
それでおしまい
タン・タタン
 書かないでおこうと思うことはむろん書けばいいし、書こうと思うことの大抵はただ、書いてみればいい。信濃路の秋を作り付けのファンタジーに貶めることなく、どうやったらそこに厚みある輪郭と衒うことのない調べ .... {引用=風にゆれてるコスモスは
風にゆられているつもりはなくて
げんに
ゆられているはいようが
自分も風もゆれるも
みんなしらず
ゆれてゆられて
ただ
ただ
夢のコスモス}
道草次郎(642)
タイトル カテゴリ Point 日付
そこへ行きたい自由詩720/11/20 6:34
長い失読の状態について散文(批評 ...120/11/19 21:52
漁火と自愛[group]自由詩220/11/19 8:56
帰り路自由詩420/11/18 16:47
この何にもならない思い自由詩220/11/18 8:31
帰還 他自由詩2*20/11/17 12:29
エデン自由詩020/11/17 9:18
とても広い部屋[group]自由詩320/11/17 2:21
パピルスの諌言自由詩320/11/16 12:18
ニュートリノを買う自由詩220/11/16 7:32
イマジネーション散文(批評 ...320/11/15 21:42
鉱夫自由詩420/11/15 7:55
言葉の壁に挟まれる(!)自由詩120/11/14 16:50
月と名のない花自由詩320/11/14 7:02
白の惑星自由詩220/11/13 18:30
在る自由詩420/11/13 11:14
接地のための投下散文(批評 ...2*20/11/12 22:01
銀河を買う[group]自由詩1420/11/12 17:13
ふみんふーみん自由詩120/11/12 9:00
こがらしと温もり俳句2*20/11/11 21:56
苔生した遺跡群の中の「SF(サイエンス・フィクション)」散文(批評 ...5*20/11/11 20:27
海の把手自由詩220/11/11 11:13
神聖なる合コンの話 (序 その一)散文(批評 ...020/11/11 0:16
『冬の星座』のために[group]自由詩420/11/10 16:02
ローリエ(月桂樹の葉っぱ)自由詩220/11/9 22:57
この全部、クソッタレなじぶんさ自由詩120/11/9 21:15
湖畔と菌糸[group]自由詩620/11/9 15:50
幕間自由詩020/11/8 22:00
燃える秋へ捧げるもの散文(批評 ...4*20/11/8 21:05
夢のコスモス[group]自由詩220/11/8 13:28

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