それにしても
いい詩がたくさん
こさえられては
わすれられていくなあ

いい詩っていうのは
よんだらなんだからふわっとして
金木犀みたいな香りがする

知ってる
知ってるよ俺にはそ ....
{引用=「少年のころ」

少年のころ道草をよく くって帰ったものだ

冷凍食品工場があった
友達のおかあさんが勤めていた
意味もなくいやで まわり道した

子供らしい体温で
大人のに ....
 とある事業所で働いている。四時の会議の前に五分だけ時間があったので、久しぶりに声をかけてみた。その、文学好きの女性の利用者さんは待ってましたというように、堰を切ったように早口で喋り出す。ぼくがふだん .... バスタオル干してる二の腕のとこ
おとうさん
姿見の中の姿見
おとうさん
切りにくくなる足の爪
おとうさん
蛍光灯の下の剃り残し
おとうさん
午前四時三十分の仄明かり
おとうさん

 ....
{引用=「ねこのみみ」

からすがとんで
むしがなく
あかつきかすかな
かぜごこち
いみしんちょうな
ててっぽっぽう
おとぎばなしも
すたるとき
おかまでたいた
ぎんしゃりの
 ....
めいっぱい仕事をつめこんだ
ADHDの鞄
ふたまわりも下の人が
リスケと言って
はじめてリスケの意味をしった

ぼくの歩いてきたのは
何処の砂漠だったか
おせわになった人の顔も
いや ....
{引用=「夜」

それは
くらくて
おちつく

それは
しずかで
ひかえめ

つねに
はんぶんが
そうで
もうはんぶんも
どこか
こがれている
その
はんぶんに

 ....
「重力」

電気を消す
横たわる
重力に素直になり
ここちよい疲労を受け入れる
わたしは
有能でも無ければ
あまりの無能ですらない
父であり
子でもある
隠し事をし
真実をすら ....
芯から憎まないでいられたら
それでいい
と思った
十四


やっと
人間に参画した気がする

こうなることは
どこかで分かっていた

憎しみすら
もう
愛さずにはいられな ....
とにかく
ナックルボールが投げたかった
そんな子供だった
ナックルボールというのは
縫い目がみえるほどに回転をおさえた球種のことで
不可思議な軌道を描き打者を翻弄する
意味もなく
無闇に ....
おれという寸法はおれのお気に入りの仮説の域を出ない

おれがおれの詩に吐き気をかんずることは全くもって正しいといえる

おれは掘ることばかりをかんがえる
この井戸をのぼることを、おれがかんが ....
抹茶色の外郎のような色の池の水を背景に、若葉のもみじがソメイヨシノの木陰でいくらか涼しい風に小刻みにわらっている。

おれは蟻やら小枝やらがあるくちかかりのベンチに身をもたせ、とにかく西の方までず ....
おまえは、哺乳類だし、ミトコンドリアと共生してもいる。なるほどお前の予感はこういったものだ。たとい愛は滅んだとしても我々には科学がある、と。
おまえは、おまえが自分の事をおもうほどさほど悪くは無いの ....
ぜんぶかなしい
みようによってはぜんぶがです

メーテルがねむる冥王星のしんとしずまった氷の平原にみんないる
そうしてひとつずつの青白い炎がぼおっと点って
それらはまじわらない

ひどく ....
あのこは
よいこ
あのこがよいこで無かったら
よかったのにな
なんか書くと
みんな自分よりよくものを知っていて考えてもいます
なんかを書くとだからのこるのは
こんなでも書かせてもらえるのだなあということだ
うわべを撫でてるだけのは見抜かれてしまい
泡銭 ....
いつかよんだ
すてきなしょもつのなかの
どこか
いこくのひろばには
しゅろのきと
みなみかぜと
なみのおとがありました
だれかさんは
ひとりぽっち
そして
まんげつでした
さあ
 ....
アンパンマンが凄いことは
分かった
わかったから少し黙っていてほしい
きみに言っているんじゃない
やけをおこしかけてるこの人生を
たしなめたいんだ

きみはいつも誤解するね
尤も
誤 ....
だれにだって好もしいものはある
それをつまんでちっちゃな卓に載せ
しげしげと眺めてみればいい
むこうだっておんなじことをするだろう

そのとき
好もしいものをえらぶとき
虚飾は無しだ
 ....
とたんにきみはきみが綱のうえにいるのをしる
そういうのを
場面暗転というんだ

ヒマラヤのてっぺんに打ちつけられた杭があり
その杭からとおく伸びる綱の一閃
その綱はオリンポス山の頂に穿たれ ....
おれはたぶん
いままでよんだそっくりを忘れるだろう

そうして
あたらしく下り坂を組織し
サーカスのピエロよろしく
お手玉しながら
一輪車をこぐんだ

おれは思う
このやまをこえれ ....
『5わのアヒル』という子供の歌をききながら
水溶き片栗粉をこしらえてる

トロミというのをしっかりと扱えたら
いろんなことが
すこしはマシになりそうなので
だから
水溶き片栗粉なのだ
 ....
十四の時にはじめて詩を書いた
校庭の桜がこわくて仕方なかったから

衝動買いの寝袋はけっきょく
使わないまま

今でも行けない場所がある
ぼくはいまだに同級生がこわい
マルメロになる
かなしいので
月を見上げている
おんなじことだ
そのおんなじなのが
月面の星条旗みたいだ

億年に噛みつかれた孤独
おぇ
今しがた今は今に至り
雲丹の毒針と
あい ....
{引用=蛾の鱗粉と
きのこの胞子がまざります
そういうのが
たぶん銀河系です

蘇生する魂魄ひとくさり
ついえて
ひゃあらりり
虫。星

待遠しい秋をあさっての射程に
なつは
 ....
ねえ
ねえ
ところで
エピクロスの残存する幾らかの断片を
読むことぐらいしか
もう
したくはない

(やけになまっちょろい物言いダナ)

小洒落た珈琲屋でひとり
超閲覧注意画像を ....
ふうわり
綿毛となって
とんでゆけ

忘れの国へ
とんでゆけ

そうだよ
地の底だって
じつは天井

(かなしいね
かなしいよ)

さあ
思いの儘に
とんでゆけ
 ....
たくさんけずったら、のこったのは腹ぺこ。咀嚼し、嚥下し、胃をふくらます。その一つひとつが、その一つひとつに奉仕をしている。

ひつようの土からでないと、なかなか生えない満足の木。そういうふうに捉え ....
いちばんだめなのが
いちばんなのだという
おかしな理屈です

それは
まちがっていますとも

なんかいめの
まちがいだったか
誰も
もう
覚えておらないのだ

もう
だれも ....
きみの背後にはたくさんのごみの山がみえる
そのごみの山について
ぼくはいくらか考えてもいいだろうか
すずめが初夏のこずえにとまって
世界が軽やかにバウンドする
そんな果てなき午後の池のほとり ....
道草次郎(650)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
幻想の詩群文書グループ21/5/28
コミカルぽえむす文書グループ21/4/15
こどもの詩文書グループ21/2/22
投稿作品
自愛自由詩425/9/16 21:20
メモⅳ自由詩325/9/15 20:32
机の上に射し込む光の川散文(批評 ...425/9/12 6:24
夏の終わりに自由詩625/9/6 23:03
メモⅲ(ひらがな)自由詩625/8/28 6:37
シルルの森へ自由詩725/8/27 6:17
メモⅱ(夜、朝、昼)自由詩825/8/26 6:08
メモⅰ自由詩725/8/21 7:05
やっと生きだす自由詩121/7/1 20:56
ナックルボール自由詩221/6/24 5:21
足らないものをおれはしっているがおれはそれをかかない、なぜな ...自由詩321/6/23 19:03
尺八老人と漬物の恋散文(批評 ...221/6/21 18:38
そう悪くない事を忘れるな自由詩321/6/16 1:57
メーテルがねむる冥王星のしんとしずまった氷の平原に自由詩221/6/16 1:35
ひとのまえでものが言えなくなった、いつからか。自由詩321/6/15 18:06
でわでわ自由詩221/6/12 9:24
おまえはいつかおもいだすはず、あれらたくさんのものがたりを自由詩321/6/10 22:07
ほんとうだね、アンパンマンはほんとうに凄いよ自由詩321/6/10 17:04
だれにだって好もしいものはある、さあ自由詩321/6/10 1:22
気が付いたら綱渡りをしていたことを思いだした、ひとりで自由詩821/6/7 18:47
らいむらいとをもう一度観ると思う自由詩221/6/6 21:00
『5わのアヒル』を聴きながら自由詩821/6/3 19:04
校庭自由詩421/5/31 9:24
今宵の月はいずこに架かる自由詩221/5/28 23:25
COSMOS[group]自由詩221/5/28 23:07
橋向こうの播種自由詩221/5/27 22:17
綿毛となって自由詩621/5/26 21:06
メモ5.19散文(批評 ...121/5/19 3:08
いちばんだめなのが自由詩221/5/15 21:00
池のほとり自由詩7*21/5/13 17:45

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