お月様 浮かんでる
水色の空のなか
未だ未だ明るい
夜空の手前
お月様 不思議だなぁ
白く透徹と弦を張り
何か絶えず思考し送信して
この地球にこの私に私達に
お月様 浮かび上が ....
花咲く陽光の丘に
記憶の忘れ物
じぶん、行方不明
たぶん じぶん消え
花咲く陽光の丘、
初めて記憶の
奥に現れ
変容し続ける
記憶の忘れ物
花咲く陽光の丘にて
反復 ....
波打ち寄せる灰色の浜辺に
渚 黒々と鋭角の境界
力動の思考 絶えず打ち寄せ
感覚を超えた存在と共鳴し
覚醒した意識の舞台にて
舞い踊る舞い躍る
渚 黒々と鋭角の境界 ....
思考 感覚から離れ
歌う響き 直観にて
宇宙という思考、
思考する宇宙、
在るもの この実在
歌う響き 響き歌う
思考する宇宙 人、踊り歌い模倣し
沸き立つ感情 思考という織物より
....
響く光の余韻、
浄福なる感触、
それは到来し
それは逃れる
白眼の月と裏庭の太陽
*
真紅の薔薇 咲き乱れる花園に
切り裂かれ 残響する霊性の香
直進する時に詩 ....
朝の光に包まれて
紫陽花の青、浮き上がり
意識、うっとりあけてひらき
朝の光彩 闊達に浴び
青の流出 今や止めどなく
新たな現の顕れに
眼と成るわたし
静かさの内
引き裂く対角線、
伸びる白い未知、
月の光零れ落ち、
三の物影立ち尽くす
(あれは三歳の夜の悪夢、
現の一つの顕れ観た)
交わる漆黒の二線、
あらゆる形態壊し
純白の月の光 ....
夏の少年は
河童が河から上がって来るのを
待ちながら
堤防の先端から飛び込む
海へ
ひたすら
波のうねりに
身を任せながら
浜辺へ向かい
泳ぐ 泳ぐ
そうしてまた
....
陽の光 溢れ
青の天空 遥か高く
鼓動 確かに
己 在り
街道横切る銀輪の輝き、
学生たちの声のさざめき、
母親に抱かれた赤子の眠り、
杖つく老人の覚束ない足取り、
平静な内面 ....
たゆたう大洋の真ん中にて
哀しみのたましいの層 覚醒し露わに
響き渡り届く声の清澄な呪い 天を突き抜け
聳える嘆きの壁 その精緻な構築 木霊し歴史に累々と
この私という一個人の ....
廃墟から
見える現実、
偽りの世界
*
渦巻く宇宙の岸辺から離れ
静かさの森奥深く歩み入り
この白い小部屋にて
網戸にしたまま
カーテン開き
夜を迎える
灼 ....
アパートの軒下で
猫が雨降りを眺めている
虚ろな無関心な
人間の目をよそに
瞳 黒々と濃く流れる血
いつか雨降りと一体化し
遠い海鳴り宇宙のそよぎ
軒下の猫 夢みてい ....
光が奏でる
響きの旋律、
雪面に続く
野兎の足跡、
延々と輪舞し跳躍し
今日、隣のおばさんは
今の若者が結婚したがらないこと
嘆いていた
怒涛の波 押し寄せる
その前触れ ....
突き抜ける、
独りの個の限定された
知覚を感情を世界観を
声 響き渡る、声 突破する
混沌とした音響のなか
人間社会というザワメキをウナリを
私という存在に真っ直ぐ突き刺さる
貴 ....
円を描き循環しながら
増幅し強度増していく
ヒビキ、
思考と感情の交錯と分離
繰り返し互い支え合い
一つの聖なる確信の次元へ至る、
ヒビキの放ち刻印する
光の故郷、
覚醒する意 ....
漆黒の円に
閉ざされていた街が
内側から
破裂する時、
光を眼差す魂
戦いを放棄し
己の行為を愛する、
ひたすら
雨曇切れて覗く青
前行く女のまぁるい尻
優しい柔らかな進化の残り香
残された時はもうそんなに
長くはないよと風の精霊
私という魂を吹き抜ける
土に埋もれた狂人の顔
その赤裸々な闇の独 ....
溢れてくる
無数の円、
次々と次々と
その内の一つ、
次第に大きく巨大に
純白に侵され満たされ
接触する、
何かに
ナニカに
風景破壊し瞬間の光景、
閃き開示し
....
ふと訪れる
静かさに
ひたりながら
透明な呪いの声
深く深く沈み入る
時間の流れ、止まり
閃く瞬間の、広がり
沈黙の世代の息子にて
夢見がちな覚醒意識で
自らの思考発声出来る ....
深い森の沈黙、
わたしのララバイ
見えないものが
見えるものを
支え創って居る
その感覚、浮き立ち
漆黒の対角線 交差し
すべての形態 否定し
ただ生き延びた黄色い ....
物質と非物質の間で
艶めく貴女は、
到来した明澄な夜
より深い層、
表面に輝き浮き出させ
色と形、その調和統一
互い呼応し支え合い溶かして
色は形と成り形は色と成り
そうして、
....
抜けた白髪が
人差し指に
引っ掛かり
もつれる時、
森は唸りをあげ
不安定な心を抉る、
汗ばむ手のひら
崩れる砕氷
青い天空は熱風吹き込み
その豊かな乳房を揺 ....
漆黒の闇に
浮かび上がる
白い顔、
透き通る眼差しで
宙を見据え
同時に、
内面へ沈み込む
異様な威容
深く深く光の残響の許、
その輪郭 保たれ
魂の現 表し語り
表 ....
波打つ光の残響、
雪原遠く聳える雪峰、
憧憬は誘い予感は流出する
見えるもの見えないもの
重なり合い遠く近く
未知に臨む魂に
深い森の一処
音叉の共鳴、
伝導する
それは透明な
時を飛び交う蜜蜂たち
霊性が導く通路に従い
花から花へ
雄しべから雌しべへ
ひたすら蜜を吸い受粉させ
循環させるこの世界を
道端の花園、小宇宙
わたし 目醒めた意 ....
霞んだ滲んだ奥底から
仄かに姿を現すもの
深い 深い
海の底にいるように
無音のうねり
無音の瞬間
生と死の狭間に立たされて
未だ肉の生命は躍り
....
トーキョー あるいは地獄
不協和音の連弾
太陽の上昇
騒ぎあかした疲労の夜明け、
異邦の声の感触 未だ濃密に
朝に眠り夕に目覚めたあの頃、
地獄突き抜け
何処までだって自分は走れると ....
力動、漆黒に碧く
ぽつんとひとり、
取り残され
「これからオレの半径五メートル以内に近づくな!」
いつもの坂道上る登校途中、
手を繋いでいた五歳年上の兄
突然、手を切り離し私に言 ....
曇天、厚い雲が切れ
ひろがるひろがる
光の青、
降り続いた雨の
雨滴 葉群れに輝き、
もんわり街を覆う熱に
滴り落ち蒸発し
この世、今
光の青に包まれ
地から空へ 光
クレシェ ....
空間のなかの構成されていない物体たち*
言語による意味規定される以前の
ただひたすら在るもの在るもの
その立ち上がる実在感
ばらばらと在り
なのに調和し
全体 ....
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