熱気充満する夕、
庭先赤々と
幾筋もの斜光集まり

沈みゆく太陽の
夜闇に領されながら
輝き躍り染める死者達の眼、
徘徊し始める黄色い犬を追い
せめぎ合い薄れ始める境の残像、
闇と光 ....
沈黙に
横たわる

熱帯びる肉体、

沈黙が
横たわる

内なる遠い地平を凝視し
空と大地の光彩とうねり

この小部屋の白壁が震え揺れ動き、

沈黙 重層し
静かさの内に
 ....
同心円の瞳孔
三角の弛緩した筋肉
血液と神経と
共感と反感、
眼 形造り

中庸を維持しながら
感性の異常な高揚を、

広大無辺の水色
柔らかな硬さに

合体させ溶かして

 ....
うだる田舎の熱帯夜、

自販機にたかるカブト虫
無数の黒々と蠢く輝きを

しなだれてうなだれて、

さるすべりは薄紅に
うっとりと夢見ながら
目覚め花開き眼差して、
無音流動する樹 ....
次々と崩れ壊れゆく波
追跡する遠い灯り
ささくれ立つ闇抱え
どうしようもない
この憧れ哀しみ抱え
次々と崩れ壊れゆく波
遠い灯りに見守られ

己を超える圧倒的な存在
通学路の坂道登り ....
蒼穹の砂浜、
弓の弦、
澄み渡る旋律奏で
七月の波沸き起こり
打ち寄せる旺盛な生命力、
反復され蓄えられ
上も下も右も左もなく
すべて真っ青に透過され

地水火風の精霊たち、
一つ ....
水をワインに変え
白い人、
時という河 滑りゆく

時は切り裂かれ
一瞬の永遠
その光景は開かれ

銀輪の夏、
梅雨を吹き飛ばし
緑亀を買いにお兄ちゃんと
灰白のアスファルト自転 ....
蒼穹の
深い青に
走る無数の
力線、
私を貫く
光の感触

外は熱風吹きつけ
人は誰一人通らず
街道走る疎らな車
草木は光に酸素吐き
天からの力動引き受け

蒼穹の
深い青 ....
生き物たち変態化して浮かぶ地平に

旋律の残響、郷の薫り
内底から呼び起こされ

こんにちは こんばんは

湧出する情動、不動の憧憬

包み込まれ懐かれて
肢体踊らせ
模倣する
 ....
くらげの浮遊 人でなしの内省

穏やかな飛翔 其処離れ在り

  *

沈黙の時代の子供たちに
抑えがたい内なる躍動を
降りしきる雨中にキスし

懐かしい里の響き 紡がれ刻まれ
 ....
在るもの
すべて 透明に
壊れ澄んでしまいそうな瞬間、

ふとおとずれ

ぽっかり白雲浮かぶ 夏の青空、

調和の内に時の粒子は溶け

わたしはすっかり平静なり

やがて穏やか ....
それまで分からなかったこと
ふと 解る瞬間、
理屈でも理性でもない
閃く直観という能力
知覚即認識、次第に培われ

雪、垂直に降りしきり
街灯に照らされより激しく
愛娘、私の膝枕にひた ....
あゝ後何万年
待てばこの瞬間に
出会えたのか
銀河の端が今爆発する
遠いふるさとのたましいのめまい

熱風吹きつける
暑い荒れ地の井戸のわき
赤い花、真紅の花
ゆったり優雅に咲き誇り ....
黄色い命の隊列、
燃える水となり流れ進み

私は未だ聴き続ける、

あの日霊園で買った菊の花束
それら手向け包み込んだ

白骨の、

独り黄色い命の残響を
いつもの街道沿い脇に
群れ開いていた紫の花、
今朝一斉に萎み縮んで
この移り変わる命の顕
改めて感じ入る私に
どろんと地平に上がる月、
その赤々とした巨大な異様
纏わり沸き上がる感情襲い ....
波リズミカルに打ち寄せる
浜辺 灰白にて広がり

貫く漆黒の直線、
後光帯びる弧空、

やがて訪れる
深い夜闇に
点る明澄な灯り

手を繋ぎ寝そべる二人に
対立し合う世界の響き、 ....
夏の熱風、
唸る
大地天空宇宙に
肉の苦と魂の闇、
突き刺し

抹殺の誘惑に
白くたじろぎ魅せられながら、

この世に在るもの在るもの
すべてと交わる
確かな霊性のひとひらと成る ....
裸形の闇に
潜むもの、

余白 一拍
風吹き抜け

無機呑み込む、
光の銀河
感覚の光
思い出のように
余韻 響かせる時、

赤 青 黄
三原色の
鮮やか輝き
騒ぎ出し、

未知ゆく人を陽気に踊らせながら

光のオーラに弾み震え
燃え上がる水の空に
光 ....
この夜陰、

向かいの家
ガラス越し、
灯る明かり
忙しく動く人影

ふと吹きつける暖風に包まれ

やわらか わたしは私を感じ 

只 静かさ奥に横たわる
荒れ果てシラケた大地に
束の間打ち立てられた愛に
育てられた私は、幼年
秘密基地を造り遊んだ広大な草原
巨大な無機ブルトーザーに押し潰され
破壊され消滅し更地に成ってゆく光景
ひたすら歩き ....
視界端
路傍の草花揺れ
オレンジに
輝き在り

只粛厳と、

実在の刻印
魂に響き
はたと立ち止まる
オレおどろき

その時、

視界向かい
用水路に降り立つ
白鷺の巨 ....
漲る力よ、
力に潜む自我よ、
私よ。

夢の浜辺に横たわり
黄金の日の出 仰ぐ
あんなに懐かしかった
潮の香り 充満し
炸裂する 瞬間
夢の浜辺に
覚醒の到来し

見開く眼よ、 ....
一日の始まりに純白のハンカチーフ
貴女は行ってしまい置き去りの私

名付けることで世界は発見され
名付けられて世界在り当たり前に

奏でられるサウンド謎のノンセンス
なぜ空気の振動サウン ....
すっかり夜だ
カーテン開ければ
満月輝く 白く白く生照らし
円かな輪郭保ち柔らかな光にて
どろんと赤々地平に昇るその巨大忘却させ

(それは死そのもの だった)

死は生に付き纏い
 ....
この七月の
光降り注ぐ
太陽の日、
路傍の石に
眼が穿たれ
見開かれる沈黙、
熱と光の充溢に
霊性貫かれ只不動。
響きの世界に居る俺は
踊る人、躍る宇宙
面映ゆい想い抱え
重い荷を背負い
地軸の揺れ幻想
排し笑い飛ばす

この響きの色彩の匂いの世界にて

もはや意味成さない
言葉を並べながら
 ....
哀しみに立ち尽くす人々
明け方、夢に観た
おもちゃ箱ひっくり返せ
記憶に眠る幼子よ
戸を開ければ
もんわりぬるい風、
吹き抜ける

たましい、
肉の病にままならず

うう と呻き

不快と苦痛、
夜風に晒す
私 とは
ナニモノか
光の響きのアラベスク
巨大な像、海に沈め
思考の力に火を放つ

(俺という時間 終わり
私という瞬間 開けて)

柔らかな硬さ 
円と三角、一体化し
見慣れた街並み、
丘の上から新 ....
ひだかたけし(2727)
タイトル カテゴリ Point 日付
夕に焚べる2自由詩223/7/19 15:54
穏やかな飛翔4〇思考という力自由詩323/7/18 15:26
138億光年の孤独自由詩223/7/17 17:10
闇の奥に自由詩2*23/7/17 15:11
FIVE YEARS(改訂)自由詩323/7/16 17:45
蒼穹の約束自由詩423/7/16 15:01
小屋を建てる自由詩523/7/15 16:58
穏やかな飛翔3自由詩423/7/14 16:13
becalmed自由詩223/7/13 15:50
穏やかな飛翔2自由詩423/7/12 19:40
穏やかな飛翔1自由詩323/7/12 15:29
五行歌、未来未知自由詩323/7/11 21:27
五行歌、罪に咲き誇る自由詩223/7/11 16:52
慰霊自由詩423/7/10 17:32
紫の花自由詩6*23/7/9 19:00
浜辺自由詩11*23/7/8 20:15
ひとひら自由詩423/7/7 19:25
不在の光自由詩323/7/7 15:03
ポップ∞自由詩3*23/7/6 16:19
やわらか自由詩423/7/5 21:00
魂の告白自由詩2*23/7/5 20:00
散歩の光景自由詩223/7/5 15:59
この力動の夕べに自由詩2*23/7/4 18:04
離郷、そして帰郷自由詩3*23/7/3 19:03
夜想67自由詩323/7/2 21:46
予兆自由詩423/7/2 15:12
斜光自由詩223/7/1 18:18
転覆自由詩323/7/1 15:17
夜想66自由詩2*23/6/30 20:31
光の響きのアラベスク自由詩3*23/6/30 17:53

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