こんな田舎の図書館じゃ
理論社の水内喜久雄さんが撰んだ
有名詩人の詩の本しかない
わたしはそれを借りる
もう何回借りたか分からない
それを

たぶん
わたし一人が借りているので
その ....
Aさんは
ぼくよりいくつか歳上の事務員さん。

あれもこれも
うまくできないこのポンコツを、
見放さないでいてくれる。

「こうした方がいいですよ」と、
さりげなくアドバイスをくれる。 ....
めためたに仕事できなくって
吐きそうで
充血して
帰り
画面のむこうの娘にはさんざん怒られる
あとで
少し泣く

シンクにそのままの
ペットボトルのラベルを今日は十三枚やっとはいだ
 ....
みんながみんなのなかの何かを
だいじにおもい時にそれをいとしがっている
(そんなものはちっとも無いという誰かもあわれにうつくしい)
そのことを想うと
一々
ぼくというでしゃばりは要らない気が ....
{引用=出来ないことに向き合い
少しでも出来るようにしていくことを
ぼくはなかなかしてこなかった
すぐに下痢を催し
自己否定に疾走った
今も
かなり
そうかも知れない

大きい
楽 ....
人知れず静かに閉まるコンビニのトイレのようにありたくもあり

​スーパーの見切り品みたいなパサパサのきょうのじぶんに穂村の弘

水を飲むそれだけのことをしてみたら水だけの音が夜をながれる

 ....
 毎日、六粒の安定剤を飲んでいる。それを知っているのは、たぶん自分だけ。母には「五粒」と言い、元妻には「四粒」と伝え、子どもには「ラムネだよ」と笑ってごまかす。医者にも、本当のことは言わない。

 ....
{引用=「空」

空は
じぶんがはれていることをしらない



「波」

舟をもちあげる海の肩は
やさしい



「朝」


朝は
記憶の無い夜だろうか


 ....
「消しゴムのかす」

身を{ルビ捩り=よじ}切り小さく{ルビ蹲=うずくま}るように
春の日差し射す
昼ひなかの教室で

目立たぬよう
自分の中の
誤りの渦巻きが
何処かへ滲み出さぬよ ....
{引用=「お金」

お金のようになりたい
お金を沢山欲しがりはしないが
お金のようになりたい


「あなたに」

なにか言おうとして
だまる
そんな事たくさんあったでしょう
ぼ ....
初秋だ。
寒さに目を醒まされる朝が来る。裏戸を押して足下を見ると、枯れ草色の蝗が犬走に一疋かたまっている。ぼくも、一時、じっとなる。あ、ども——と言いたくなるほど、ちいさな沈黙が胚を抱いている。
 ....
{引用=○備忘のことⅰ(倫理)

許すことのできる人は
許される熱をもつ人
それはまるで
書く術を知る人が
熟読を心得ているかのよう


○備忘のことⅱ(微熱にて)

上顎が痛痒 ....
飽きるまで 今日こそパパは お客さん 
小窓に微笑う テラコッタ鉢 

日めくりを 一枚飛ばしで 破りけり 
呆れ顔する 秋の袖口

道草の すすきを「お米」と 呼びながら 
花瓶に挿し ....
それにしても
いい詩がたくさん
こさえられては
わすれられていくなあ

いい詩っていうのは
よんだらなんだからふわっとして
金木犀みたいな香りがする

知ってる
知ってるよ俺にはそ ....
{引用=「少年のころ」

少年のころ道草をよく くって帰ったものだ

冷凍食品工場があった
友達のおかあさんが勤めていた
意味もなくいやで まわり道した

子供らしい体温で
大人のに ....
 とある事業所で働いている。四時の会議の前に五分だけ時間があったので、久しぶりに声をかけてみた。その、文学好きの女性の利用者さんは待ってましたというように、堰を切ったように早口で喋り出す。ぼくがふだん .... バスタオル干してる二の腕のとこ
おとうさん
姿見の中の姿見
おとうさん
切りにくくなる足の爪
おとうさん
蛍光灯の下の剃り残し
おとうさん
午前四時三十分の仄明かり
おとうさん

 ....
{引用=「ねこのみみ」

からすがとんで
むしがなく
あかつきかすかな
かぜごこち
いみしんちょうな
ててっぽっぽう
おとぎばなしも
すたるとき
おかまでたいた
ぎんしゃりの
 ....
めいっぱい仕事をつめこんだ
ADHDの鞄
ふたまわりも下の人が
リスケと言って
はじめてリスケの意味をしった

ぼくの歩いてきたのは
何処の砂漠だったか
おせわになった人の顔も
いや ....
{引用=「夜」

それは
くらくて
おちつく

それは
しずかで
ひかえめ

つねに
はんぶんが
そうで
もうはんぶんも
どこか
こがれている
その
はんぶんに

 ....
「重力」

電気を消す
横たわる
重力に素直になり
ここちよい疲労を受け入れる
わたしは
有能でも無ければ
あまりの無能ですらない
父であり
子でもある
隠し事をし
真実をすら ....
芯から憎まないでいられたら
それでいい
と思った
十四


やっと
人間に参画した気がする

こうなることは
どこかで分かっていた

憎しみすら
もう
愛さずにはいられな ....
とにかく
ナックルボールが投げたかった
そんな子供だった
ナックルボールというのは
縫い目がみえるほどに回転をおさえた球種のことで
不可思議な軌道を描き打者を翻弄する
意味もなく
無闇に ....
おれという寸法はおれのお気に入りの仮説の域を出ない

おれがおれの詩に吐き気をかんずることは全くもって正しいといえる

おれは掘ることばかりをかんがえる
この井戸をのぼることを、おれがかんが ....
抹茶色の外郎のような色の池の水を背景に、若葉のもみじがソメイヨシノの木陰でいくらか涼しい風に小刻みにわらっている。

おれは蟻やら小枝やらがあるくちかかりのベンチに身をもたせ、とにかく西の方までず ....
おまえは、哺乳類だし、ミトコンドリアと共生してもいる。なるほどお前の予感はこういったものだ。たとい愛は滅んだとしても我々には科学がある、と。
おまえは、おまえが自分の事をおもうほどさほど悪くは無いの ....
ぜんぶかなしい
みようによってはぜんぶがです

メーテルがねむる冥王星のしんとしずまった氷の平原にみんないる
そうしてひとつずつの青白い炎がぼおっと点って
それらはまじわらない

ひどく ....
あのこは
よいこ
あのこがよいこで無かったら
よかったのにな
なんか書くと
みんな自分よりよくものを知っていて考えてもいます
なんかを書くとだからのこるのは
こんなでも書かせてもらえるのだなあということだ
うわべを撫でてるだけのは見抜かれてしまい
泡銭 ....
いつかよんだ
すてきなしょもつのなかの
どこか
いこくのひろばには
しゅろのきと
みなみかぜと
なみのおとがありました
だれかさんは
ひとりぽっち
そして
まんげつでした
さあ
 ....
道草次郎(663)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
幻想の詩群文書グループ21/5/28
コミカルぽえむす文書グループ21/4/15
こどもの詩文書グループ21/2/22
投稿作品
詩の本自由詩225/10/15 20:22
尊さ自由詩7*25/10/10 22:40
めためたに仕事できなくって自由詩525/10/10 7:30
名づけ得ぬ詩草自由詩325/10/3 7:36
_散文(批評 ...225/10/2 18:30
人知れず静かに短歌525/9/28 22:29
六粒の薬散文(批評 ...425/9/27 5:58
メモⅷ(短詩など)自由詩525/9/25 3:16
メモⅶ自由詩625/9/24 7:30
メモⅵ自由詩525/9/23 21:40
遷移散文(批評 ...425/9/20 7:45
メモⅴ自由詩625/9/19 7:39
秋の短歌はじめました 三首短歌225/9/19 7:33
自愛自由詩425/9/16 21:20
メモⅳ自由詩325/9/15 20:32
机の上に射し込む光の川散文(批評 ...425/9/12 6:24
夏の終わりに自由詩625/9/6 23:03
メモⅲ(ひらがな)自由詩625/8/28 6:37
シルルの森へ自由詩725/8/27 6:17
メモⅱ(夜、朝、昼)自由詩825/8/26 6:08
メモⅰ自由詩725/8/21 7:05
やっと生きだす自由詩121/7/1 20:56
ナックルボール自由詩221/6/24 5:21
足らないものをおれはしっているがおれはそれをかかない、なぜな ...自由詩321/6/23 19:03
尺八老人と漬物の恋散文(批評 ...221/6/21 18:38
そう悪くない事を忘れるな自由詩321/6/16 1:57
メーテルがねむる冥王星のしんとしずまった氷の平原に自由詩221/6/16 1:35
ひとのまえでものが言えなくなった、いつからか。自由詩321/6/15 18:06
でわでわ自由詩221/6/12 9:24
おまえはいつかおもいだすはず、あれらたくさんのものがたりを自由詩321/6/10 22:07

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