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RT会議室突発連詩ログ保管庫 (創作系)スレッドオペレーター:なを
リアルタイム会議室における連詩のログです。
連詩に対する感想、RT連詩の開催呼びかけなどにもご利用ください。

[68]ヤギ[2005 07/10 17:58]かぜきりベンジャミン
本日夕方
一行ずつ
二巡+1行
(最後一行は末上シン)

末上シン→ザラメ→ヤギ→窪ワタル


「融」


ため息のポケットから抜け出せないぼくらは
雨の中を線路に沿って歩いていく
レールを踏み目に写るのは鋼鉄
血の匂いがため息と混合する張り詰めて
夕焼けと肌の色かさなっていく今、掌が温かい
まだ濡れているレールに耳をあてれば
温もりはどこへ行くのかと空は灰色に
灰色は煙りに孕まれて
所々錆びている銀色の地面と空、無駄とわかっていながら叫んだ今、ぼくの声に強く血が通う。
 

[67]ヤギ[2005 07/10 17:55]かぜきりベンジャミン
本日昼下がり
一分連詩
一行ずつ

第一連
ザラメ→ヤギ→窪ワタル

第二連
ヤギ→窪ワタル→ザラメ

「心拍数 春」


誰もいない教室で水槽の金魚がはねて
またこの部屋に生まれたことを知るのは
時が歪んだままチャイムを待っている
椅子の影がのびて黒板に届き
朝焼けに染まるプールの匂いが漂う中の
それは卒業式だった
子供たちの囁きだけが残っているような
老いぼれた上履きが優しく濡れた
水面のようなさよなら


涼やか、そうともいえる風にはもう思い入れはなく
点は線にならないまま浮遊し続け
窓辺のプリントからこぼれだした点数が
空に校庭に軽く白く
続いて行きやがて記号になるまで
走り続けるスタートラインを引く
守られない約束に傷つくのは昨日までにしよう
ピストルが鳴る 幾千万もの点の渦が
少しだけ浮かせた踵を蹴って、始まり
 

[66]ヤギ[2005 07/09 22:50]ベンジャミンPULL.かぜきりとうどうせいら
一分連詩
一行ずつ
(一分を超えた者はニョクマム一気飲みの刑)

灯いづみ→flame→かぜきり→ヤギ


「はとバス世代をなめるなよ」


はとバスに乗って、観光している醍醐味とは
続く雨の音から逃げれそうだからかなぁ、って
おばさんたちと和みの和をひろげて
「アクセル全開で」と注文することにあり

しかしやたらと横歩き、横歩き
でも、隠したナイフは誰にも見せないように、密やかに、密やかに
黄色いレインコート車内でもきっちりかぶって
噴火した山二分で登るというのはちょっと無理

お楽しみまではもう少しの黒い山
ただひたすら、時節に乗って、はとバスに乗って
いそげ運転手さんいそぐのよっと言葉遣いも乱暴に
焦ることはない このまま火砕流へ

はとバスは飛ばすよ飛ばしまくるよ
どこまでも。あの稜線越えるため
そろいのサングラスに明日を誓って
僕ら丸ごと 音速を超えて
 

[63]ヤギ[2005 06/25 04:34]かぜきりベンジャミン半知半能待針夢子とうどうせいら
六月二十三日夜明け前
一分連詩

・持ち時間は一分
・素敵さ<早さ
・話の筋<勢い

後半は時間の定義が変わる(一分と思えば一分だ)
ヤギ→フユナの順で一行ずつ

「one minute rain」


夜空を蹴った低い雨
カバは、その大口を開けていた
金色蜜にも負けない味に
とりとめのなさがスパークしている
もう間に合わない私を追い抜き
水溜まりからサヤエンドウの蔓

ぐんぐん伸びて朝日を待つのは
雨に応えた甘い動物
アアア、おひさま気持ちいいよ
ずっとでいいから照ってておくれよ
そういう拍子に息照らされて
私はカバに、この手を伸ばす
かばさんかばさん、優しさひとつ分けておくれ
蜜より苦く、泥より甘い
私の優しさ欲しければ、お前は失う過去と再会
蔓に絡まり登ってゆけば
雲の湖広がって
優しい世界があるだろう

登ると決めると一気に届いて
私は夜空を蹴ってしまった
ああ早く早く 朝日が紅を失う前に
あのカバの優しさに追いつかないといけない
両手に触れるのは死んだ魚とオガクズばかりで
再生はもう太陽に飲み込まれている
雨の速度で落下しながら怖くて自然と泣いていて
優しさはそんなにいらなかったんだとおもう
地平線に囲まれてカバに向かってそう呟くと
両手一杯のシャケとすべらかな木肌
涙の跡をお土産に
カバは、その大口をむりやり閉じた。

#凄く楽しかったです。勢い優先って楽しいですよ。お暇な方是非やりましょう。
 

[62]ヤギ[2005 06/21 00:48]かぜきりベンジャミン
六月十八日
連歌
上二首は上の句ヤギ下の句ザラメ
下二首は上の句ザラメ下の句ヤギ


ひたすらに蛙鳴く田の星月夜なき真似しては咳き込むゴッホ

燃え残る焚き火囲みて夜の海おきの銀鼠ただ妻は待ち

百円の表片手に花見酒くしゃみひとつとタバコに変えて

朱色の珊瑚に似たり鳩の脚海岸線には遠い街角
 

[61]ヤギ[2005 06/21 00:39]ベンジャミン
六月二十日〜二十一日 
13時間ほどかけて(嘘です。)
一行ずつ五巡
半知半能→ヤギ

「遠鳴り」


平原のすっきりとした空気に遠雷が震える
山頂上る積乱雲は余りに遥かで
ふうと吐く息も地平を駆け抜けて峰に届こうか
牛追う声はただ牛を追うため
いつだって伸びやかにこの耳をなぜる
日と共に生きる私の幸せは
小川ですくわれ草花を潤し 実を結んで土に還る
−蒼空地と交わらず草本土にて天へ伸ぶ
神鳴る残り音は消えない幸せを運んで
丘を下る 見渡す遠い山遠い山
 

[59]ヤギ[2005 06/19 01:12]ベンジャミン
六月十九日零時頃
連歌
ザラメ→ヤギ→ちる→ザラメ→ちる→ヤギ


新芽摘む細き指から茶のかおり

山村に住む初めての年

八十八夜に薫りたつ茶葉深呼吸

寝過ごした日は朝の紅茶に

チーズ切り濃厚なブランチ降る光り

エネルギイ満つ休日の空
 

[58]ヤギ[2005 06/14 13:57]とうどうせいら
#何故僕は映画館でカーテンコールを求めてしまったんだろう。
 

[57]ヤギ[2005 06/14 01:59]ベンジャミン半知半能かぜきり
六月十四日零時過ぎ
二行×二巡
青春 無限→クローバー→結彩→ヤギ の順で

「切れ端シネマ」


若さのバカを映す
春の青い光
カタカタとなるショートフィルム
孤独と虚勢のよくある話
今となっては、
眩しすぎて 綺麗すぎる話
どこかへ行きたいと笑い続けた日々が
ただ網膜に焼き付いて
あなたに会えるのも夢の中だけになって
後に残るのは
安っぽくて塩と胡椒でも助けられない夕食と
膝を抱える透明な春の綻び
現実には何もないから
夢の中ではあの時で居させて
君との街の映画館で
ひとりカーテンコールをねだりつつ
 

[55]ヤギ[2005 06/11 15:03]ベンジャミンかぜきり
六月十一日昼過ぎ
一行連詩 ヤギ→ザラメ

「ヒマワリの星」


目線を飛び去った太陽の忘れ形見
軌道を追う黄色の鮮やかさが
焦燥と呼ばれる前に老人達は
骨のような花の影に溶けていき
溜息は笑んで天を指し
その指から次の太陽が産み落とされる
 

[54]ベンジャミン[2005 06/06 03:22]ヤギかぜきりとうどうせいら
6月6日 AM1:30〜3:10
一行連詩  いとう→ベンジャミン→丘 光平  の巡で

「べっぴんの子猫ちゃん」


空の裂け目を見上げて、何か言いたそうな顔をする
降りてくる小さなささやきに耳をたてながら
少しだけ斜めの帽子、名も無い野花を香らせて

サマルカンドソースはちょっとごめんなさい
アジアンチックがおこのみならば
きっとこの胸の鈴を鳴らすといいわ、りんりんと、りんりんと
そしたらたぶん、気も晴れるの イヤなもの全部、見ないふりして
背筋をのばして歩いてみせるから おいかけてきても振り向かない
ほら、空にピンで留められたあの夏の日、夏の夜
そんなの知らない覚えてない 退屈な思い出よりも 色褪せた夢よりも
目の前をちらちら横切る 偽者の現実が気になるの
もうどうしてよ、どうしてなのよ、そんなの嫌よ、怒っちゃうぞ、ぷん

斜め気味にうつむいて
曖昧な感情に爪をたてても、ちっともリアルは味わえないから
いっそ道の真ん中 ひとりぽつんと 影帽子
楽しさの 似合わないふり 闇帽子
だけど悪戯大好きで、ちょっと優しくされたりすると、隠れてそっと舌をだす
思い出はもういらないわ、ただひとつだけ願いがかなうとしたら
ときどき喉を撫でて欲しいだけ

声をもらしはしないけど、薄眼の視線でおかえしするわ
眠りたいは許さない、りんりん、りんりん、眠らせない
研いでる爪も忘れないでね
だけど遊びに怪我はつきものだから
だけど月夜に涙はつきものだから
凛として ときどきは胸を張って前を見て
大きく開いた瞳に 夜空を縦に浮かべてみせる
つかず 離れず 星の気の向くままに
寂しさの塊はどこかに置き忘れて
柔らかい手のひらで優しさをくるめば
鈴の音りんと 見返り子猫
   
 

[53]ヤギ[2005 05/31 22:31]かぜきりベンジャミン佐々宝砂山内緋呂子とうどうせいら
五月最後の日夕食後
一行連詩
麻野梵四郎、ザラメ、ヤギ、の順で

「花を抱えた猿がパスポートを見せろと言われてベソをかいているよ」


白む光のフラリズム
肌に這わせて口ずさむ
背中に濡れた香水の
フレグランスに身は逸れて
仏蘭西帰りのあの娘に似合う
この薔薇折った音を聞かせて

耳は曇天気はそぞろ
思えば全ては絵空事
上って下りる螺旋の回廊
恋と詠んだが我が失策か
香る疑惑を振り払い
素手に掴んだ温い蜜

生まれ損ねた我が世悲しや
歌ってたもれ夏の光に
石畳踏む祈り花束
 

[52]ヤギ[2005 05/29 22:47]佐々宝砂ベンジャミン田代深子PULL.
五月二十九日夜
一行のような二行のような
ヤギ、かぜきり、田代深子が
説明し難い順番で

「恋稲便り」


さざ波立つ水田でひとり溜息をつきますと
「申す申す」と声をかけられたのです
ふりかえると麦藁帽子をかぶった牛が
やさしい目でなにやらいいたそうにしています
なにかと問えば牛の云う
「わが家の嬢さん旦那あなたに恋い狂い」
まくった腕がじりじりといいまして
「それならば、それならば」と答えたのです
牛の目になにやら剣が宿りまして
「承知だね?承知だね?」と畳みかけ
田に踏み入って荷を降ろし
不可視の扉を開いて一言「いらっしゃい」
 

[51]ヤギ[2005 05/28 20:36]ベンジャミンかぜきり
五月二十八日宵
一行連詩
ヤギ→嘉野千尋の順に

「貫き降る原生カエルの雹」


響き渡る隕石の衝撃にカエル50匹逃避
そして東西南北に散ったカエルたちが再び日本へと帰り着く頃
中心から急速に風化したビルというビルは
近未来の輝きに染まりながら姿を変えていった
惑い狂う会社役員を尻目に益々繁殖する苔は累々とその深緑を増し
平社員たちは酸素不足問題の解決に歓喜の声を上げた!
アストロノウトの大予言に耳を傾け今こそ歴史は歴史の証人となろう
社員達は涙ながらにカエルを抱く会長を見た
社員たる子らよ落雷に刮目し自らの足元を怒号と共に撃て
自己を震撼させる衝撃の果てにこそ我々が目指すべき未来があるのだ!
 

[50]ベンジャミン[2005 05/28 02:35]ヤギかぜきり佐々宝砂PULL.
5月28 AM1:00頃〜2:30
一行連詩
ベンジャミン→麻野梵四郎

「おほほ、蝶が。ええ。舞ってる。」

傾けたグラスを透かして見える
繕いの悲しみ
つなぎあわせた昨日と今日を
細波で笑い飛ばそうと
呑み過ぎてしまった一人きりの夜

中空で笑い踊るのは死にかけた光の蝶
千切れた羽をばたつかせ
痛々しくばらまかれる鱗粉は
日々削られてゆく自分らしさの欠片たち

目がしぱしぱするよと独り
呑みかけのグラスの底に呟けば
笑わしよんなぁと返すダウンタウンのナポレオン
反響するテレビの音まで呑み干したくなる
これではレンタルビデオ屋がボロ儲けだ
あふれかえるコピーに群がるいくつもの孤独は
手近な甘い香りを得ようと躍起になっている

みんな吐いてしまいたい
そうして星を呼吸する
どんなにか美しかった頃の自分を思いながら
一針一針夜を縫う
ぼろぼろの羽でも飛ぼうとする蝶のように
命は我が侭であり
我が侭は淋しさであり

からっぽのグラスには
そんな孤独だけが残ってしまうから
その孤独を消し去る為にいつも床に転がってしまう
   
 

[48]PULL.[2005 05/26 06:06]ヤギベンジャミン田代深子かぜきり
五月二十六日早朝
二行連詩
ヤギ、ベンジャミン、薔薇、夕いづみ、PULL.の順で


「めきめきトキメキ魔法のきゅん!」


心臓の真ん中に小石くらいの魔法をかけた
ひとつだけでいい 願いを叶えたまえ
遠慮してるように見えるけど
一番の願いは世界征服 もしくは可愛い制服
スカート翻し 箒にまたがれば
胸に結わえた手紙が きゅん!
手紙を届けるあたしエトランゼ
異国のような新しいキレイが廻りだす

あなたに映る あたしの制服
それはちょっぴり背伸びした あたしの魔法
 

[47]ヤギ[2005 05/25 19:13]嘉野千尋ベンジャミンPULL.かぜきりとうどうせいら
五月二十五日夕暮れ
夕いづみ、ヤギの順で
一行連詩

「キティーちゃんのTBO」

キティちゃんの金で
画用紙一杯に似顔絵を描いたよ
キティちゃんスカイダイビングしてたよ
眼だけ異様にピカピカさせてさ
ピカピカするならシャチホコ名古屋だよ
ふふふ じゃ それ一緒に描こう
 

[46]ヤギ[2005 05/25 05:54]PULL.ベンジャミンかぜきり
五月二十五日早朝
ヤギ、薔薇、 左 京 、PULL.の順で
一人なんとなく一行

「ジューンブライド」

駆け抜けていく一本道に
ラベンダーの香が流れ
震える白の指と誓いを抱き
君とともに歩く
この道はいつもみたいに晴れている
 

[45]ヤギ[2005 05/23 23:41]ベンジャミン嘉野千尋かぜきり
五月二十三日夜
ヤギ、ザラメ、嘉野千尋の順で
一行×五巡

「桜喫茶」

良く通った道を久しぶりに歩く
陽だまりの手前で足を止めると
すぐそこに懐かしい曲がり角がある
いつも曲がった角 いつも上った坂
坂の上にはいつもの喫茶店があって
あの窓辺の席から見える景色も変らない

桜は満開を過ぎたけど今日も晴れているよ
そんな出だしで手紙を書いてみる
君も覚えてるだろう この景色を
結局それきり進まない

この景色の中にも君はいないから
君に伝えたいほんとうの言葉を持って
いつかまた会える日を待って
散る花がまた次の春に咲き誇るように
もういちど歩き出すよ この懐かしい道を
 

[43]ベンジャミン[2005 05/17 01:49]
2005/5/17 0:45〜1:45
一行連詩 ベンジャミン→丘 光平

「黒境」

矢を放つ前の一瞬の緊張に似た
光、それはぼくの中に一筋の道を照らし出し
同時に影を浮かび上がらせる
その壊れてしまいそうな淡い明滅の奥へ
言わないと誓った言葉を投げかけるとき
もつれた糸のように、ぼくは白く止まってしまう
正しさと過ちの境界線では
今日のぼくが、そして未来のぼくが
まるで射抜かれた的の中心から逃げ出すように
永遠という名のあなたの森へ
言い訳を求めて迷い込もうとする、その
刹那さえ許されない無常の夜、ああ
消え入りそうな光に影は大きすぎて
彼方に聞こえる海、それは月もなく、潮もなく
ただ明けを待つ太陽を隠して
風の皮膚は枯れて、枯れて、枯れて
剥がれ落ちる鱗のような希望を浮かべながら
あなたの子供はぼくの瞳へ帰ってくる

   
 

[42]半知半能[2005 05/17 00:09]ベンジャミンかぜきり
2005/5/16 10:30〜12:00 リアルタイム会議室Aにて 

連詩   紫野、半知半能(順番は秘匿)
「連絡帳」

気づくといつもあなたの名前を探してる
言いたいことは何だったろう

日に焼けた表紙をながめて
記憶の空に目を移す

あの日の何処かの教室はカーテン越し
彩度を失った卒業式の中に私はまだいるのだろう

ダウン だうん down
ゆるやかにかかる重力に沈む色 あなたの声

ダウン だうん down
涼やかに失われた薫る日々 あなたの背中

輪郭をなぞろうとして留めた指
思い出せないことは何だったろう

その指で今は ページをめくる 
儚いまどろみを胸に 零時を巡る

ゆっくりと夜が廻る
昨日の言葉を書き始めよう

忘れた思いを拾って磨く
時間が経っても変わらないものはある

記憶のページをそっと開け続けてくれるのだ
いつの時もあなたの名前は
 

[41]いとう[2005 05/16 04:19]ベンジャミンかぜきり
突発連詩 三連二順計八連+苺(一語)摘み

丘 光平 → s → 薔薇 → いとう


雪散華ゆきざんげ


そのとき、私のなかで雪が降っていた
骨を噛む痛みにも似た
雪、雪、雪が降っていた

何もない坂道 灰色の建物
もの言わぬ街路樹たちにも そっと
目を閉じて 雪を降らせる

白い坂を上っていくと
白い石造りの家があり
冬の間笑わぬ女が 窓辺でレースを編んでいる

夏の日は来ない、朝日はない、空もない、冬
振り返ると雪の降る海
女は凍えながら さよならも知らずに

ああ、私は知っていたのだ
海は海へ帰ってしまうように
選び取るものは顧みないということを

沈みこむように音のない特別な日
幾通もの手紙を投げた
海へ 海の向こうへ 声もなき空の為に

散りゆく歳月を集め
滲もうとするたび 空は
無窮の果てに その色と香を喪失した

雪、雪、雪 滲む雪
空も海も雪に埋もれ
女は、笑わない 声は、届かない
 

[39]ベンジャミン[2005 05/09 03:35]
会議室Aにて、あおの過程さんが投稿されたのとかぶりますが、連想した言葉や文章をつないだ詩を投稿します。
ベンジャミン→S→あおの過程

↓これは、僕がつないだ詩です。


小石をけとばしながら
ちっぽけな勇気からはみだす葛藤をぶらさげて
いたずらに飛び込んだ群集の中
はだしのままでぶつかる角度を見失う
水晶が屈折させる光のように真実はゆがめられる
苦痛をなぞる頬の輪郭はどこまでも透けて
若い仮面は瑞々しいまま、小さな傷を増やしていく
枝から落ちたりんごの悲鳴は耳に聞こえなくても
地中に響かないよう両手で受けとめた
( )
そのままでは意味を伝えられないかたちを見て
怖がらないようにそっと書き足した言葉は
埋めきれない手紙の白い余地からこぼれて
伝わらない気持ちを押し流しても
呼び覚まされてしまった過去を悲しく見つめてしまう
破れる海から溢れる涙をかき集めれば
底まで続く文字のうなりは季節を越えて今に辿りつく
廻りめくられる日々の中でほのかに灯る回想のランプ
回転木馬で夢を見るような憂鬱な現実を覗き込めば
つなぎとめられずにこぼれてゆく夢の脆さを感じずにはいられない


※以下、最初から最後までの連想です。

小石
ちっぽけな勇気
はみだす葛藤
いたずらに飛び込んだ群集の中
はだしのままでぶつかる角度
水晶が屈折させる光
真実はゆがめられる
苦痛をなぞる頬の輪郭
若い仮面は瑞々しいまま、小さな傷を増やしていく
枝から落ちたりんご
地中に響かないよう両手で受けとめた
()
そのままでは意味を伝えられないかたち
怖がらないようにそっと書き足した
埋めきれない手紙の白い余地
伝わらない気持ち
呼び覚まされてしまった過去
破れる海
溢れる涙
底まで続く文字のうなり
季節
廻りめくられる日々
ほのかに灯る回想のランプ
回転木馬で夢を見る
憂鬱な現実
つなぎとめられずにこぼれてゆく夢の脆さ
 

[37]ベンジャミン[2005 05/09 01:41]
会議室Aにて連詩 0:30〜1:30(AM)
一行連詩 10巡 計20行
 
ベンジャミン→いとう

  「ささやかな夕暮れ」

午後六時の風に吹かれれば
部屋中の墓石を掘り返す
劣化した記憶の死骸にまみれて
たとえば、昨日の夜の、あの鬼たちの
薄ら笑いが聞こえてくる

ウェンズデイウェンディー、なくした水曜のかけら
戻れなくなる前に帰っておいで
制服に染み込んだ精液 たそがれの校庭
伸びて縮んでみんないなくなっちゃうよ
るくく るくる くらぐろ らるく

生贄にされたのはもう一人の自分だった
たおやかな墓標 ゆるやかな目覚め
もう一度さなぎになろうとする儚い夢
墓石を掘り起こしうずくまるように、殻
憂鬱を浮かべまま忘れられてゆく死骸たち
むしろ死骸 たしか死骸 いつか死骸 夢の死骸

陽が傾くほどに侵食されるものはみな
夕暮れの中、ささやかに発光する
失われたものの名前をそっと浮かび上がらせて
そしてまた 消えていく 夕闇の翳る 夜に向かって
 

[35]ヤギ[2005 05/08 22:25]ベンジャミンとうどうせいら
五月八日母の日の夜に
一行ずつ四巡
丘、ベンジャミン、ヤギの順

「水中花」

アネモネのやさしく散りゆくような後姿をいま思い出す
歳をとるほどに小さくなってゆくその背中を
見つめるほどに水のような後味

ああわたしがまだあなたの手に繋がれていた頃
その少し汗ばんだ手のひらにに浮かんでいたのは
世界の全てか 太陽の影

この暗く遠い海の底で失われた時を捜し求めて
苦労という文字を深く刻み込んだあなたを見つめるとき
呼吸も光合成も行えず

ただ生きることのどうしようもなさで疲れたわたしの向こうに
あのアネモネがまだ咲いていることを願って
もう一度あなたと手をつなぐ
 

[32]ベンジャミン[2005 05/08 00:03]
会議室Aにて連詩。22:30〜0:00
一行連詩、5巡20行
ベンジャミン→嘉野千尋→夕顔→ザラメ

 「風車を回して」

描かれた円の中心にはいつも
動けぬままとどまり続けるものがあり
渦をまくものをとり込みながら
ぬるい空気を押し返す

そんな日常に目が回りそうでも
世界は僕を置き去りにして回り続けている
新しく古い世界のメリーゴーラウンドに乗って
そろそろ出かける準備をしよう

きっかけはそんな小さな風に吹かれたとき
気付けば風はいつでも吹いていた

吹いていた風の音に上るはもみじの坂
踏み出して風を探す旅に出る

自分中心の小さな円から飛び出して
僕もまた誰かに風をおくってみようか
まわる気もちに拍車をかけて
いつしか僕も風車と一緒に風作り

あの坂道で転がっていた頃を吹き飛ばし
僕は風のスピードで走り出す

僕が過ぎてゆく風の色越えて
僕らを乗せて地球がまわる

     
 

[30]こもん[2005 05/04 23:24]かぜきり嶋中すずとうどうせいら
短歌。2005.05.04(水)、リアルタイム会議室Aにて、21:30〜23:00ぐらいにかけて。
5/7/5/7/7 で交代。
参加者(50音順):umineko ETOILE こもん 最果タヒ 嶋中すず なずな 本木はじめ

(最果タヒ→なずな→ETOILE→umineko→本木はじめ)

骨盤のレントゲンには素粒子の ふりそそぐ色 褪せてゆく日々

(なずな→umineko→本木はじめ→こもん→最果タヒ)

梨の雨そらの両手に抱かれつつ生暖かな天使に変わる

(こもん→嶋中すず→ETOILE→最果タヒ→なずな)

帰らない麻酔の針に走馬灯 夕日を齧る余命の水滴
 

[29]ベンジャミン[2005 05/04 02:36]
連詩 5月4日 AM2:00
ひるね温泉→ベンジャミン→丘 光平→薔薇


「放物線」


放物線、それは準線lと定点aからの
それぞれの距離が等しい点の軌跡である。
そういえば、君のネックレスをたらすと放物線です。

そしてある日、君があふれさせた涙を
振り切るように空を見上げたときに放たれたその
透明な一粒が宙に描いたのも間違いなく放物線でした。

僕のXは君を力強く支えるように
君のYは僕を優しく見つめるように
ふたつの呼吸は互いの位置を描いて来たのです。

放物線、それは、
父の隣に立つ少年が大人になっていくとおさの過程であり、
あなたへと墜ちていく希望の、飛べない鳥である

  
 

[27]半知半能[2005 04/30 23:59]
’05/4/30 23:00〜24:00
いちごつみ
汐見ハル→umineko→ETOILE→半知半能→こもん

●曇天の午後四時に行き当たるたび言葉の画鋲屑絡む髪

●忘れ得ぬあなたの投げた言の葉は画鋲の強さ小ささ痛さ

◇どこまでも続くハープの弦に似た電線に似た痛み走る、から

◇受話器から見えるあなたの空笑い、電線なんて切れればいいのに

●受話器越しきみに溺れてしまってる。これで何回窒息死した?
 

[25]ベンジャミン[2005 04/26 02:21]大村 浩一田代深子とうどうせいら
連詩 いとう&ベンジャミン  AM1:30頃
一人5行を交代で4連  所要時間約30分


  夜中に台所で僕たちはポール牧に話しかけたかった


はりっくはりっく。ぱりっくぱりっく。
悔しいので指を鳴らしてみるけれど
それはさよならにすらなれないまま
僕たちはあまりにも多くのことを知らないまま
あなたに再び出会えるまで生き続けている

キャベツの千切りが得意だった
あなたは満面の笑顔を浮かべていたじゃないか
だからって僕たちは幸せばかりでなかったことを
欠けたお皿が語っているけれど
嘘ではないことを並べても立派な夕食になっていた

4人の奥さんはまだ生きているんだろ
死に至る病はあなただけのものではないはず
キャベツ切ったくらいで生きてると思うなよ
飛び降りたくらいで死ねると思ってたのか
指を鳴らしながら落ちていったわけでもあるまいに

そうさ僕たちの幸せなんてそんな虚構ばかりだった
お互いの優しさですら本当の意味も知らぬまま
それでも渇いた指の音が台所でこだますると
魔法がとけたみたいに涙が出てくるのは
あなたの知らない本当のこと
 

[24]いとう[2005 04/24 03:12]佐々宝砂嶋中すず本木はじめ
100行耐久連詩。いとう&ベンジャミン
1行ずつ1人50行。0:30〜 所要時間:約2時間30分



消失地点


残されたものはあまりに少ない
大げさに笑ってみせる背中に
いくつかの紋様が現れるだけだ
ふと振り返れば
わずかばかりの足音と
薄くのばされた影が横たわり

消えていくものだけが幸福の意味を知る
人を吐きつくした駅のホームには
黄昏が渦を巻いて
戻る場所を探すカラスの群れが
戻る場所を知らないまま、消えていくのだ
そして
私の背中にはいつものように

過ぎた時間が背負われている
思い出はいつも呪われている
そのことに気づいたのは
夕闇のカラスの
群れから離れた一羽の瞳に孤独を見た、その
そして孤独に秘められた一握りの意志を見た、その
どこまでも深い水底に佇むような
のけぞるように暗い、刹那
まるで千切れた翼の断末魔のごとき
(いや、翼は嘆かない)
そう、かつて忘れてしまった記憶の中に
その中にこそ祝福があり
そしてあたかも恵まれたように見える祝福こそが
呪いの温床なのであると

満たされぬ渇きが知らせている
艶めく果実は喉を潤さず
さらなる欲望を掻き立てるとしても
そこに生まれるのはただ
自らが創り出した幻と
自らが失った足跡と
今に踏み込めぬほどの希望だけで
消えていったあなたには届かない
届かないことは喪失ではない
それはただ、喪失という名の存在で
悲しむための道具としてのみ

そう。思い出はすべて道具と成り果て
空が何処までも続いていると信じていた頃
振り返るといつもそこにあなたがいた
その過去という現実でさえ
消えていく場所こそが
既に見えなくなっていることを知っている
夜はすでにすべての消えゆくものを覆い
一抹の不安とともに在り続けるのは
ただ
街の明かりに照らされた自らの手のひらと
透過された手のひらの影と
そこに浮かび上がるあなたとの日々

あれは幻ではなかった
けれど遠ざけるような視線で見上げる
一羽のカラスでさえ憐れみを知るのに
忘れるということが罪であるなら
私の背中には罪という名の紋様が
胸に透けるほど深く刻まれているに違いない

消えた足音を追って悲しみを繰り返す
泣き声に掻き消された言い訳たちは
赤子のようにさらなる泣き声を産み出していく
もう言葉ではなくなっている
嗚咽にも似たその声を
伝えるべきあなたがいないことに
立ち尽くすにはまだ悲しみが足りない
それが悲しくて泣けることに甘え
悲しみさえ消えていく深夜
響くけものの遠吠え
肌を切り裂く細い細い細い風に悦ぶ
痛みとは次の悲しみに耐えるためにあり
甘美は次の痛みを受け入れるためにある
いつしか自らの泣き声にさえ笑っていることにも
気づいているのはただカラスのみ
はじめから戻る場所などなかった
はじめから戻る場所などなかったのだ
言い聞かせるように呟いても
生きているだけで思い出は増えていく
失うための
人生など
虚しく積み上げているのはただ
夜明けを信じる者たちだけだ
無残に蹴散らされたとき
残るものはあまりに少ない
笑い飛ばすほどの価値もない
見えない背中だけがほくそ笑む
疲れ果てた人の群れの中に戻り
ホームの端でカラスの夢を見る

はぐれた一羽の軌跡は明け方の空で途切れていた
飛ぶ鳥の足音は誰にも気づかれないまま
それでもあなたの思い出のいくつかは残されているはずなのに
足りないはずの悲しみに掻き消され何もかもが消えていくのだ
その時
私に刻み込まれた痛みだけが
まるで生き物のように身体を這いまわっても
消えていったあなたが戻ることはないのだ
残された罪を背負ったまま生きる
カラスにさえ蔑まれ生きる
それでも幾ばくの悦びがあったことを
背中に刻み込み、そして満たされない悲しみを背負い
いつか癒されるであろうことを信じていたはずの夜明けであったのに
消えていく消えていく消えていく私さえも
それは喪失という言い訳に似た、消失なのだ
 

[23]半知半能[2005 04/22 23:22]ふるるベンジャミン
4/22 PM11時前後
ミヤモリフレーク・半知半能 連詩 (各連で交代)

「覚醒スカイブルー」

つん と乱気流を吸い込む
次に会えたら三回目
まだ痛いけど今も待っている

青色を吸い込む
乱気流に巻き込まれた青色は
僕の身体にそして染みこむ

滲んで滲んで滲んで じわり と
足跡から
唐突に振動 青 青 黄

緑 赤 緑 青 … 青 …
色々な空の色に僕が染まるときまで
色々な空の色を僕が知るときがくるまで

反対を向いて半呼吸を
いつだって余裕なんてない
覚醒しないスカイブルー

落ち着きと同時に
額に汗かきだらだらと、垂れる雫は目に入り
涙となり流れて行く、涙は口へ入り唾液へ
循環されていくことを身に感じつつ

いつまで青は青なのかと懐疑する
つん と乱気流
つん と巡る一瞬間
僕だけのキャンパスを大切に壊す
 

[22]いとう[2005 04/22 03:48]ベンジャミン本木はじめ待針夢子ふるるふく
4/22(金)03:00〜

連詩。一人三行、2順計6連。
ベンジャミン → 丘 光平 → いとう


回帰線



あなたの海に手をひたすとき
沁み込んでくる記憶に
細胞はふるえる


この波打ち際の
あらゆる線に
悲しみは打ち寄せてくる


最果ての灯火
揺れる稜線
痕跡に溺れる水平線の


かつて忘れ去られたものたちが
その存在の証を求めて
過去をめくろうとするなら


どこからともなく
笛の音が
わたしの二月を呼び返す


あなたの海へ還ろう
打ち上げられた二月を拾えば
そこに空はない 水底に空はない
 

[20][2005 02/12 10:59]ワタナベふくベンジャミンチアーヌ
2/10(木) 会議室Bにて13時から15時の間に出た連想言葉よりテーマ『アリス』にてそれぞれ編集。3人それぞれの色をお楽しみください★
<ワタナベ&ふく&終>
終ver『アリス』


2月10日 木曜日 曇り ディスプレイに文字の羅列


液晶の木曜日は冷たく
飲み残した昨日がまだそこにいる
吐く息に冬


ジンを飲む君が好きだよ 醒めた後の君も


伽藍とした細路地 空が歩く
サイコロジカル 揺れる 海のループ

スープにスパイス、昨日のスパイス、飲めばなんだか不思議な気持ち
不思議 不思議 昨日の味は 不思議 不思議 明日の味は 不思議 不思議 スープは冷める 不思議 不思議 さめないで
昨日の味はあなたの味 今日の味は私の夢
暖かいスープの中を逃げ惑うアリスを想像する僕の喉を通るコカコーラがチープにはじけて夢のよう
テーブルの上に並べられた一番軽いラーク、すき間をぬって走り回るアリスをつかまえ 火をつけてふかす午前2時
トランプ柄の宝箱の隅 チョコレートにまみれたアリス こっそりと走り出す
アリスが滑り落ちるスイス製のトランプ 伸ばす手には金時計とミルク

アリスを捕まえて! ここから出して!

じょぉ〜さまぁ〜のぉ おなぁ〜りぃ〜 静粛に!
静粛に!

突然兵隊たちの足元がゆるゆる アリスが湯煎を始めてる!

女王様が言ったから私は塗るの バラをチョコで
バレンタインのアリス ハートのトランプを刻んで溶かして

ざわめくトランプは正確に整列 行き先を見守る数字達
チョコレート・スウィート・チョコレート  トランプの兵隊達がゴディバに対抗(笑
不思議なチョコレートの国のアリス。お前を湯せんで溶かして一粒のウィスキーボンボンにしてやる。
アリスをウィスキーボンボンにした者に賞金を出すわ!
3匹の黒いちび猫は ダンスを踊る アリスを囲んで 飛び跳ねる
チビ猫の調べに身を寄せて 酔いとろけるアリス もう貴女を放さない
湯煎鍋の中の不思議の国、時間をかけて、溶ける、チョコレート・スウィート・チョコレート


私は溶けないわよ! アリスじゃない! チアーヌの叫びが木霊する



溢れ出すチョコレート・チョコレート・チョコレート 不思議の国はとろけだす チアーヌを入れた檻も全てとろけだす



お願い出して! 私はアリスなんかじゃない!



チアーヌの叫びだけが木霊する すべてはスープの中に
 

[19]ふく[2005 02/12 10:57]終ワタナベベンジャミンチアーヌ
2/10(木) 会議室Bにて13時から15時の間に出た連想言葉よりテーマ『アリス』にてそれぞれ編集。<ワタナベ&ふく&終>
(ごゆっくりお楽しみください)
○ ふくver

『アリス』



アリスが滑り落ちるスイス製のトランプ 伸ばす手には金時計とミルク


不思議 不思議 不思議 不思議 不思議 不思議 不思議 不思議 不思議 不思議 ・・・不思議


アリスを捕まえて! ここから出して! チアーヌの叫びだけが木霊する すべてはスープの中に


暖かいスープの中を逃げ惑うアリスを想像する僕の喉を通るコカコーラがチープにはじけて夢のよう
スープにスパイス、昨日のスパイス、飲めばなんだか不思議な気持ち


トランプ柄の宝箱の隅 チョコレートにまみれたアリス こっそりと走り出す
テーブルの上に並べられた一番軽いラーク、すき間をぬって走り回るアリスをつかまえ  火をつけてふかす午前2時


湯煎鍋の中の不思議の国、時間をかけて、溶ける、チョコレート・スウィート・チョコレ ート


バレンタインのアリス ハートのトランプを刻んで溶かして
突然兵隊たちの足元がゆるゆる アリスが湯煎を始めてる!
女王様が言ったから私は塗るの バラをチョコで


じょぉ〜さまぁ〜のぉ おなぁ〜りぃ〜 静粛に!
静粛に!
ざわめくトランプは正確に整列 行き先を見守る数字達


不思議なチョコレートの国のアリス。お前を湯せんで溶かして一粒のウィスキーボンボンにしてやる。
アリスをウィスキーボンボンにした者に賞金を出すわ!


1・2・3 1・2・3 3匹の黒いチビ猫は チョコレートの水溜りを跳ねる 1・2 ・3 1・2・3


3匹の黒いちび猫は ダンスを踊る アリスを囲んで 飛び跳ねる
チビ猫の調べに身を寄せて 酔いとろけるアリス もう貴女を放さない


溢れ出すチョコレート・チョコレート・チョコレート 不思議の国はとろけだす チアーヌを入れた檻も全てとろけだす
私は溶けないわよ! アリスじゃない! チアーヌの叫びが木霊する


お願い出して!私はアリスなんかじゃない!


湯煎鍋の中の不思議の国、時間をかけて、溶ける、チョコレート・スウィート・チョコレ ート
 

[18]ワタナベ[2005 02/12 10:53]終ふくベンジャミンチアーヌ
2/10(木) 会議室Bにて13時から15時の間に出た連想言葉よりテーマ『アリス』にてそれぞれ編集。ぜひご覧くださいまし。
<ワタナベ&ふく&終>
ワタナベver

飲み残した昨日がまだそこにいる
スープにスパイス、昨日のスパイス、飲めばなんだか不思議な気持ち
レッドジンガー かっくらって セミナー きかくだって そんなぁ
できるわけなかぁって
さめない夢 あたたかいままのスープ 夢からさめても変わらずに
不思議 不思議 昨日の味は 不思議 不思議 明日の味は 不思議
不思議 スープは冷める 不思議 不思議 さめないで
君はまるでアリスだねって笑うチシャ猫しゃぼんのように部屋の暗がりにはじけて消えた
アリスを捕まえて! ここから出して! チアーヌの叫びだけが木霊する すべてはスープの中に
暖かいスープの中を逃げ惑うアリスを想像する僕の喉を通るコカコーラがチープにはじけて夢のよう
3匹の黒いちび猫はチアーヌの喉元を通り過ぎ 鎖骨をぴょんと飛び越えて カーテンの隙間をすり抜けていった
アリスが滑り落ちるスイス製のトランプ 伸ばす手には金時計とミルク
テーブルの上に並べられた一番軽いラーク、すき間をぬって走り回るアリスをつかまえ 火をつけてふかす午前2時
お願い出して!私はアリスなんかじゃない!
トランプ柄の宝箱の隅 チョコレートにまみれたアリス こっそりと走り出す
バレンタインのアリス ハートのトランプを刻んで溶かして
チョコレート・スウィート・チョコレート  トランプの兵隊達がゴディバに対抗(笑
女王様が言ったから私は塗るの バラをチョコで
じょぉ〜さまぁ〜のぉ おなぁ〜りぃ〜 静粛に!
静粛に!
ざわめくトランプは正確に整列 行き先を見守る数字達
不思議なチョコレートの国のアリス。お前を湯せんで溶かして一粒のウィスキーボンボンにしてやる。
私は溶けないわよ! アリスじゃない! チアーヌの叫びが木霊する
アリスをウィスキーボンボンにした者に賞金を出すわ!
湯煎鍋の中の不思議の国、時間をかけて、溶ける、チョコレート・スウィート・チョコレート
溢れ出すチョコレート・チョコレート・チョコレート 不思議の国はとろけだす
チアーヌを入れた檻も全てとろけだす
チビ猫の調べに身を寄せて 酔いとろけるアリス もう貴女を放さない
 

[13]ベンジャミン[2005 01/13 23:06]ふるる
2005.1.13 22:32〜22:47
清野無果・ベンジャミン

※誰がどこを書いたかは内緒

即興詩「進化論」


この海には記憶がない

それは常に生まれ続けているからだ

更新される

シーラカンス

そして陸に上る日

焼かれた大地に

進化の爪あと

退廃する思想

引きずられた尻尾の痕跡を追って

水が無ければ腐ってしまう

澱んだ大地の底に

あるいている、有尾人

加速した進化は

掴めばちぎれる

退化と見分けがつかない

暫定的な優越感

進化論、という精神安定剤
 

[12]ベンジャミン[2005 01/08 03:27]ふるる
2005.1.8 AM2:00〜3:00
ちる→ベンジャミン
(いちごつみしながら それをつなげてみました)


ぱすしますってありえないよね 
初めてでどうしていいのかわかりかねます

初恋におびえてしまうのわかるけど
はじまったならぱすはできない

初恋もひとつふたつとくちづけて
重ねるたびになれていくもの

いつまでもはじめてみたいな感触を
忘れたくない君のくちづけ

忘れたい思い出だけで描かれる
胸の奥から君の声する

あの頃を思い出すたびこぼれだす
涙じゃないよあふれる気持ち

あふれたらすくえばいいの
問題はその術知らず棒立ちの日々

ありふれた言葉をなぞる繰り返し
知らずに君を傷つけてたね

ありふれた言葉だけれどたからもの
とまどいながら見つめあう日々

たからもの壊さぬように
痛みさえ重ねて消せる君と僕なら


※初心者同士のコンビですが、わかる範囲で楽しませていただきました。
 

[11]佐々宝砂[2005 01/08 01:41]ベンジャミンヤギ
2005.1.8 0:00〜1:00
小池房枝、酒黒亭水雀、ベンジャミン、山田せばすちゃん(五十音順)
とりまとめは佐々宝砂。
誰がなに書いたかはないしょ。

いちごつみ。前の人の歌から一語拾って短歌を作る。


夕焼けに似合う髪形たくらめばバーバーの人取り付く島なし

植木なのに 髪型がある ベンジャミン ほどいてあげよか 何年かかけて

植木のね いいところはこれ スーダラダ 明るい日本は そこにあれかし

いいところ みつけてくれた きみのため 僕のすべてを ささげたいのだ

深海の貝の中から呼びかけるハヤクミツケテアタシハココヨ

貝の火は鳥達の宝 小雀のサケクロちゃんが水に映してる

映しても ゆらりぼやける水の世よ 流れ果て行く 春も 修羅でも

水の世に 流してしまえ うたかたの 想いは捨てる ものと知るなら

方舟よ、動物たちよ、さようなら 世界を一度流してしまえ

方舟は一人乗りばかり?山田にて海を見ている久延毘古くえびこの神

海からは 御破算の波打ち寄する 一本足の ヨロケの闇世

仕事辞め 離婚もしちゃった 御破算の 人生に今 価値をさがして

靴下を片一方ずつ脱ぐ癖を今度やったら離婚ですから!

残念です あと一巡で 落ちまする 離婚て言われそう 切腹はいや

逃げるなら 首をさしだせ 切腹は あまいぜこれは 打ち首ものだ

ほんまかい、首なし美女の惨殺て、首も無いのに何で美人か

首無しの人魚の鱗 おいくらで 売れまんねやろ 気になって寝れん

人魚です見事食われて見せるからアンタはみっともなく生きなさい
 

[10]れつら[2005 01/07 09:00]ベンジャミン本木はじめ山内緋呂子ピッピ
2005.1.7 深夜
5/7/5/7/7 で交代
句が終わるまで周回する

(ピッピ→本木はじめ)

神奈川の長縄跳びを長々と眺めていました乾いた夜長

(本木はじめ→ピッピ)

配電盤こぼれたコードの出会いです伸ばした腕が前世に触れる

(ピッピ→れつら→本木はじめ)

携帯で忘れたかった盲目の思い出ひとつマナーモードで

(本木はじめ→れつら→ベンジャミン→瓜田タカヤ)

コーヒーはマクドナルドのポテトより笑顔ピエロの素顔知ってる

(れつら→ベンジャミン→瓜田タカヤ→本木はじめ)

悲劇的ロミオの呪いマッチ箱二本残った戯曲を燃やして


(ベンジャミン→瓜田タカヤ→本木はじめ→れつら)

みだれ髪笑顔ピエロの女版楽屋でうたうおしろいの過去
 

[9]田代深子[2005 01/05 02:14]佐々宝砂藤崎 褥いとう終ベンジャミン山内緋呂子
いとう > 終 > 水雀 > 田代 > ベンジャミン
 2005.1.5 AM00:10-2:10
 1人3行×2周


 背中の雫


なまぬるい、その痕跡に
氷を重ねて
薄まった、雫が、声を漏らす

撫でる吐息
くぐもりゆく鏡越し
辿る指先の背

血はいらない
氷を溶きたいだけなんだ
お前はただの釜が崎の炊き出し

慰めにもならない安酒の熱
血はいらないお前の猫背に
息をかけ歯を立てるのはこらえ

白く曇った窓の外を眺めながら
網走の冬は寒いと呟くお前の
さらに終点を求めようとした

愛という名がこれほどに寒々しいものならば
お前も俺も
果てたりはしないのだろうに

背をつたう 赤い筋
アルコール 躍らせる
漏れる 嗚咽

喉にツっかえたのは産まれかけの言葉
硬い殻に包まれた彼女は果たしてどうされたいのか
とまれ 時は流れている

割ってしまうか
熱をつきたてひきずりだせるものなら
溶けもしない凍る喉も瞼も背も

さぁ 泣くがいいさ
陳腐な愛のつららを突き刺して
背中から流れる涙を吸い取ってやろう

 
 

[8]ワタナベ[2004 12/27 21:50]
をとか わたなべ

小春日和
水道の蛇口をひねる動作を思い出している
屋内
たたみが乾いている
桜色の絵の具が薄まり
幻想のような
小春日和
桜色というのは元来
灰みがかっているもの と
幻はいつも知っている質感の容器に入れ
プラスチックス
風の当たらない部屋を探している

扉をノックする 音

静謐な部屋に
風は死んでいる
しん と 息をする 降る 降る
見える屋外には 白く乾いた水庭
さかなたちのいた風情 に 小さく 春
降るものはうすべに

水庭に裸足で ひび割れた土
それから 小さく 春

水の音を思い出す
順に 滴りから順に 落ちて 順に
てのひらからかかとまで しみて にじむ
さくらのいろが 地面に落ちて
にじむ
足元に落ちた日差し 小春日和
 

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