RT会議室突発連詩ログ保管庫[67]
2005 07/10 17:55
ヤギ
本日昼下がり
一分連詩
一行ずつ
第一連
ザラメ→ヤギ→窪ワタル
第二連
ヤギ→窪ワタル→ザラメ
「心拍数 春」
誰もいない教室で水槽の金魚がはねて
またこの部屋に生まれたことを知るのは
時が歪んだままチャイムを待っている
椅子の影がのびて黒板に届き
朝焼けに染まるプールの匂いが漂う中の
それは卒業式だった
子供たちの囁きだけが残っているような
老いぼれた上履きが優しく濡れた
水面のようなさよなら
涼やか、そうともいえる風にはもう思い入れはなく
点は線にならないまま浮遊し続け
窓辺のプリントからこぼれだした点数が
空に校庭に軽く白く
続いて行きやがて記号になるまで
走り続けるスタートラインを引く
守られない約束に傷つくのは昨日までにしよう
ピストルが鳴る 幾千万もの点の渦が
少しだけ浮かせた踵を蹴って、始まり