ひとつかみ自由に
まわり道またいで
冬の髪ひとふさ
歌うように近づき
消え 現われ 消えつづける


夜のつなぎめ
凍える火から放たれて
ふるえる白
混ざらぬ白
冬山の ....
あたたかい あさ

濡れた地図の上に書き込んだ名前は
滲むように、消えた
始まれない私は
いまだにまるい船の上です


 警笛は
 遠い雲のこと
 進まずに消えるのは
 あの空へ ....
   
狂うがままに放たれた色

花びらは
その身をくるむことなく背景を抱く
自ら屈してしまいそうな首をしならせて
けれど
滑らかな曲線はこちらに向かって投げ出され
それを支えようと身 ....
  手のひらの中に
  そっと星を隠していたら
  夜になって光りだし
  銀河系宇宙であることが
  ばれてしまった

  それは蝶のように
  よぞらをかざって ....
バカ男のことを思い出すと涙が出るよ
バカ男に会いたいよ
ぷるぷるぷるぷる、ちがう、ちがう
バカ男はバカ男のことだよ
今日のバカ男、何かおかしいよ
きっとバカ男がいないからだよ
バカ ....
報告、報告、報告、報告
報告!
大ほーこーく!
今日、バカ男、空を飛んだよ!
背中から赤いつばさが生えてさ
こうっ、すいーっ、すいーって
つばさは白いほうがイカスよなーとか
うー ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
張りつめた風の端
やわらかい記憶の糸をほどけば
泣いてしまうかもしれない
あなたは

ほころぶ桜の薄い花びら
その散り際の光景を思い浮かべるとき
過ぎた時を惜しむ眼差しで
未来を見つめ ....
きみがすきなもの、と
てをふれるから
かなしみも
さびしさも
たびにでる

ゆらめいているのは
ときおり みえなくなる きもち
だいじなものを だいじとつたえられるように
あたた ....
よる は ふしぎ
いえないことが
するん、と
すべり おちる

よる の ふしぎは
あまり しられてないし
おしえて あげられない
ひみつを しりすぎると
あさに かえれなく ....
といかけのない
こたえをさがして
きょうも
なみうちぎわを
あるいています

あしもとを
ころがってゆく
ことばたちが
ちいさなきずを
つけてゆくのです
ちょっとした
じこ ....
丘に寝そべっていた少年が
組んだ足の先で 空を横切る電線を踏む

はりつめていた空は ぴりりと裂けて
へき開し
裂け目の奥からふうわりと
薄紅や
橙や
菫色の花びらが
うっとりと目 ....
右手にもったきゅうすを傾けたら
青い湯飲みの底に花が咲いていた

一瞬にして
そそがれた緑のまどろみの下に
花は消えた

この湯飲みで
数百杯の茶を飲んでいるというのに
知らなかった ....
とおい ひとりごと

いつも とおすぎる ひとりごと

まよなかの いすにすわって

どこかへ ひとりごと

すこしうえのくうかんをみながら

ひとりごと

しずかに はばたい ....
もう さびしくないように って キスをするから
唇に 紅を ひく
鮮やかさが こぼれて そんな気に ならないように

からだは かるくなるけど
きもちは おもくなる
どうか はくいき  ....
あなたを想って
一つ一つ記憶を浮かべていたら
どこからか笑い声が

鎖骨のくぼみに頬を近づけて
澄んだ胸を押さえると
その声が
自分の中の空洞で響いていることに
気づきました

そ ....
 
 冬には空が降下する
 みんな誰も見てないし
 奪えるものがあるなら
 私から奪って構わない


(雪霧の向こうに浮かぶ
 あれは管制塔の光源だ
 低い轟音を響かせて
 離陸す ....
なみなみと ゆらゆら
ふあんていな みなもの ひかり
を かざす さらなる ひかり
からだの ひょうめんを なでてゆく わ

どこか ちきゅうの はしっこで
うちゅうを みながら
ういた ....
2月になりはしても 北方の冬は
大雪の屋根に腰掛けたまま
目を細めて今日も 微笑んでいる
南風の萌黄色のシフォンスカートを
夜明けごといたずらに ほつれさせながら

生まれた街では凍える ....
一月の風が過ぎ去った頃
空を迷って辿り着いた木の実が
夜を探していました

まだ
日暮れ前の鳥たちが並んで飛んでいる
公園の歩道には誰かが落としたハンカチが
あと少しで浮こうとしています ....
思い出を消費する
何も残らないように

君が泣く

僕らの時間が
夕暮れる

跡形もないくらい
求めて

海のような
リズムで
  
  
動かない音が迫るときはいつも
道の肋骨を歩いているときだ
誰にも気づかれぬまま
逝った道の



無色の夜の分身が
道の骸に降り立ちて
小さな手足をのばしては
照り返 ....
空に向かって
「さよなら!」って言っても
空はなくならなかった

僕もそのまま

ただ思い出だけが
涙を揺らします


「さよなら」は

いつも寂しい風でした
きれいな空があることを
忘れたくなかった

雨が降るのを
空が落ちてくると言った 僕は
落ちてくる空を見たことはない

びしょ濡れになってもいい
見上げた空がきれいであるこ ....
並木道の
みえない、ずっと向こう
から
容赦なくやってきた足音

かんたんには受け入れられない、
決して受け入れちゃいけない、
と わたしは
いつまでも
スカートのすそに
砂のま ....
そうして
僕らのこれまでの順路を
紙の上に書き出してみる
その上に雲なんか浮かべたりして
無駄に力を入れて笑ってみたり




過ぎ去ったあとで
自然に昔話ができれば
それはそれ ....
猫の眼のような月が
僕を見ているようでしたが

見ていたのは実は僕でした

そこには宇宙が広がっていましたが
実は僕こそが宇宙でした

常に生まれ
常に死にます

それは調和のた ....
夜の浜辺で一人
寂しい叫びを{ルビ宇宙=そら}に放り投げる

震える声は
一枚の手紙となって、舞い上がり
静かな波の唸りの上を、舞い上がり
海の{ルビ面=も}の、
月の光の道の上を、舞い ....
ひょうめんには
あらわれない
ぽっかりした
たましいの かたち

なみだが
でるわけでもなく

ただ かぜが ふき

ただ おとに ならない
ところであなたは
どちらにお住まいですか

たずねると
その人は、
ビー玉沿線ですよ。
とだけ言って
ころころ笑った
笑いながら
ころころすれ違って
ふり返ったときには
もう
 ....
松本 涼さんのおすすめリスト(1137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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浮上するサイレン- 霜天自由詩705-3-10
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ぼくの手はふつうなのだが- 天野茂典自由詩1805-3-9
おかしい- バカ男自由詩3*05-3-9
報告- バカ男自由詩10*05-3-8
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
それが旅立ちなら- ベンジャ ...自由詩705-3-7
ボーダーライン- 玉兎自由詩205-2-28
よる_の_ふしぎ- 玉兎自由詩1005-2-20
よる_の_こえ- 玉兎自由詩705-2-18
- ふるる自由詩9*05-2-15
顔のうらがわ- 服部 剛自由詩10*05-2-13
ひとりごと- こむ自由詩4*05-2-13
交錯- 玉兎自由詩305-2-11
鎖骨の奥のあなた- ベンジャ ...自由詩6*05-2-9
揮発_(2005.1.16)- 和泉 輪自由詩1705-2-6
さいぼう_の_かたまりは- 玉兎自由詩305-2-5
青灰の夕暮れ- たちばな ...自由詩9*05-2-4
「錆びたトタン」より- ベンジャ ...自由詩12*05-2-1
消費- umineko自由詩405-2-1
ノート(吹光)- 木立 悟自由詩205-1-31
「さよなら」と言ったとき- ベンジャ ...自由詩5*05-1-31
空と大地の間で交信する- ベンジャ ...未詩・独白7*05-1-30
誰そ彼(たそがれ)- 望月 ゆ ...自由詩5*05-1-30
通り雨が過ぎても- 霜天自由詩1505-1-30
宇宙- ベンジャ ...自由詩6*05-1-26
満月に吠える、野良犬- 服部 剛自由詩15*05-1-25
たましい_の_かたち- 玉兎自由詩405-1-23
ビー玉沿線- 望月 ゆ ...自由詩14*05-1-22

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