冷たい風と一緒に
クマが走ってきた

大きな目をまん丸にして
涙がポロポロ

首からさげた手ぬぐいで
目を拭きながら走ってくる

冷たい風が目にしみるんだね
冬眠するの 間に合わな ....
ぼくがあまえるには
きみはちいさくて

きみがあまえられるほど
ぼくはおおきくなくて。


だから
さみしいねって
くっついている

いつまでも
くっついてる


おんな ....
空と海
誰かがひいたあの線の
手前で競い合っている

砂利道ばかりの
僕の田舎は
海がきれいで
何も無かった

今にも泣きだしそうな青ばかりと
僕を飲み込ん ....
  皮膚という薄皮の中に
  なまあたたかい
  生がある
  そう思いこんでいる

骨にまとわりつく体を
巡っていく流れに
生がある
そう思いこんでいる

  あなたとつない ....
 山田くんは手を洗わない

一学期の終わりころから急に、手を洗わなくなった

購買のやきそばパンを食べるときにも
科学の実験をやった後でも

 山田くんは手を洗わない

聞くとこ ....
ナマケモノ の
うごき は おそい

ナマケモノ を 思う とき
僕 は 息 を すって はく 回数 が 減る

そして

ナマケモノ の
ココロ を 思う とき
僕 は 窒息 し ....
遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
ねこのひげ
のびる
のびる
どんどんのびて
からだじゅう ぐるぐるまき
ぱっとみ
でかいけむし

ねこのひげ
のびなくてよかった
ほんとうによかった
冬 葉が落ちた樹
ぴゅううううう
寒さに耐えて 立っている
・・・とみんな思ってるけど
僕は知ってる
あそこは留守で
地面の下でぬくぬくと寝てるってこと

そして僕は 公園の隅で ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている


私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う

すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
目覚めた昼

あくびと一緒に

昨日のもやもやを


眠る朝

子守唄は朝露の音色


枯葉を落としながら

心までも掻き回す

風の強い夜
カニの はさみ は

チョッキン じゃなくて

ギュウゥゥゥ〜〜〜です。


コロッケのコロは

コロモのコロかもしれません。

ッケ は どうしたらいいですか?
秋は不思議
木々は なんだかにぎやかで
どんぐり坊やは 力強く歌っておどるし
風はやたら はやく はやくって。
僕はどうしたらいいのかな?
って くまがいうから
僕は おなかを洗ってもうね ....
空がきれいに青くて
たくさんの色々な形の屋根が続いた向こう側に
機嫌の良い雲がたくさん

そこはちょうど海の上
僕の町から ずっとまっすぐ下って行くと
海に出る

空と海が大好きだから ....
僕が転んだ
白い雲がながれていた
僕が転んだ
麦の穂を風が掃いた
僕が転んだ
膝に石を刺した
しんとした痛みを
ただこらえた

何も居ない 
笑いごえもない
ひざを押さえた道端で ....
時速80kmの車窓
次から次へと景色は流れる

ホームの階段をひたむきに駆け上がる
パリッ!とスーツの新人サラリーマン
けっつまずき 宙に浮く {ルビ縮=ちぢ}んだ4本の手足
車窓から消え ....
うちのクラスの山田くんは いつも
弁当をもってこない。

昨日は
ホームレスのおじちゃんが ひもじそうだったので
あげてきた、と
寂しい目で 語ってた

一昨日は
おなかがいっぱいだ ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
生き物が
自分の力 信じて
自分の可能性に挑む時
とても強い 光を放つ

小鳥も
カエルも
みんな輝く

この星の輝きは
そうして力を増している

僕も君も
もっともっと強い ....
(中央から濡れていく
     ひりひりと)

赤い林檎を剥いて
がぶりと噛み付き一口目
昨日の出来事
不思議な果実の甘さ が
歯に沁みる

涙が
(ひりひりと)

二口目
 ....
僕は冬がキライだ

春は好き
夏は大好き
秋も好き
だけど冬がキライ

でも、最近少しづつ
冬が好きになってきた
食べ物が美味しいし
花粉は少ないし
夜どんなに早く寝ても もった ....
冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを
わたしのほかに
 ....
曇り空を見るといつも
全てのことを正当化してしまえる
気になるけれど
その度に
雨が降ってくる


言葉は便利で
音楽は優しく
都合のいいお話は
いつだって楽しい

でも残念な ....
家屋は言葉のように
優しく朽ち果てていた
時間があればそこかしこで
両親は笑顔を絶やさなかった
幸せな玄関ホール
その壁には今でも
兄と私の指紋が残されていて
静かに機械の匂いが ....
きみは また ぽろり
しみこんだ てで

みえない みらいを
いくどでも

せめて
ぼくは
ここと ここ
つないで
あたためたい
きみと てを
赤いランプの吊り下がる
あらゆる街の角に這いつくばり
わたしたちは歌を待つ

それは煉瓦の隙間から流れくるものであり
それは男の外套から聞こえるものであり

わたしたちは何も知らない
 ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前

母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります

雨もりがあふれる床
 ....
今よりも夜が濃くて

あれは雨のにおい

ところどころ綻んだ焼き煉瓦の

ちいさな坑道に二人でうずくまっていた

ゆがんだ廃線のレールに

しじまを乗せた汽車を見送っていた

 ....
人と争うように働いて
話す気にもなれず
押し黙ったまま一日を終える

仕事帰りの公園のベンチ
あたたかいゆげで慰めてくれる
たこ焼を食べていると
目の前の通りを
なかなか客に呼び止めら ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている



わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
松本 涼さんのおすすめリスト(1137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬クマ- 日朗歩野自由詩905-12-24
ぼくら- 日朗歩野自由詩505-12-23
- 自由詩705-12-23
誰か、ささやけ- たりぽん ...自由詩1305-12-22
山田くんは手を洗わない- 仲本いす ...自由詩6*05-12-21
ナマケモノ- 日朗歩野自由詩305-12-20
遠くにいる- ふるる自由詩37*05-12-18
ねこひげ- 日朗歩野自由詩405-12-18
落葉樹と僕- 日朗歩野自由詩205-12-17
北風の工場- ベンジャ ...自由詩14*05-12-16
拝啓:風の強い日に- 大城 小 ...自由詩105-12-15
伝言- 日朗歩野未詩・独白2*05-12-15
反省- 日朗歩野自由詩405-12-14
機嫌の良い雲を見た- 日朗歩野自由詩205-12-13
_僕が転んだ- 「ま」の ...自由詩6*05-12-12
小春日和に- 服部 剛自由詩10*05-12-12
山田くんのお弁当- 仲本いす ...自由詩8*05-12-10
夜明けの水位- 望月 ゆ ...自由詩57*05-12-10
輝き- 日朗歩野自由詩105-12-10
林檎葬- 半知半能自由詩405-12-2
四季について- 日朗歩野自由詩305-11-26
冷たい雪の降る夜に- 千波 一 ...自由詩18*05-11-25
空はいつも優しい- 自由詩6*05-11-25
優しい機械- たもつ自由詩3105-11-14
きみと_てを- 玉兎自由詩405-11-7
黄金虫- ミゼット自由詩4*05-11-7
さといも家族- 服部 剛自由詩22*05-11-5
樹海- 相馬四弦自由詩7*05-11-4
白いゆげ- 服部 剛自由詩23*05-11-1
ノート(枕魚)- 木立 悟未詩・独白1105-11-1

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