いちにちずっと雨だった。

外はうす暗く、ネコは静かで。

それはジャズによく似合った。

たとえばデューク・エリントン、

たとえばアニタ・オデイ、

つめたい雨と相 ....
茶色い瞳

見上げて染まっている

春のすこし前の空に

遠く冷たい青色に

それは昔好きな人の住む町で見た車のボンネットの色

強い強い風がかきみだす

雨上がりの翌朝
そ ....
お婆ちゃんの細い手が
絵葉書に描いた
美味しそうなまあるいピーマン 

筆を墨に浸した僕の若い手は 
「 いつも ほんわか しています 」
と曲がりくねった字を余白に書いた 

お婆ち ....
ソーダゼリーが好っきゃ
めっちゃ好っきゃ

でっかい青いソーダゼリーをな 用意してやな
裸になって 飛び込みたいんや
体の内側も外側もソーダゼリーで満たすんや
息も絶え絶えに溺れるねん
 ....
隅っこが好きな子豚です。

 でも、海を眺めるのは好きです。

ドングリが少し入った袋をもっています。

 今は、寝ていると思います。

 それから 日本語は話せないかもしれません。
 ....
母さんは言った

雨が降るかもしれないから
傘を持っていきなさいって

少しくらい濡れてもいいと思った

朝起きたら
神様に祈りなさいって

仕方がないから祈った

理不尽があ ....
朝に
林檎がもがれる


それは
太陽になり
風になり
私のもとへとやって来る


おはよう
ごきげんいかが
と はにかんで


さくりと
歯に当てた
ほのかな酸味
 ....
UFOが見たい

ハムサンドが好き

聖蹟桜ヶ丘が
すねる

電車の台車は
運転する毎に
ゴトゴト音を立てる

あきれたボーイズの
ように
ふざけたい電車は
ゴトンゴト ....
赤い夕日の下
小さな鳥が、地に落ちる
ただの一声も上げず

白い朝日の下
小さな蝶が、飛び立つ
その羽に光を受けて

命は消えて、また生まれゆく
それは切れることのない鎖

みん ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった

まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
1

ドングリが遠い目をして
冬の正解(こたえ)を探している

もうすぐ大きな冬の翼が
やってくる
僕は森によばれる
いかなくちゃ

山猫の親分は
ピリピリしながらも
やさしい ....
自転車に乗って 
歩道に沿った白線の上を走っていた 
アスファルトの割れ目から生える 
しなやかな草々をよけながら 

背後から 
{ルビ巨=おお}きいトラックのクラクションが聞こえ 
 ....
いろいろな きまぐれで
そらのむこうをおもう

あきのかぜが さわやかで
おさけがおいしい

だれかきてくれれば
とてもうれしい

ひとりでも
なんとなくすぎてゆく


かわ ....
ムーンは名犬ではなかった
おれが不良にからまれたとき
まっさきに逃げた
のびているおれのそばにきて
目のよこの傷をなめた

ムーンは名犬ではなかった
堀内と土井と高田の
サインの入った ....
かわいこちゃんに出会いました
瞳はレーズン耳はパン

こんがりチョコと白い胸
唇ちょっとレアチーズ

焦げた肌には粉砂糖
運命だねって言いました

きらきら囁くスカートの裾
形を変 ....
地面には 
ぺちゃんこのかまきり 
おどけた鎌を振り上げて 

お前は偉いな 

踏みつぶされても 
踊ってる
ごめん
あと五分だけ。。
なんてセリフ
想像したこともないよね

君の寝顔
無敵の寝顔
早朝 
{ルビ浴衣=ゆかた}のまま民宿の玄関を出ると 
前方に鳥居があった
両脇の墓群の間に敷かれた石畳の道を歩き 
賽銭箱に小銭を投げて手を合わす 

高い木々の葉が茂る境内を抜けると  ....
八月 二週 また 入院暮らし...
ガラスの塔のなかで、優しいひとらに、接しながら、病と添い寝して。
夏は、晩夏を迎えて、( もう、立ちつくし、亡くなっているのかも、しれない。 )
 ....
ぼくたちは生きている。
これまでもこれからも、
そして今もぼくたちは生きている。


世界にはぼくたちがいる。
たくさんのぼくたちがいる。

たくさんの ....
もうひとつの太陽が
もうひとつの月が
何処かに隠してあるのだろうか
もう疲れたと言って
勤勉な太陽が
沖の向こうに沈む頃には
新しい曲に乗って
新しい太陽が
夕焼け雲に乗っかっ ....
ゼロになりたい

無ではなく
確かに存在し
しかも
姿はなく

誰も傷つけない
影響もされない
ただ
存在する

消え去る必要もない
見えないから

たとえば抱き合っても ....
頭の上に鳩ぽっぽである

明日のことを考え
いろいろなことを考え
ふと
目を前にやる

乗り遅れたバスと
少しの苛立ち

目の前の夏
今日からが夏
明日からが夏

遠くても ....
今日は まあ
なんとなく すごして
夜には たっぷり寝て
明日 がんばることにする

というふうに
毎日を過ごしていく

にっこりしたり
ほろりと泣いたり
なんにもできないけれど
 ....
何から何まで
犬の日々だった
私の瞳孔はつねに濡れていて
咽喉の奥はいつも渇いていた
風にさらされて 乾きすぎた手拭いのように
水に濡れた掌を求めていた
何もかもが
犬のようだった

 ....
いつの頃からそうなのか
わからないけれど
物心がついた時から
ぼくの家には屋根がない

どうしてなのと
親に聞いたら
そういうものだと諭された

友達の家にも
遊びに行くお店にも
 ....
セミよ
そんなに急ぐな

さっきから
空を見上げてばかりじゃないか
お前の
自慢のその羽は
ただ
アスファルトを掻くばかり

セミよ
今なら見えるだろう
あれが星座だ
私も昔 ....
夜になってから急に 
庭の倉庫に首を突っ込み 
懐かしい教科書を次から次へと処分して 
家の中に戻ったら 
腕中足中蚊に刺されていた 

それを見た母ちゃんは、言った。 
「あんたはつよ ....
なぜもぐらは
たたかれたのか
ただいちどきり
空を見てみたかっただけなのかもしれないのに

あんなになんども
なんども
たたかれつづけなければ
いけなかったのだろうか
親のかたきのよ ....
魚、ありふれた、罪過。

魚の見る夢ではないのか?
僕の人生は、海の底で眠ってる。
時々僕は、息をすること忘れてる。

毎夜、溺れて目が覚める。
びっしょりと布団を濡らし、打ち揚げら ....
松本 涼さんのおすすめリスト(1137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いちにちずっと- さとる自由詩106-9-28
さかまく冬_電線の風切り音_空気と光_関係ないよ- 水町綜助自由詩4*06-9-28
「ピーマンの絵」_- 服部 剛自由詩9*06-9-27
めっちゃ_しぃたい- 日朗歩野自由詩706-9-21
イベリコブタ_- 日朗歩野自由詩506-9-21
傘が要る- ささやま ...自由詩5*06-9-19
林檎の朝- 石瀬琳々自由詩17*06-9-18
背高のっぽの赤ん坊- あおば未詩・独白4*06-9-17
美しい世界- 姉山右京自由詩206-9-17
白の質量- umineko自由詩13*06-9-17
透明の光- 日朗歩野自由詩906-9-14
夕餉への道_- 服部 剛自由詩3*06-9-13
きまぐれ- 日朗歩野自由詩706-9-11
ムーンは名犬ではなかった- しゃしゃ ...自由詩2006-9-10
ミルク色の- アサリナ自由詩3*06-9-10
標本_- 服部 剛未詩・独白11*06-9-9
猫寝てばかり- 日朗歩野携帯写真+ ...1506-9-6
駒ヶ根_- 服部 剛自由詩14*06-9-5
晩夏への手紙- モーヌ。自由詩14*06-9-3
「_ぼくたちは日曜日。_」- PULL.自由詩14*06-9-3
褐色- あおば自由詩7*06-9-3
ゼロ- umineko自由詩12*06-9-2
- 自由詩4*06-9-1
日々- 日朗歩野自由詩406-8-30
犬の日々- 岡部淳太 ...自由詩10*06-8-30
ぼくの家には屋根がない- ぽえむ君自由詩14*06-8-30
夜のセミ- umineko自由詩14*06-8-28
歩く花- 服部 剛自由詩15*06-8-27
もぐらたたき- しゃしゃ ...自由詩206-8-24
SAS- チェザー ...自由詩506-8-24

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