息を吸って
息を吐く
そんな簡単なことが
あなたは
出来ない

笑いあう
謝る
手を振る
おじぎする

そんな
簡単なこと

(わしの仲間は
(戦争で
(みんな死んだ
 ....
逢いたいって気持ちはどこから
生まれてくるんだろう

南の方からは
たゆたう波ばかり

北の方からは
哀しい歌ばかり

愛は
いったいいつから
やさしい味方なんだろう

知れ ....
かざぐるま
またきます
するり
りんね
ねんねんころり
言葉の無い場所から
降るむらさき
雪になっていく雨



きらめく細い
棘の氷
原を埋める
雲と同じ色たち



誰かに向けられた心と
他者のための方程式
絵 ....
ひねくれて
しろいみち

かわいいあとを
つけた

…つもり

ひらり ひら ひら

かわして

あたしは きょうも ほんとは
あなたに むちゅう
ホット・ペッパーください
く、くださいませんか
クーポンついてますから
剥いたブルー・チーズですから
まだ、だ、でしょうか
え、駅前のあなた
く、くだい、ってば
というより、ください ....
せっかくお風呂に入ったのに
自分のからだがすっかり無くなっていた
どこかに忘れてきたにちがいないけど
いくら思い出そうとしても
ここにいた時には確かにあった
という自信がもてない
 ....
少女は長い間 
窓の外に広がる海を見ていた 
{ルビ籠=かご}の中の鳥のように 

時折 
人知れぬ{ルビ囀=さえず}りを唄っても 
聞こえるのは 
静かに響く潮騒ばかり 

( 浜 ....
深夜の浜辺で
青白い顔をした青年は 
{ルビ焚=た}き火の前で{ルビ膝=ひざ}を抱えている 

肩を並べていた親しい友は 
すでに家路に着いた 

胸の内に引き裂かれた恋心 
誰の手に ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている

雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
はっぱ
雨にぬれて
冷たいけれど

はっぱ
お日様 出たら
うんとかがやく

ピカピカきれいに
うんとかがやく

元気 なってる
雨ふる前より ずっと

だいじょうぶ
う ....
カーテンのすきまから、
むかいの住宅の屋根のうえ、
うすくもり空を見上げる。
幾本もの電線が斜めに走っている。

窓を開けると、
わずかに残されたうすい青から、
凍えた風が吹きこむ。
 ....
見上げて

思い出したふりをする

ぼくの鍵盤は引き金だ



君よ

いま

その喉を奏でて



白い部屋

孕んだ嘘

おわらない左胸に

詐欺師が告 ....
旅行から帰ったら
あなたと
さくら見たいです

あなたのメールに
胸が詰まる

そう
そうだね
はなびらが
はらはら落ちる川沿いは
きっとまだ
風も冷たく

見上げた角度に ....
最後の夜を見つけておいで

そうして

首輪をしたら そっと撫でてあげて


訳もなく泣いて 泣いて

見つけられんのを待ってんだろう

いつだって昔見た夢を塗り重ねて ....
(夏)

波音の届きそうにない
部屋でただ
いき過ぎるのを待ってる
テレビにはめ込まれた
冷たいガラスの匂いだけが
わたしに似ている



(秋)

言葉になり損ねて ....
一月前 
長い間認知症デイサービスに通っていた 
雷造さんが88歳で天に召された 

だんだん体が動かなくなり 
だんだん独り暗い部屋に置かれる時間が多くなり 
ある日ベッドで瞳を閉じて横 ....
桜は
みてきた
昔からずっと
人の恋を

年老いた樹に
こぼれる花
あわく白く

僕は
伝える
そっと桜に

想い溢れて
こぼれる花
あわく白く

春の風に
舞って ....
さよなららいおんが
動物園でさよなららいおんって
呼ばれるわけはちゃんとあって

誰かが夜の隙間で
長い眠りについたとき
悲しそうに 泣くからなんだって

だけどやっぱり
みんなはら ....
あなたは曲線で出来ていて
髪の毛
しなる腕も
無駄のないポオズ
その
なだらかな曲線を
ていねいに
なぞって

あなたの
曲線とは裏腹に
こころには
ちいさなささくれが
いっ ....
世界がスッと聞き耳を立てるから
私は黒猫になって逃げる

トレモロしはじめる胸の高鳴りと
アスファルトを飛び跳ねる
肉球のリズムが重なって
不思議な旋律を描くから
誰にも本音を ....
となりに君をのせて
海沿いの夜をゆく
波は
そこにあるのに気づかない

君はたぶん
空気で出来ていて
誰の目からも見えないけれど

見失いそうになるとき
君をのせて夜をゆく
ボク ....


ぞうは はなが。

なんでなんっ??
ふつう せめて くちびるでいくやろお??

でも ぞうは はな。

 *

きりんは あしとくび。

あしがさきのびて
まだ た ....
アザラシが 
浜辺を 這っている
私に 声をかけてきた

「目の周りに砂がまとわり付いて鬱陶しいので洗ってくださいな」

快諾

ゴシゴシ
ゴシゴシ洗って

ザンブラ
ザンブラ ....
しごとのかえりにあるいていたら
いぬがよってきて
ぼくにこえをかけてきた

「たろうさん たろうさん」

ぼくは たろうじゃないし!

「だんごくれたらついていくよ」

こられても ....
春の陽射しに 
紅い花びらが開いてゆく 
美しさはあまりに{ルビ脆=もろ}く 
我がものとして抱き寄せられずに
私は長い間眺めていた

今まで「手に入れたもの」はあったろうか 
遠い真夏 ....
泡になりたい
そう望んだのは十七歳 夏の日
ラムネの底から生まれる
消える気泡に見とれて
曖昧な私も溶けてしまいたい
いっそ

いつか

本の一部を鋏で切り取った
一片一片を繋ぎ合 ....


冬という字

それは

ゆきだるまの目とかの
くろいもの

アレで出来ている

たぶん
そう
つくしは みな
めをつぶっている

はるのにおいを
かいでいる

せのびして
せのびして
松本 涼さんのおすすめリスト(1137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
呼音- umineko自由詩20*06-5-14
逢いたいって気持ちはどこから- umineko未詩・独白4*06-5-13
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三華遠季節_Ⅲ- 木立 悟自由詩606-5-8
あまのじゃく- 玉兎自由詩206-5-7
浴室密閉ブルーチーズタイム- たもつ自由詩8*06-5-6
からだ- たもつ自由詩9*06-5-5
海を翔ぶ翼_〜_少女と羊_〜- 服部 剛自由詩8*06-5-3
幻の太陽_- 服部 剛自由詩15*06-4-16
水墨夜- 望月 ゆ ...自由詩50*06-4-14
傘をささずに歩く勇気を私はもたない- umineko自由詩19*06-4-11
だいじょうぶ- 日朗歩野自由詩506-4-10
斜線ノ空- 光冨郁也自由詩8*06-4-8
音楽室- なるせ自由詩206-4-4
はなびらゆき- umineko未詩・独白11*06-4-2
宵闇- なるせ自由詩406-4-2
季節- たもつ自由詩1506-4-2
雷造じいさんへの手紙- 服部 剛未詩・独白13*06-3-26
- 日朗歩野自由詩406-3-21
さよなららいおん- 夕凪ここ ...自由詩3*06-3-21
夜の笛- umineko自由詩12*06-3-21
エスケープ- まほし自由詩13*06-3-21
となりに- umineko未詩・独白10*06-3-18
進化- 日朗歩野自由詩406-3-14
アザラシを洗うんだ- アザラシ ...未詩・独白17*06-3-14
よりみち- 日朗歩野自由詩806-3-13
夕暮れの並木道- 服部 剛自由詩14*06-3-13
あぶくの中の十七歳- 夕凪ここ ...自由詩5*06-3-12
- 日朗歩野自由詩306-3-12
つくし- 日朗歩野自由詩706-3-11

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