樹の内側に流れる
めくるめく満ちている力
緑色に揺らめく
樹は
傷を受け 治し
傷を受け 治す

決してもとどおりには
決して美しく自由なもとの姿には戻れないけど
無骨な強さと頑丈 ....
生まれたことを
ふだんから考えているかわからないで

生まれたことにささる月影がきれいで
わたしはここにいました

犬が吠えていて
寒くて
でも
少しずつ
結晶になる世界
お母さ ....
くじら 大きな水 おしのけ
くじら 大きな水 のみこみ

くじら 大きな力
およぐ すすむ
海へ 空へ

青い青い宇宙の中
くじら の 確かさ
年が明けてから まだ太陽を見ていない
外には{ルビ只=ただ} 冷たい雨音

静かで薄暗い正月


神棚に手を合わせたら
{ルビ揃=そろ}えた足元の床がへこんでいた

町では偽 ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
 「月が明るい夜は
  外に出てはいけない
  みどりのコートを着たコドモが
  生まれる時間だから」

  そう聞かされていた


  街のはずれの丘は
  建設工事が中止になって ....
漬物石をかかえた大人が
喧嘩をしてる
漬物石はかかえたまま。
向き合って
立っている

漬物石をかかえた大人が
喧嘩をしてる
漬物石はかかえたまま。
置く事ができずに
手を出す事 ....
うたはかぜにのって

うたはなみにのって

うたはひかりにのって

うたはうたにのって

あなたにとどくようにとんで


うたはたんじゅんで

うたはたしかで

うたはか ....
ただいまー
あける しめる

ひまやなー
あける しめる

なんかないかなー
あける しめる

そろそろねよかなー
あける しめる

冷蔵庫って僕の何!?
眠っている、舟の
漕ぎだすその先の朝が、
眠っている


イメージが形になっていく、その
次の瞬間に
雲は切れ、空の裏側にはおそらく
比類なき明日が
ただ 立っている
としても、底 ....
山田くんから、年賀状が届く

終業式の日
みんなから 住所と、名前と、郵便番号を聞いて
国語のノートの 使っていないところに
せっせとメモをしていたんだけれど

多分 山田くんから、年賀 ....
異なる方向をもつ
いくつかの時空の瞳が
時折ふと{ルビ輻輳=ふくそう}する

その焦点に結ばれる
あのひとの像

たまゆら
その眼差しも
仕草も
声も遠く
けれどかつて触れたこ ....
朝早く
{ルビ風呂場=ふろば}にしゃがみ頭を洗っていると
電気に照らされたタイルに小さい光の{ルビ人形=ひとがた}が現れ
こちらへ手を差し出した

思わず光の手を握ると
タイルの裏側へする ....
昨日の高い 高い空から
ハッカの香りを感じた のです。
それは 甘くなく
気道から凍るような
冷たさだけ残して
昼には そっと
消えてしまったけれど



これから何度と無くやって ....
もう何年も前
遠い北国に{ルビ嫁=とつ}いだ姉が
新しい暮らしに疲れ{ルビ果=は}て
実家に帰っていた頃

日の射す窓辺に置かれた
白い植木鉢から緑の芽を出し
やがて赤い花を咲かせたシク ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
時間とともに わたしは
うしなわれる だから未来を
待ち望まない というのは嘘だ
明るいうちに できるだけ早く
きみのところまで たどりつきたい
大きめの緑のガラスの器
底にはサカナ
たっぷり透明 イモジョーチュー

そお 今日は
おおみそか

明日からの事は置いといて
思いっきり うしろ向き

どんな一年だったとしても
 ....
猫の顔した犬が居た
首輪に鈴つけ木に上げた
喉を鳴らして雀を捕った
三羽も捕らえて笑ってる

向こう岸にはヒヤシンス
誰が植えたか分からない
犬の顔した小父さんが
にこにこしなが ....
風は思いのほか近くから来る
雨はほぼ真上から

あなたの街は遠くて
僕は想うより他に知る事が出来ない

いつか
そこに立ったとき
僕は何を感じるのだろう

暑い暑い日差しに
 ....
こどもが歩いていた
老人も歩いていた
とおいところで
ぼくらは一人だった
がたがた震えているかもしれない
風のあとに目覚める
かわいた沈黙のなかで
心のなかの もう一つの身体は
泣いて ....
あても無く{ルビ彷徨=さまよ}う
芝生に伸びる私の黒影
丘の上に独り立つ

{ルビ只=ただ}
北風は{ルビ枯草=かれくさ}を揺らし
雲ひとつない空は澄みわたり
日の光の道を映す海は
 ....
とうめいのくま

くまくまと

ぼくのそばにきて

ほほえんだ

でも とうめいだから

そんなきがしただけ



とうめいのくま

くまくまと

さっていった
 ....
アマガエル

かわいい

きみどりいろで



ぼくはアマガエル

すごくすき

たくさんあつめて

ならべてみよう



アマガエル

アマガエル

 ....
木枯らしの中進む

池を進み 竹やぶを進み

時速10kmで登る未来

街はやがて

林になり 森になり 空になる

手が寒いので手袋をする

君に貰った優しさで出 ....
ある 退屈な 午後

片付けをして
掃除をして
昼寝もすんで
退屈な 午後

部屋の隅っこに座ってみる

目を閉じる
(3・2・1)

目を開けたらこの部屋は猫でいっぱ ....
いま たしかに
{ルビ身体=からだ}の中にあるコレを
どうにか言葉で写してみよう
すると ほら

 もうおそい

色を変え かたちを変え
大きさを変えて 
コレは
言葉の網をすり抜 ....
浮遊し切ったグレーの吐息は

眩しいほどの黒に溶けて

疲労しきった三日月を

粋な靴に押し込んだ夜

外は昨日の残骸が

そこらじゅうに転がっている

軋む肌に慣れた夜明け
 ....
月は地球のまわりまわる
ぐる ぐる

もし 月と地球のキョリ
2mくらいだったら
地上に月の道ができる
建物もよけてつくらなくちゃ

パッて飛びつけば
地球一周できちゃうぞ
 ....
僕はペンギンのおなかが気になる
あれはかたいの?
それともやわらかい?

ペンギンがやってきて
僕をみて ほほえんだ
おしてもいい?
ペンギンは駄目だという仕草をして
帰っていった
 ....
松本 涼さんのおすすめリスト(1137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大樹- 日朗歩野自由詩406-1-7
生まれたことを- 石川和広自由詩11*06-1-6
くじら- 日朗歩野自由詩506-1-6
初夢の青年- 服部 剛自由詩13*06-1-6
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
みどりのコートを着たコドモ- mina自由詩906-1-5
灰色の水- 日朗歩野自由詩306-1-5
あなたのところで- ブルース ...自由詩3*06-1-5
あける_しめる- 日朗歩野自由詩306-1-4
漕ぎだす波の、浅い- 望月 ゆ ...自由詩24*06-1-4
山田くんからの年賀状- 仲本いす ...自由詩8*06-1-3
距離・庭園- 塔野夏子自由詩9*06-1-3
門出- 服部 剛自由詩8*06-1-3
冬の物語(パール・ピンク)- 千月 話 ...自由詩17*06-1-2
花を育てる_〜一年の計〜- 服部 剛自由詩13*06-1-2
初詣- たもつ自由詩5206-1-2
そろもん(寿命の話)- みつべえ自由詩706-1-1
おおみそか機嫌よく- 日朗歩野自由詩105-12-31
歓びの犬- あおば自由詩3*05-12-31
いつかきっと- 日朗歩野自由詩905-12-31
「十二月のスフィンクス」- プテラノ ...自由詩2*05-12-31
石ころ- 服部 剛自由詩5*05-12-31
とうめいぐま- 日朗歩野自由詩305-12-30
アマガエル- 日朗歩野自由詩305-12-29
こもれびのいえ- 大城 小 ...自由詩205-12-27
休日- 日朗歩野自由詩205-12-27
いのち_の_ようなもの- 馬場 こ ...自由詩505-12-27
夢の跡- 大城 小 ...自由詩205-12-26
満員お月様- 日朗歩野自由詩205-12-26
ペンギンのおなか- 日朗歩野自由詩1705-12-25

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