こどもが眠ったあと
散らかったおもちゃをお片づけ
床に落ちている小さなペンギンを拾って
ふと
わたしは
しばし見詰め合う
ちょっと歪んでいるのは
100円ショップで買ったからかな
かわ ....
画用紙に迷うことなく色をのせた
空の青は
記憶にはない
白い画用紙が
とても不自然に思えて
窓ガラスに
水を浸しただけの
筆をはしらせると
透けた空が濡れた
いっそ瞳を
青く塗りつ ....
向かい風の吹いている
地図の上です
収縮と膨張を繰り返す波打ち際の
緩やかなカーブをなぞること
波音は届かずに
待ち焦がれるばかりの



海岸線が近い
そうで
少しずつ僕らに迫 ....
気がつくと
見知らぬ部屋に、彼は立っていた

窓から吹き込む夜風に
カーテンはふくらんでいた

鏡に顔を映すと彼は
ふと 自分を
のっぺらぼうにしたい衝動に駆られた

ポケット ....
空が白けて
窓にしがみつき
指先で書いた文字も
ただの水滴

さくっと
逆立った地面から
突き出た衝動のような
脆い僕だから

結晶を解いても
蒸発してしまうだけだってね
わか ....
迷惑の 
困惑の
生成だ

ペンキを塗り過ぎた

ペンキを塗られ過ぎた

ペンキだらけの身体

敷き布団に放る

それから掛け布団をね


パフェになってくると

き ....
 夜が終わる音を
 聴いてみたくて
 ふとんから顔だけ出して
 ひっぱった毛布の端で
 口元の辺りが隠れている
 暗い水槽の中で
 向きを変える熱帯魚の尾ひれは
 水を斜めに ....
空の下には雨中がある
大勢の僕らは包まれながら
漂うばかり
支えるものは見つからなくて
あちらこちらへ、くすぶりながら
時々にはぶつかったりする

足跡ばかりが目立つ夜は
いつだって水 ....
とぶ 背中を みていた
なめらかな 飛翔

ぼくが 地球から
ぽつり おちても
世界は たえまなく
あたらしい 歴史を
年表へ かきこむ

肉体が 骨になり
たましいは また たび ....
さましている
頬 の 上

いくつも の
星が 
裏側 へ

地殻に 馴染んだ
息の まつ毛

強く つられて

苦い ゆきゆく 渡りを
にごらない 粒に 
かえていく
憂鬱な鳥が若さに飢えて転がる三階
防風林が倒れて久しい今夜の過去に
裁かれることは嫌
雪まみれのやわらかいを脱いでぬいでぬいで
今 分かち合う幻想の氷
冷たくて縫う/つめたくて縫う
濾過さ ....
24番目の駅で
赤いきれいな花を買う
枯れないうちに帰れればいい
ここより、どこかへ
帰れればいい

車窓は空を飛ぶ
すべる、すべる、寝息の上を
寝息に夜が積み重なって
もう、こんな ....
私は大腿骨である
私は頸骨である
私は肩胛骨であり鎖骨であり肋骨であり
胸骨であり恥骨である

私は横紋筋と平滑筋である
私は繊維質の束である

私は気嚢であり胃腸であり  ....
いつもは乗らない鳥に乗って
いつも挨拶をしていく家をいくつも
通り過ぎる

梟に会いに行くと言ったきり
雀が帰ってこなくなったので
少し怖くなった
こわくなった

引ったくりが多い物 ....
時計のゆるり止まるところ
消え行くことが決まりのように
今、ひとつの言葉が終わる
さよならから
さよならで
始まることがあるとして


遠くなっていくことに
手を振ります
僕らの
 ....
いま
昇ってゆく
はりついた水平を
捨てて
乾いた土も
取りこぼして


一人きりの
拍手のように
器用な着地も
知らないまま


誰を
背負うことも
ない
あの
 ....
「なんだ あれで間違いは無かったんだ」
そんなことが言えるタップを踏み鳴らす
今日、拾ったんだ

あの川の輝くあたりで

あの空の疼くあたりで

あの山の轟くあたりで

幾つかの種を拾ったんだ



今日、種を植えたんだ

この氷のような胸に

 ....
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ

暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く ....
体中の細胞がいっぺんにしゃべりだしたら
そんな素晴らしい詩はない

分裂を繰り返しながら受け継がれるのは僕だ
どこかで乾燥して剥がれ落ちるのも僕だ

みんなも感じているのだろうか
恐 ....
悲しい話ばかりする君、こんにちは
あの朝は、原っぱの真ん中で、
ころりと転がる君の横に座っていた、
てらてら包む太陽のひかりのなかで
きみは、とてもとてもかなしい話を
笑いながら並べていくの ....
シビレエイに
さわったことはない

海のふくらむ昨日


しらないことは
ありすぎる

とおりすぎても
とおりすぎても


新しい
もう今年も終わろうとする日に
めずらしく大粒の雪が降るなんて

もう薄っすらと雪化粧をはじめてる

ぺたぺた点描画
世界を白く塗りつぶします

そう言えば今年も大変だったな

この ....
あおいだ ゆびさきから
つむぎだされる よるの とばり
その やみのなかで てらしつづける
ゆらめき つづける
ふかしぎな かたち
さまざまな ゆくえ

ねがわくば わたしの あとは
 ....
鍵を なくしました

鍵 という言葉と 

なくした という言葉が

うずまいて うずまいて 

とりかえしつかなくて

必死でさがしましたが

ありません


仕方ない ....
雪が
自由にしてくれると言うの
で歩き出すと

なみだが

サクサク落ち

みみやはながぼとぼと落ち

ゆびなどもぽろぽろぽろぽろ落ちて

振り返ると
うでもあしも全部
 ....
 四隅にはさびしさの影
 灰の空気がそこに居る
 窓を開けると冬の色風
 耳くすぐり吹き抜ける
 白の色風は部屋を回り
 四隅連れ去りまた外へ
 色風残してくれたのは
 窓辺のち ....
かなしくて
なんだか どうでも いいような
ほうしんじょうたい

ともすれば しかいがぼやけて
かんたんな かんじょうやら
もつれあった きもちやらが
きゅうそくに そだっては しぼ ....
そこにあった かこに
おもいが もっていかれる けしき

わたしたちは ながれゆく ときの
だくりゅうに のまれて
ひきとめられず ただ やどる

やわらかな おもいで
あたたかな ....
車窓の向こうが止まる
けれど流れている家や小道
その車窓のガラスに溜まっている
眩しい海は
俺と君が辿り着きたい瞳
そしてその光りに
その海に
今日は君の悲しみも揺れる

器用に生き ....
松本 涼さんのおすすめリスト(1137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
100円ショップのペンギン- チアーヌ未詩・独白4*05-1-17
青い空を知らない- ベンジャ ...自由詩9*05-1-17
白い音の手紙- 霜天自由詩2605-1-13
ましろいかお- 服部 剛自由詩7*05-1-9
銀世界- ベンジャ ...自由詩8*05-1-8
ペンキだらけの身体- 純太自由詩305-1-7
夜が終わる音を聴いてみたくて- カンチェ ...自由詩1205-1-7
雨中- 霜天自由詩205-1-7
空が_おちてくる- 玉兎自由詩605-1-5
かわる_- 砂木自由詩5*05-1-4
未遂- 本木はじ ...自由詩405-1-4
24- 霜天自由詩405-1-4
言うまでもないこと- 佐々宝砂自由詩1005-1-4
チチチ- 瑠音自由詩305-1-3
- 霜天自由詩305-1-3
風船- サカナ自由詩305-1-2
ダンスは遠い日の自分が- ふく自由詩3*05-1-2
人間の種- Tsu-Yo自由詩405-1-2
- 霜天自由詩605-1-1
細胞たち- ベンジャ ...自由詩8*04-12-30
たいよう- nomi ...自由詩304-12-30
波の兆し- 石川和広自由詩8*04-12-29
この雪は積もりそうです- ベンジャ ...自由詩4*04-12-29
オアシス- 玉兎自由詩604-12-26
- こむ自由詩6*04-12-23
初雪- 月山一天自由詩10*04-12-21
寂しさ換気- ふく自由詩3*04-12-19
こぼれた_あと- 玉兎自由詩104-12-17
やさしい_かこ- 玉兎自由詩504-12-15
- 純太自由詩504-12-15

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