すべてのおすすめ
花で描かれ
置いていかれる
地獄に触れては
熱い耳たぶ
冬の冬の土を聴く
呼ぶ声は雨
冬と春の葉
水と夜の
はざま進む針
夜とは寸分違わぬ夜が
夜の隣に ....
手のひらが
土を打つ数
雨は聴きとどけ
遠去かる
短刀が
街の周囲を切り取り
顧みる場所さえなく
たたずんでいる
つづくようにと
想うだけですべて ....
樹が樹である理由のひとつ
遠のけば近づく光のひとつ
空の切れ端
うなじになびき
夜と鈴しか通らぬ道に
いつのまにかできた水たまりには
ずっと雨しか映らない
雨では ....
ふるえに
ふるえに
こだまする
蜘蛛の巣のむこうの
景の断片
どこへでも どこへでも
句読点
華やかな
何も無さ
息つぎのまの
何も無さ
とど ....
両端から両端へこぼれる
曲線や
歪み
音や温度
どこへでもゆく
手のひらの斜度
細いもの 丸いもの
煙のち羽
光のち水
絨毯の上の恐龍と
黒 ....
水の子ども
鏡にしるしを
つける子ども
今日は 離れて
泡の手と手
ひともとの
すべてがすべてに
あきらかな夢
青と 次の色
半分の径
仕草 ....
何も持たない夕暮れに
二度書きの日の生き死にの
近すぎる礫と礫の声
何も持たない波と波
どこまでも
誰も居らず
どこまでも
羽と羽と羽
空洞の
明 ....
水に流れない塵が
水のなかから夜を見ている
水と 水ではないものの影
常の渦 常の渦
遅れる光
手になじみ
音の背の丘
曇と息は見つめあう
痛みの矢 ....
半分になった鋏が
陽の光を浴びていた
半分になった鋏を
誰がどう使うのか
半分になった鋏を
見つめていたらそれはどうやら
....
寄り添うは虚ろだと知る夕べから髪と糸の鳥もとめる二人
とげが棘ひかりが光に刺さるのは鉛筆の森はらわたの森
音をただ携えて無の道をゆく冬を後ろにかたちなき ....
三十五人のオーボエ奏者が
空へ空へ落ちながら
午後に銀を描き足してゆく
夜と雨
夜にうずくまり
入口の光を聴く
側道に 崖に
蜘蛛の巣に
書かれ ....
空から川へ
融け落ちる途中の樹が
水面で動きを止めている
野のむこう
そぞろ歩きの雨曇
穏やかに酷く
匂いのひかり
壁づたいに
曲がりゆく影
川から海 ....
昏さから水に伝わる震えかな
知らぬまま川に柳に死ぬがいい
折れぬもの折れたときにみな越えるもの
笑うたび普通の暴力燃えさかる
....
心は刃
心はまわる
心は発芽
心は背骨
無いものの羽
泣き声が揺れ
振り返ると海に山に居る
空から直ぐに
降りてくる指
誰もいない街を描く
灯る ....
窓から窓へ
夜は動く
夜に夜を重ね
またたく
冬の水の上
羽の羽やまず
午後の双つ穴
昇るはばたき
わたしはわたしに到かない
水彩のまわり道
夕べは ....
水は降る 冬は降る
銀と灰と
誉れなき晶
午後は降る 午後は降る
右手で右手をしぼり
流れ出るのは同じ色
痛みに混じる
あたたかさ
ななめうしろ つ ....
降りつづいては
落ち着いてゆく
肌の裏側
こがねの腺
無い手を透り
こぼれるもの
失くした姿を
響かせるもの
夜の土の上
たくさんの色が話している ....
小さな炎が鳥になり
葉の下の土を照らしている
傾く森
灰を数える
瞳に足りずに 瞳を足し
あふれるものは 金の浜になる
打ち寄せるひとつ
手のひらになる
....
白濁が白濁に午後つらぬいておまえを息に刻む刃の先
一時から一時半にてひとり縫う花の棘の指つぎはぎの指
夜が消え夜の代わりの夜が笑み早すぎる星に刺 ....
軸線が軸を捨てても軸は降る
生きたいか冬に嘘をつき生きたいか
在らざるを蒔いて咲かすは己れかや
ふらふらと夜に午後の血もりつける
....
水にとける傷
とくとくと
しるしのように
書き換わる
何ものもなく何ものもなく
気付くと在った手のなかの音
微塵につづく
こがねの拍手
鳴りひびくの ....
霧の音を
水の音が割り
沈む虹を追う
流れない冬ばかりを
追う
ゆうるりとうすいまばたきが
冬の窓をすぎてゆく
内と外は
眠りながら見つめあう
火 ....
ぼきぼきとつらら喰うたび牙となる
我が身から生まるる銃群我が身撃つ
ぐるぐると腕まわすたび獣降る
灯の羽や吹雪に径を曳いてゆく
....
波と墓どちらも頬に甘い冬
ロールには鮫のまばたき砕く笑み
羽の蓋まわる目の蜜くちづける
冬空を映す舌さき飴ひとつ
粉まぶし見 ....
夜の震えの先の先
狐は狐にゆうるりと
星の巡りの底をすぎ
同心円の冬をゆく
帯の鬼に触れながら
あたたかさから離れては
鏡の蝶の羽化の裏
葉脈に描かれた音を見 ....
音の無い雷光を視て指ひらくひとでなしの手にけだものの鈴
とどめさす瞳の色を忘れたか常にそこに居る常にそばに居る
うつろにはうつろなる色おまえには向こう側の色 ....
照らしても見えぬまま在る虚ろかな
降る桃と鈴のはざまを染める息
吹きだまる吹きだまる棘吹きだまる
あたふたと耳に目薬ひかり喰み
....
東京はいつまで京で居るのやら
半分に切ったら神が増えていた
朝知らぬ脳が尻尾を撫でている
叫ぶとき叫びの肉芯こすりゆく
....
土のにおいの月がいくつか
夜から朝へと転がってゆく
鏡を造る鏡
暗い水と溝の道
星と星のあいだのむらさき
へだたりと境の腕
羽と羽のあいだに起ち
剣のように
....
棄てられた緑や白を
熱はわたる
ゆうるりと巡り
夜をつくる
川の
ひとつの波が逆らい
二層で居る
午後の空を
燃した磁石
冬と陽のあいだ
蒼 ....
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