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肩の上にまた幽霊が戻ってきた。昔と同じ重さと痛みが、どんどん自分を夜へと持っていく。まだ眠りは来ない。自分は在りつづける。あの何も無い所に近づくことなしに、自分に向かって歩むこと ....
肉が裂かれる予感がする。内蔵ではなく、表皮のすぐ下の肉がまっすぐに裂かれ、虹色の壁が刃に映る予感がする。薄暗い景色のなかに、さまざまな色だけが見え、どこからか来る強い光のために全体 ....
限りあるものに呼ばれ
窓をあけ また
窓をあけ
どこまでもつづく
不透明の向こうの
限りあるものに呼ばれ
暮れる色は
知らぬ色
誰かが色につけた名は
そのままその ....
さかさまの本には
さかさまがたくさん書かれていて
さかさまに読むのに適している
でも目はひとつしかないので
ときどきふたつになるときだけ読む
そのほうがもっとぐるぐるするから
....
犬のあとをついてゆく
時おり振り返っては笑う
犬のあとをついてゆく
コンクリートの空の地下道
下半身が猫のままの
犬のあとをついてゆく
土の道のできそこない
泥のよ ....
何もかもがずれてゆく
不幸ばかりがやってきては去る
だが自分はここに居なければならない
自分以外のもののためにここに存在しなければならない
いつかは離れていってし ....
何かを考えるだけの血が
脳まで登ってこない
ほっこりとした二重まぶたの少女の絵を
どうしても描けないでいる
日光のなかの
なかば乱れほどけた金色
灰紫の瞳は
別の時間のた ....
かわいいものは
みな食べられて
腹のなかでうたをうたう
とぅあららら ら
なんにも持たずにひとりのものは
なんにも持たずにひとりに生まれ
なんにも持たないうたをうた ....
眩む手にあふるる翳り冬と春
けだものよ応えぬ瞳応える背
降り止まぬ目に見えぬ雨降りやまぬ
花と骨つながるいのち星ひとつ
....
一度だけ夜を飛べない夜がある冷えた灯りのはばたきの道
降り来る火誰がおまえを責めようか燃えくずれつつ書きとめる日々
しあわせを感じたとたんしあわせは遠く ....
小さな鉄
朝のすそ野
光の迷う道
つづくこと
つづかないこと
ここに無い声
空の句読点から
降りはじめる手
水を読む 水を読む
さくりとふるえ
....
指から指へ
景はわたる
花をまわす
雨をまわす
雪に点る青い芽の
ほころびぬものだけがうたいはじめて
折れた枝 折れた風
泣き眠る陽に触れてゆく
ひとつ ....
みかん色 落ちたよ
夜はもうこんなに蒼だし
蒼はもうこんなに夜だよ
西に光って 鳥も帰るよ
冷える音 止まる音
ひとつずつあたたかく
めごい瞳に降り来るよ
ひとり ....
さあい さあい
砂の道
緑がなでる
石の道
さあい さあい
雨の指
空も 窓も
夜になり
月は廊下に
横たわる
さあい さあい
光る息
粒の声が触れ ....
http://tekipaki.jp/~clock/software/
ここからダウンロードできます。
いろいろ分析してみてください。
[解析結果の一例]
人生の成分解析結果 ....
行方知れず
見つめながら
同じ目になる
夕映えを聴く
鼓動とくちびる
覆うにおいに
まぶた白く
片方ふせる
午後の火が鳴る
遠くをわたる
雲のかたち ....
何かの罠のような路地や家々の間を抜け
無造作に置かれたきらびやかな板をぬい
話しかけようとするものは話しかけてくるだろう
水の下の水 道の下の道
空白を埋めることでよしとする輩 ....
布の心からのばされる
鳥の翼を描く糸
文字のように絵のように
風に望みの灯火を置く
無色に織られた旗が重なり
震える音のかたちとなり
幾度も水を吸う衣
失う色さえ ....
ふいに軽くなったからだから
いったい何が抜け出したのか
いつものようにうつむいたまま
何も思うことなく歩きつづけた
なぜか息をするたびに
ひとくちの黒が出ていった
....
夜の灯の下
藍は蒼
溶け残る道
呼びとめる声
氷をすぎる火の上で
音は昇り 月に会う
昼のにおい 日々の名残り
凍えては小さくまたたくもの
夜から分かれ ....
木は影になり
しずくを流し
銀はせつな
銀はとこしえ
光の粒が
川になり
見つめるまなこ
満たすはじまり
昼の星の
糸をたぐり
ふたりで赤子を
紡ぎま ....
その1
http://anime.livedoor.com/movie?id=7c2b96541747b374
その2
http://anime.livedoor.com/movie?id=71 ....
降る雪の向こうに舌先があり
ひびわれたくちびるをなめている
黒に囲まれた空の道を
砕けては砕けては照らす風
花のからだの鳥がめざめて
空を羽の仕草になぞり
うつら うつら
空 ....
こうやって部屋のなかから窓の外を見ていると、雨の中でしか生きられないけものになってしまったような気がする。穴ぐらのなかで、ひたすら雨を待つ。エサはあるのだが、自分のツメで獲物を引き ....
恐れがあり
軋む音がある
雨が朝を埋め尽くす
そこに無いものさえ現われを捨て既に在り
私は自分を脅す自分に気付く
痛みの無い棒状の音が
私を眠りから ....
棚から落ちて
壊れた箱から
ころがりいでた
あねといもうと
今日は何をして遊ぼうか
ことのほか色を見たいのに
絵の具はどれも薄れてしまった
むらさきになるまでたた ....
斜めの道を歩きつづけて
直ぐの道に出たときの
めまいにも似た左の震え
つまびく果てのリフレイン
穴だらけのひろい通りを
下を見ずに駆けてゆくとき
街を横切るもうひと ....
光に向かい
深くうなづき
閉じた瞳の匂いを嗅ぐ
降る雪を見つめ 招き入れ
空洞の柱を積む音が
鐘のように鳴り響いている
枝の雪は枝から解かれ
見えぬものの ....
月の予感に空を見る
私の水が粉と舞う
遠くの人家の吠え声が
空の緑に波を刺す
蒼に染まった雲を追い
地平に沈む夜を見る
せめぎあう
小さな音たち
せめぎあ ....
{ルビ殪=たお}し{ルビ殪=たお}されるもののすがたかたちが
地から離れ重なり 再び降り立つ
舞うものたちと逆に回る花
乾いた土の上ではじける血
低い緑の中にひとり ....
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