あらためて

そんなものどうでもいいって
おもいながらも
あえて思うのは

恋愛、のぐあい

恋愛ってそんなことば
はずかしくて
なんともはや
いいづらいけど
いまだ夢見ている ....
まだ名づけられていない、
連続する瞬間で構成された時間を
拾い集めつづけても 
綴じるためのすべを、忘れてしまった



わたしたちは、かわるがわるに
世界を四角く切り取ったり
はが ....
青い青い空の
真っ昼間

ぼくは
白昼堂々
盗みにいこう

また再び

きっと彼女は
待っている

初めて出会った
あの空の下で
恋人たちが
裸になる夜は
計算が合わない
数が音に
なってゆくから

建築物の息づかいも
聞こえてきたよ
スポンジみたいな
緻密なリズム

さびしさの背中に
スプーンを落として ....
 
やさしい人がいる
生きることのつらさがわかるから
察してくれて
会ってくれる人がいる

めそめそと
泣いてしまうかもしれない
その人の前で
ほんとうは泣きたいのに
つよい男のふ ....
夜は
重なり合って
ひそめく


息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる


冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
 ....
寒くて凍えそうな
北欧のはじっこのほうのみずうみの湖面が
鏡みたいにつめたく凍って
そのうえを
女の子がひとりすべっていく
かわいらしいカーテンみたいな
スカートをひるがえし
髪 ....
もどかしい
を詰め込んだ袋の
チャックをしめると
パンパンに膨れ上がって
風船のように
とんでいってしまえばいいのに
なんて
なげやりなことを思う

どんなにむずかしい問いであれ
 ....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです


昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て


夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬


 ....
ミスター・ライト、
つめたいよるに
さてんのつるり、
ひかりを散して

ミスター・ライト、
しょーつのしたに
もろくひろがる夜
ひっそりしのばせ

おおきなかーてん
きっちんばさ ....
真っ白な雪がつもった何もかも間違いなのにわたしは生きてる


縄梯子少女はおりるどこまでも夢の終わりへ釦は落ちて


にんにくを口うつしする秘めごとは口からださず噛み砕くだけ

 ....
 
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
 
 
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
 
 
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
  ....
僕たちはこんなにもちっぽけで、
世界はこんなにも壮大だけれど、
この体の中にはとても小さくて、
でも地球よりも大きなものたちが詰まっていて、
一日に2000億が死に、
一日に2000億が生ま ....

空が晴れていると
どこへ行ってもいいような気がして
ふらふらと遠出をしてしまいたくなる
そんな時はスーパーへ行って
掌にちょうどおさまるくらいの大きさの
果物をふたつ買って帰る
右と ....
暗い闇の中。

ぽつりと燃える。

私の炎。

何の為に燃えるか知らず。

ただ、ひたすらに。

体を焦がしてまで。

燃え続ける。

あぁ、誰か。

そっと、優しい息を吹き掛けてくれないだろうか。
 ....
何億光年もむこうのほうの
小さな星がたたく鍵盤の
黒いところに光が集まって
猫みたいな声をあげて
女の子がひとり生まれる



ちいさなはこに落っこちた
なつかしい湖の色 ....
カレンダーをめくると
またひとつ昨日がふえる
そうして明日が
ひとつ減る


わたしに数えられる
昨日と明日には
限りがある

なぜならわたしは
消えていくから


こ ....
 
 
近所の用水路で小さな魚を捕まえた
家にあった水槽に放し
部屋の日当たりの一番良いところに置いた
魚は黒く細っこくて
その頃のわたしは
なんとなくまだ幼かった
 
+
 
 ....
かなしみと出逢わなければいたみなど 
ふわり、するり、と流れてゆくのに


よろこびと出逢わなければ涙など流れなかった
ぱさぱさとして




いつわりへ戻りはせずにここに ....
 
 
綱わたりをしていると
月がきれいだったので
僕はまっさかさまに落ちていった

形の良い吉川くんがそれを見ていて
僕らはレンガ遊びを続けた
吉川くんはレンガをちゃんと地面に積んで ....
勤務地      地球    
勤務曜日・時間  応相談
採用予定人数   一名
勤務期間     長期歓迎
待遇       交通費支給 社員登用あり 制服貸与
資格       未経験者 ....
 
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら

階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
 とある町にとある平凡なアパートがあって、それはハイツユカリだとか、中町コーポだとか、なんだかそんな感じの名前のついた、べつにオートロックでなければガスコンロが二口あるわけでもなくて、ユニットバスだっ .... きみに降る雨の日を
ぼくは知らない

いちばん、
知らない

余地の
あり過ぎることが
迷子という方角を狂わせて

ときどきぼくは
ひどくさまよう



ついつい ....
 朝陽が
 ただまぶしいから
 目を伏せて
 あなたをみれなかった

 思い通りにいかない日々のわき道に
 ほころんだ
 言い訳の言葉と
 満たされない思いを
 かき消すために
  ....
該当する方を黒く塗って下さい。

夜中に誰かを想い、胸が熱くなることがありますか?
□はい
□いいえ

どうせ自分なんか・・・とあきらめた経験がありますか?
□はい
□いいえ

小 ....

消費者金融の無人審査機の前で
背筋をこころもち曲げている女
どういう顔をしていたらいいか
分からないのだろう
真っ二つに分けた前髪の間からは
かきまぜたコーヒーに入れたミルク
みたい ....
好きかもしれない人は
好きな人になり
好きな人は
好きだった人になり
好きだった人は
苦手な人になり
苦手な人は
嫌いな人になり
嫌いな人は
知らない人にかわって
わたしの体に ....
奪われないので
今日もひとり分を生きた
果てのない風船の暗闇で
惑星の君が手をふっている
伸びる道は無限に存在し
いつでも繋がっていると同時に
いつでも一定の隔たりがあり
謎 ....
 
会議室を人が歩く
金属や樹脂などでできた
冷水機のようなものがあって
その向こうに浜松町が広がっている
どこまで行っても僕には体しかないのに
ポケットに突っ込んだはずの
手だけが見つ ....
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