ひそか
かんな

夜は
重なり合って
ひそめく


息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる


冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
音のあいだに
夜はひびく


夜は
互いに
ひとみしりをする


眠りにつく
あの子の
やすらかな
まぶたの
裏側に
夜は身をかくす


一瞬
またたいた星に
明日を祈る
手のひらと
手のひらのあいだにも
夜はひそむ


夜は
重なり合いながら
出会わない


かみさまだけが
知っている


なかなか
朝がこない日は
夜と
夜が出会って
きっと
恋におちている




自由詩 ひそか Copyright かんな 2008-12-21 17:04:12
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