チルアウト
アヅサ



寒くて凍えそうな
北欧のはじっこのほうのみずうみの湖面が
鏡みたいにつめたく凍って
そのうえを
女の子がひとりすべっていく
かわいらしいカーテンみたいな
スカートをひるがえし
髪の毛を先にこまかい雪をまとって
流星の速さで


女の子のまっしろな指先が
空をまっぷたつに分けて
その涙がみずうみに流れ込んでいる
とろりとした透明なそれには
とおい銀河の星たちが
すこしだけ混じっていた



自由詩 チルアウト Copyright アヅサ 2008-12-13 11:56:03
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