サルエル
aidanico

ミスター・ライト、
つめたいよるに
さてんのつるり、
ひかりを散して

ミスター・ライト、
しょーつのしたに
もろくひろがる夜
ひっそりしのばせ

おおきなかーてん
きっちんばさみで
ざくりときりとり
こぼれおちた、
あまさをしずくと

うけとる
きみとおわりのじゃんけんをしよう
ぼくはあかいめでうつむき
ふるえるてをひらく

きみはまっさらなゆきを
ぼくににぎらせ
それがとけるまで
てのひらを
おおっていた

しかくいしかくいだいちのうえで
そのまましずかにめをあけなさい
うつりこんだきみのまなざしと
しかくいだいちのうらがわがみえる

ああ、さようならをいうきみが
ミスター・ライトもとどかない
はじのほうでわらっているよ
あかいくちびるをかくさずに

(ああ、つやめいたうそ、まぼろし、そのたぐいの、
ほんとう
サルエル、
ゆきどけのしゅんかんを、
どうかわらって、





自由詩 サルエル Copyright aidanico 2008-12-04 22:00:06
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