そこに風があった
葉を揺らし
湖を渡っていた
やがて街へ
そして自分へ

そこに風があった
花に触れて
川を横切った
やがて海へ
そして彼方へ

一瞬の風は
また一瞬の風へと ....
ゴール線上の彼女は
くるくると回って
派手な音を立てて無様に転ぶ
すぐに起き上がろうとしない彼女を見て
手を差し伸べるけれど
その手を素直に受け入れない彼女は
ゴール線上の

十歩進ん ....
の中で、
けたたましく太陽の
鳴る
音で、水は光で、
どこまで行ったって空で、
光で、


カンカンカンカン


の中で、
どこまでいったって水で、
吹き荒ぶ光
帆は
な ....
 
横たわれライオン
お前は長く走りすぎた
渇ききれないお前が
瞳に写すのは
限りない緑と
求めていたはずの
青だろうなあ
 
次第に灰色になるお前を
私は少しだけ強く覆うよ
まだ腐らないお前を、
  ....
ケトル・
薬缶をコンロの火にかけている
台所には西日がさしこんで
それは雲と雲のあいまに
ほんのわずかのすきまがあって
そこから覗いたもので
束の間ってやつ
台風は過ぎていったようで
 ....
低く垂れ込めた
嵐の雲のなかへ
灰緑色の階段が続き
海は大きなちからに
踏みしめられるように
しろく崩れながら
膨らんでは混じり合い海岸線を削ってゆく

風はいっそう強くなり
雨と潮 ....
青の世界
かたつむりの願いは
「みんな死ね。」
イコール永遠

雨の日
学校の帰り道は
湧き上がる哀しみに
気をつけろ

濡れた制服のにおい
興奮して自慰
じいいいっと凝視
 ....
濡れた緑で
夜空を見上げる
数秒後にこの星空が崩れてくるのを知っている
そんな目で
おまえは言う

なんて きれい

薄い唇は街の光を捉えて
俺はその前に沈黙して ....
地球がゆれる
人間をふりおとしたいんだって
たぶん
 
きみが火星にとんで
あたしが木星にとんで
 
フォルダみたいに
分かれていく
 
単体は寂しい
 
--
 今日はまだ ....
 
 
あなさびし、
って
三十回言うと
幸せになれるらしいよ
 
酷く輝いた瞳で言う君に
一抹の不安を抱えた僕は
言わなくていいよ

少年のように返した
 
別に言っても ....
街角ゆれてる喫茶店
懐かしい匂いだ
君のいた場所
君といた場所

水玉模様の空綺麗だ
水たまりのふち
想い描いた
君の姿も綺麗だった

スカートの色、君の色
僕は夢中で探している ....
極端に淀む視界の端に映った灰色ブラインド
希望の青 侵食されて
 
重くのしかかったそれ
全身で受け止めて
人間スクラップス
今日も頭痛が酷い
 
 
微かな音で始まった雨粒オーケス ....
 
0と1の狭間
どこかでなにかが
死に絶え
 
 
まるで、
世界人工計画が
行われている、ようで
 
 
淀んだ水たまりに
朧気に映る世界は
淋しさを映し出し
 
  ....
鯉が吊るされた
教会の屋根に
虹は鱗を落とす
七色ではなく十二色の
クレヨンじみた

ツタはいつまでも
少女を縛り付けて
泡を吹いた口から
鯉が生まれるので吊るされる

正常な幽 ....
忘れていたけど
たしかに私は
風といつも一緒だった

ベランダにて
日曜日の5時
赤はいつも傍に。
したたれおちる孤独

回送バスは
夕暮の強姦に抵抗もせず
さびれた街に
裸体 ....
足りないものが多すぎて
失くしたものが多すぎて
僕には分からないんだ








急に空が晴れて
そう思ったら曇って
変な天気が続いているよ
 ....
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない 


ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
雨が降る

傘をさす

そのときだけは

携帯をさわらないで

ひとりごとを

熟成させていた


接待でつかれたからだ

ぎこちないあしどりで

曳いてゆくわたした ....
吐いた者(吐瀉物)が復び街を闊歩しています 優しさの対義語は不優しさです 憎んでいます 空っぽの空から降って来るのは橙色のお月様です 欠片が見えます あの何もない部分は食べられてしまった部分です 残り .... 一度しか逢えないなら
失くしてしまったって一緒だ


視線を外すと
こんなにもぼやけてしまう世界で

二人で夜を歩くとき
星屑の欠片を拾い集めては
ブリキの缶詰にしまっておいた

 ....
つきを
見上げるための、その装置を
湖底にそっと、
眠らせて

ノスタルジアが、いま、
宝石に
なる、



 王冠は
 燃え盛ろうとする、あの
 いつわりの技巧
 ....


その女の子は
押し入れを
殊の外おそれていたそうです

戸を開けるときの音が
怪物の唸り声に聞こえると
そう言って
決して自分からは
押し入れに近付こうともしませんでした
 ....
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
「君は必要です」
上司から言われたその言葉に
自分が認められた気分になり
その後は毎日のように
仕事をこなしている
カップラーメンを食べながら
いくつもの書類に目を通し
会社メールと携帯 ....
驕りたかぶって 眠られぬ夜も
うちしおれて あるく雨の朝も
すぐに 遠くへ過ぎて
もう少し もう少しで
死を 語りおえる
 
バスに乗る
名前だけが剥がれていく
何かの間違い、というより
むしろ略式でも正しいことであるかのように
良かった、わたしたちは
バスに乗られることがなくて

席に座り
バスの一番 ....
黒い布で顔を覆い隠した女が
まるみをおびた重いはらをかばいながら
前から、後ろから早足で通り過ぎる人々に
おびえるような足取りで市場を歩いている
ときおり女の腰のあたりにぶつかっては
”ベバ ....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。

装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
 ....
通り雨を
息継ぎしながら
ぼくたちは急いでいた

離れることを
急いでいた


 手のなかの熱は
 次から次へ
 一秒後

 つよくなろう、と
 {ルビ翳=かげ}りをひそ ....
仕事を終え

パソコンを終了すると

そこには何も無かった

テラテラと光る黒い画面の中に

僕の顔がただ映ってた

三十歳を過ぎた僕がいた

白黒割り切れない僕がいた

 ....
山中 烏流さんのおすすめリスト(1126)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そこに風があった- ぽえむ君自由詩10*07-7-16
創書日和「星」- 虹村 凌自由詩3*07-7-16
落下母- 石田 圭 ...自由詩2007-7-16
雷雨- 仲本いす ...自由詩807-7-15
ケトルか薬缶か- 水町綜助自由詩707-7-15
七里ヶ浜にて- 銀猫自由詩25*07-7-15
あめうた- ゆうさく自由詩3*07-7-15
賛美歌- 水在らあ ...自由詩31*07-7-15
弧星- 倉持 雛自由詩8*07-7-15
"あなさびし"- ゆるこ自由詩20*07-7-15
水たまりに映る景色- アラモー ...自由詩307-7-15
- にん げ ...自由詩1007-7-15
イットノウズ- 瑛治自由詩407-7-15
祈るだろう、目を閉じたら、- ふるる自由詩1307-7-14
孤独な夕暮れ- ゆうさく自由詩5*07-7-14
欠落- おるふぇ自由詩607-7-14
ウィリー、ウィリー、きみの名は、- 望月 ゆ ...自由詩44*07-7-14
傘をひらいて- 吉岡ペペ ...自由詩607-7-14
循環小数(endless)- ピッピ自由詩807-7-14
創書日和「星」__万華鏡- 士狼(銀)自由詩1107-7-13
シークレットブルー- 千波 一 ...自由詩18*07-7-13
いなくなった子供らの話- 吉田ぐん ...自由詩1307-7-13
終日_(ひねもす)- こしごえ自由詩21*07-7-13
君は必要です- ぽえむ君自由詩7*07-7-12
そろもん(老境の話)- みつべえ自由詩207-7-12
ひきつづき- たもつ自由詩1807-7-12
石榴- ワタナベ自由詩807-7-12
包まれる夏の風景___デッサン- 前田ふむ ...自由詩33*07-7-11
飴細工- 千波 一 ...自由詩21*07-7-11
僕がいた。- もののあ ...自由詩20*07-7-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38