夏の朝
白いテラスで
ラジオが唸ってる

はるか頭上の風は
あまり動いてない
雲も眠ってる
テーブルクロスも

キッチンから
また君がドーナツを揚げる音と匂い
揚げたては好きだけ ....
あの夏のサナギの記憶はありますか
(ランドセルに隠した羽根の罪)




「人生が退屈なんだ」とつぶやいた
僕を殴るように 夏が 夏が 




しましまの正義を装填した銃を抱 ....
あさ
ゆうやけ色のやさいたちを
こわしてゆくときに
ふと香る 昨夜の
ねむりにおちてゆく、
やわらかい
眩暈



きょうはいつも きのうの続きだから
きのうの夜も
まくらにほ ....
マーミー
悲しい詩を詠ってはいけない

高原に咲く白い花が
ときおりふくかすかな風にゆられて
りんと鳴るその音のように
僕たちが幸せについてささやきあうとき
高原からのびあがって
どこ ....
11

ジャングルジムの上で
傘の脱皮を手伝う

またやってくる
次、のために

海水浴の帰り道
人の肌が一様に湿っている



12

ピアノを弾くと
鍵盤がしっとり ....
駅前の
タクシー( たおれたアイスの棒が
 赤い花 赤い花 赤い花  ↓「こんばんは」
セーラー
服( 明後日には蟻に食べられる

星空がきれいだと
糸のきれた ( 月 月  ....
 (愛、

  愛っていうんだね)




 もしもわたしが
 翼のない鳥に
 生まれていたら

 いろんな悲しみを
 もっと上手に
 愛せたかしら



  ....
フラットしたまま
夕暮れていく
音楽室からは
いつも
音のない
演奏会

放課後に
わたしたちは
どうしようも
ないほどに
透明で
同時に
不器用な
温度で
つま弾いてい ....
チャイムまでゆっくり刻め次の一秒 
  授業の合間ふたりだけの輪・・・kaz

時の音に掻かれた誰かの声がして 
  指で秒針すすめて笑う・・・issey
  
  数学より ....
さわらして、

言った
しずかな午後がふる
街角の
記憶

つまさきから
うまれてはいけない、

たゆたう
あなたの声が
流線型になる
夕方
のこと

目をさ ....
                   07/07/19




植物と動物との違いを言いなさい
突然、脳内細胞が切れたような声がして
振り向くと生物の先生が切れた顔をする
中間テスト範 ....
ただ甘いだけではなくて
程よい酸味を含んでいる

その醸し出す香は
遠い世界の片隅にいる
気難しい風をも誘い出す

その姿に魅せられたものは
彼女を手に持ち上げる


しかし、摘 ....
愛と勇気だけが友達のへっぽこ侍ワタナベのお送りするひとりランダム100人斬りのコーナー
まー侍っつってもさぁ いろいろあるやん? 将来の不安とか 年金もらえねーかもしんねーし
だるめでいくで  ....
小さく折れ曲がり
玉蜀黍畑にうずくまる
光と共に、空から
夥しく剥がれ落ちる玉蜀黍の葉の
激しい葉脈を見上げる


光、
青、深緑、
夏、
という、灼熱
 ....
故郷へ訪れようと想像すると
胸の中の世界の海底に沈み込む
思い出したくない傷付きたくない
忘却したいという
自己防衛機能が働いるのかもしれない
此処へ移り住んだ時には
希望と夢でいっぱいだ ....
幼稚園児だった頃に
頭を冷やして来いと言われて
アパートから追い出された
夜の螺旋階段
切れそうもない重い光の蛍光灯
ガンプラがあったら何も怖くはなかった

アディオス

苦労自慢に ....
・・



「プロローグ・夏」


風が吹く渚できみと見たものは プロローグ「夏」シャインドリーム

楽園と示す標は傾いて君へとむかう(アイタイキモチ)

駆け抜けろ渚通りは ....
手のなかに
ことばを握ることがあったね

あるはずもない質量に
身を任せてしまうことが
あったよね


どんなこころ模様にも
ときは流れてゆくものだから
いつか
わた ....
その瞳の奥に、死神がいる

パンを食べたくて、死神がいる
水を描こうとすると
モチーフがうまくつかめない
ただただ手を濡らすだけで
画用紙は白いままだった
だから僕は画用紙を水に浸して
水を描いた

コップの中の水の
揺らめき
覗いてみたら ....
これから向かう家庭教師先の
国語のテキストを
電車の中で読んでいた

その内容はあまりにも悲しかった

戦争で両親を失い
家もなく食べるものも満足いかない
それでも生きようとする
子 ....
「序詞」

ゆりかごの中で
小さな戦があった

理不尽な理由とプラントが
長い海岸線を覆いつくした

けたたましくサイレンが鳴り響き

その海から人は
眠りにつくだろう
 
 ....
まあるい泡を
ぷくりと吐いて
そっと寝床を抜け出す
水の流れは
暗いぶん少し冷たい
おびれとむなびれ
ぷるぷる舞わし
水草の間から
夜の空を見上げた

真昼の水面を
きらきら照ら ....
玄関のチャイムが鳴ったので
仕方なく立ち上がろうとしたら
背中の上に
重たい鳥が
止まっていた

「どいてくれますか?」
黄色の羽根を
ぱたり、と閉じて
ずん、と居座る
「私は止ま ....
胸騒ぎがするので
メリークリスマスと
小さな声でつぶやいてみた

すると
それが合図だったかのように
リンゴが枝から落ちる

落ちたら
すぐに
腐ってしまう
それはいつものこと
 ....
?.

七百七十六番目の天使が
翼をなくした
俺は 黙っていた
言葉は全て 汚れているから
俺は 黙っていた
あと十秒



?.

六百六十五番目の悪魔 ....
明日、隕石が落ちてきたら、
即死か、
パラサイト隕石なら金持ちになって、

///

昭和48年11月17日が俺の誕生日だ。
だから、今年で34だ。
今は33、来年は35、
でも時間 ....
テレビをつけると 
瓦礫の山から掘り出され 
額に血を流した中年の女が 
担架から扉を開けた救急車へ 
運び込まれていた 

その夜 
テレビの消えた部屋で 
歯を磨き終えたぼくは 
 ....
猫パンチおいしゅうございました
カンガルーキックすこぶる上品な角度で入りました
内臓お痛めになりませんでしたか?

ああ、おいたわしゅうございますね

花火、口の中 ....
「フラノ」というレストランで
イタリア料理を食べてから
私は回想バスに乗り
帰るべき家をさがす旅に出た

バスが「いのちの相談センター前」を通過するとき
入口に行列ができているのが見える
 ....
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