すべてのおすすめ
1
真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
二十歳の黒髪のような、
ブルックリン橋から、曙橋を繋ぐ空が、
未踏の朝焼けを浴びてから、
青く剥落して、雨は降ることを拒絶した。
とりどりの青さを、さらに青く波打って、
空は、傘を持たずに、 ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。
冬の呼吸 ....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。
装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
....
毒薬のような願望を散りばめた、
陰茎の夕暮れが、
いちじく色の電灯のなかで燃え尽きると、
ようやく、わたしの夜が訪れる。
静寂をうたう障子は、わたしのふるえる呼気で、
固く閉ざしてある。 ....
換気扇が、軋んだ音を降らす。
両親たちが、長い臨床実験をへて、
飼い育てた文明という虫が、頭の芯を食い破るようで、
痛みにふるえる。
今夜も、汚れた手の切れ端を、掬ってきた、
うつろな眼で、 ....
1
逆光の眼に飛んでくる鳥を、
白い壁のなかに閉じ込めて、
朝食は、きょうも新しい家族を創造した。
晴れた日は、穏やかな口元をしているので、
なみなみと注がれた貯水池を、
....
夜のアゲハ蝶の行き先は、決まって、
忘れられた夢のなかの王国の紫色の書架がもえている、
焼却炉のなかを通る。
くぐりぬけて、
グローバル・スタンダードのみずが曳航する午後、
雨の遊園地で、イ ....
山中 烏流さんの前田ふむふむさんおすすめリスト
(8)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
花について三つの断章
-
前田ふむ ...
自由詩
25*
07-10-1
夕暮れの光景の彼方から
-
前田ふむ ...
自由詩
18*
07-9-14
感傷的な夏より—連弾する午後の夢
-
前田ふむ ...
自由詩
33*
07-7-26
包まれる夏の風景___デッサン
-
前田ふむ ...
自由詩
33*
07-7-11
停泊する夏
-
前田ふむ ...
自由詩
23*
07-6-29
あまのがわ
-
前田ふむ ...
自由詩
34*
07-6-16
静かな氾濫をこえて—四つの断章___デッサン
-
前田ふむ ...
自由詩
29*
07-5-8
落丁した夏
-
前田ふむ ...
自由詩
28*
07-4-27
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する