すべてのおすすめ
空っぽのランドセルに
かなしみをカタコト鳴らしながら
工事現場は夕暮れの渦につつまれる
瞳が裂けた子をひとり
ひかりの膜にとり戻す
想像上の友だちは
会いたい気持ちを反故にさ ....
雨は涙ににていてね
いつかこぼれるものなのよ
どんより空を見てごらん
うるむ瞳にみえるでしょ
雨は涙ににていてね
とまらなくなるものなのよ
空がわんわん泣くのなら
今はいっし ....
吾輩は猫ニャンである
親分が
まだ目も開いていにゃい
吾輩を拾ってくれたのである
親分の手のひらよりも
まだ小さかった頃
もうすでに吾輩は
親分の枕で一緒に寝ておった
ある夜
....
つらいことを
乗り越えるために
欲をこころの糧にする
けれど 大事な物事は
一つでもあれば良い
こころの深い傷と共に
生きるね
この傷の深さは
いのちの深さと
つながっている ....
○「縄文杉の祈り」(改定)
別れた勢いでやって来た
縄文杉の朝もやの中で
私は愛の祈りをささげる
宮之浦岳を越え黒潮を越えて
都会に住む君に届けとばかりに
愛の祈りをささげる
....
電車に乗ろうとしたら
頭の先から尾ひれの先まで
すっかり人魚になっていて
人魚は乗れません、と
電車の人に断られてしまった
取引先には遅れる旨連絡をして
しばらくホームで待つことに ....
私は
自殺はしないよ
自殺はしなくても
どの道私は
死ねるんだから生きるよ
死ねるよろこび
生きられるよろこび
光る風に
戦(そよ)ぐ影
ひとつ
行雲流水、放てば満 ....
○「7月」
「おーい 皆さん 今日からもう7月ですよー!」
と叫びたくなった今朝
「これから どうすんの? どうしたいの?」と自問する
○「血圧は正直」
何かストレスがあると
血圧が上 ....
幸せ気分で抱き合えば
幸せが倍になる
どちらかがモヤモヤしていても
抱き合えば消えていく
幸せな状態へと回復する
二人の時間は大切
繋がりが深まっていく
好きな音楽を聴きなが ....
雨は降ったり止んだり降ったりで
四季のある国のひそかなもうひとつの季節
室内干しの洗濯物
取り込むまえに
ちゃんと乾いているだろうか、とさわってみる
乾いているようにみえても
繊維 ....
おりひめとひこぼし
地上が雨で見えないときこそ
ラッキーと思ってるはず
一年に一度しかあえないなんて
神さまひどいよ
七夕がいつも雨で
人目を気にせず会ってもらいたい
いやいや ....
○「信じる心」
信じる心が根づいていれば
何か問題が起きても
ガタガタしないし
悪い方へは考えない
すぐに人を責めるようにいうのは
信じる心が根づいていないからである
そういう人は
自 ....
会えなくても
本当の
友達は
ずっと
友達だ
私という
この魂という命が
私という
この肉体に宿っている
私たちはどの道別れる
得たと思うと同時に失う
と何度でも ....
一人でふたり分の荷物を整理する
なんて過酷で残酷な(笑)
やり始めるとやっぱり記憶に飲み込まれそうで
それでも時々、楽しくて
壁のシールを剥がせば そこだけ白くて
こ ....
○「正しさ」
学校時代は
正しさは一つと教わったが
正しさは
立場によって変わってくる
正しさは
状況によって変わってくる
正しさは
利害によって変わってくる
戦争になると
何が正 ....
善くも悪くも
人間は人間だ。
みにくさも きたならしさも
すてきさも うつくしさも
人間のそのもの
反面
教師と
思えばいい。
悪い人が
居たらね。
仕方無いから
....
雨
{引用=水}
に
針{引用=が} 蟻
革
の本
インク
{引用=は}
柔らか
{引用= 𝘪𝘵}{引用=+}
刻印
香料 ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ
えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく
えくぼ
笑 ....
我が家では
いただきますの後
ニャー と号く
あの日から
そうしてる
魚屋さんには夕陽がさす。それは、雨が降っ
ていても、モールの中でもかまわずに。その
匂いの中に ....
カメラを構え
しんと静まる
あの感じ
シャッターが切れる直前の
無限に近い感じ
出来上がる
誰にも見せられない
風景にしてしまった
取り返しのつかない
圧 ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
中学時代からの心友だったK君が
急に亡くなった
食道がん肺がん咽頭がんなどの
大病を乗り越えて
俺はがんでは死なない
と酔うと言っていた友が
肺炎で急に亡くなった
103歳のお母さんを一 ....
色褪たページは
枕辺のまぼろし
テーブルに伏せた夜のとばりを
そっと捲るように
形を感じさせぬ影は
ただそこにあり
幾重にも揺れるカーテンの奥で
かすかに濁すマドラス ....
都会の片隅に、にっこり
置いとかれたお地蔵さん
短い夢にからかわれ
ビルからまたビル渡り
錆びた引戸の奥で
さよならぽつり
きみはやわらかに抱きしめ
つつみながら
....
みてみて あの二の腕、ボンレスハムみたい
黒レースのアームカバーの上に お肉が乗ってるわ
しかもあの表情はなに? 彼氏のイケ・メンタロウ君に向かって、仏頂面
きぃぃ なんなのよ なん ....
いまとなれば
遠いおはなし
うすい膜のなか
半透明の階段をのぼる
(あしおともきこえない)
くうきの浸透圧で
うかぶ猫の蒼い眼が揺れる
水の音が、間隔をおいて、したた ....
あなたと目が合えば
照れてしまいすぐ赤らむ
見つめれば
何かが見えてくる
あなたの優しさが見える
何をしていても
心の何処かでは
あなたを感じている
毎日は逢えないければ
....
○「心友K君の思い出1」
何でも気軽に相談できる中学時代からの
心友K君が急に亡くなった
結核食道ガン肺ガン咽頭ガンなど数々の大病を乗り越えてきて
「俺はガンでは死なないよ」
と酔うと言 ....
夜
月明り
独り暮らしが始まっていた
絶望も希望も寝静まり
生活が一つ転がっている
朝
目が覚めて思う
生きていた
しかも快晴だ
何にもないので
布団を干した
....
波がそよいで
靴底に、沁みる
遠い水を{ルビ浚=さら}い
海が伝う。
{引用=あの日}
そっと {ルビ掬=すく}い
手の内にきえる
一瞬、少 ....
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