僕なんてもう

終わった人だろう

何を今更

めくじらを立てて

昔みたいに

話そうだなんて

いつも以上に

震える想いで

居直ったまま

俯い ....
くるみの内側を
走り続けていたよ
放物線を描いて
世界を広げようとしたよ
僕は
一人ではなかった
君の姿は、
見えなかったけど
くるみのにおいが
していたんだ
僕が目を覚ますときも ....
僕は
ウエハースを持って
屋上で月を見ている
ハイウェイを見下ろして
ウエハースだなんておもうよ
月に見とれていたけれど
鳥肌の立つ明け方に
うっすらさよならしていくよ
輪郭を、街は、 ....
夏の裏には
ドーナツ色の神様が転がっている
つきだす痛みは粒になってこぼれ、
いくつも束ねられた足音が、校舎の隅で鬼火になる
モルタル製の壁の隙間で、
待ち合わせが継続され、
薄青き者と薄 ....
ビルの虹彩にはアスピリンが打たれている
遠く銀の向こうで揺らめく
日差しの強い午後
近影は霞まずそこにある
街は熱を持ち伸縮を続ける

群れた家々の隙間で
赤い血液は想いを爆せる
道路 ....
ふと気づいたら
春が消えていることはないか
胸の中から
抜け落ちていることはないか
そして同時に
舞う人はいないか
真っ暗な舞台で
舞う人はいないか
桜色の花吹雪の中で
踊り狂う奴は ....
遠く
雲が広がっていた日の夜
街の夢を見た
夢の中で
亡霊のようなビル群は
薄く霞んでいた
雲の中で飽和状態になった雨が、
騒めきを連れてやって来そうな気配は、明け方、新聞配達員のバイク ....
君がめいっぱいタバコを吸って煙を吐いた
だけど、吐き出されたのは煙ではなく砂煙だった
僕は運動会でつむじ風が起きたときのことを思い出した
空は一瞬で濁って
口や目に砂が飛び込んできて、服の ....
もしも真夜中がこれ以上長かったら
私は姿を変えて
あの街の塀の陰へ急ぐだろう
深海の鯨の死骸のような、
黒塗りの木のそばで、
優しい月を見つめ、
静かな排気のバイクで、
蛍光する速度制限 ....
僕がいくら部屋に閉じこもって
この部屋の空気を濁したって
窓を開けた先の空気は澄んでいる
そういうものだよね
いくら夏の砂つぶを挟んだままのサンダルを
玄関に置いていたって
誰も僕を連れ出 ....
雨の中
透明な傘をさした人が
聖書を持って列をつくっている
黒い群れの中で
三方金の本は光っている
みんな口を閉じている

道路をはさんだ向こうのバス停で
青年が一人、列が動くのを見て ....
剥き身のコンセント・コードから
銅線が見えている
君のプラン・Aが
ショートしてる
あの
廊下あたり
焼けた
ゴムの匂いがする

声や恋が
焼けた場所
まだ残ってる
灰のような ....
裏山の防空壕の天井からは木の根がたくさん突き出ていた
入り口の高さは七十センチくらいで、湿っぽくて暗かった
近所のお爺さんから、近づいてはいけないと言われた
だけど、
小さかった僕らは友達三人 ....
寒気の中で鳴いている
冷静さなんていらない
出会ったばかりの赤腹と
交わした話

暗い土の部屋
蛍のランプ
一夜限りの輝きは
蛍光色の陰影

爪のない手に触れている
毛の無い体に ....
透明な風は心を揺らす
風鈴の鳴き声は自然体だ

古い硝子に透けた空が
波打つ海に似ていた

思わずあなたを呼びたくなるのは白い心のせいだ

晴れやかなそらが描かれている硝子に触れている ....
何もない真っ白な夢が舟を作る
霧が行く手を塞ぐ

遠くに歌声?
叫び?
笛の音にも聞こえる。
朝靄に船を出す

雨はしたたかに心を濡らす
メチャクチャなピアノ

不安定に舟は揺れ ....
ガラス細工の街
繁華街
田舎を遮る踏切

小さなレンズ、万華鏡
ずるいから見てたそんなもの
だから歩いた車道脇

狭い中にもちゃんとあった
煌めくような水々しさがちゃんとありました先 ....
絡まったままほどけない幸せを
アスファルトに埋めたまま夏がきます

最高気温が湯気になる夕方に
風鈴は燃えあがる
生まれたばかりの炉の中で
輝いている命を
そんなふうな形に変えた
あぁ ....
一度だけ 今
悲しくなりそう
遠い日の出来事は
影に住んでいる

小さな頃にあふれてたこと
今更この目に映ってる

足元の木漏れ日は
万華鏡よりも輝いて
僕を励ましてくれる

 ....
煌めくものも 夜の海も
涙に包まれて消えていく

朝焼けの岬も 発つ船も
そこにうつっていた

遠い空も海も
一つすくえば君の色

優しく吹く愛しさが
胸に広がって止まらない
 ....
管だらけになって
生命維持装置をつけられて
何も言えなくなって
何も聞こえなくなって
なんともおもわなくなる
それが生きるということ
カバーガラスの風が吹いて
舌の先で飴は鋭く溶けて

バラバラ落ちて
切り裂く視線がカーテンの隙間からおくられる

夏だるまが溶けて
部屋は口を閉じて

ひかれた猫も車の標識も覆われて ....
悲しい気持ちの帰り道
疲れた歌のサビのとこ
あなたに言われたようだった

小さくなってしまったと
遠くの夕陽が歌ってる

爪のあいだの蜜柑のかけらが
沈みかけてる太陽みたい

八百 ....
今日も窓辺にやってくる
懐かしいあの人
雨は今も僕の恋人
悲しい音の持ち主

五月雨は憂鬱
それ以上泣かないで
五月晴れは恋しい
君よどこへ行った

梅雨の長引く六月の花嫁

 ....
花のように生きることが夢だったのに
こんなに老いてしまった

何もかも失くした私には
魔法が残った
沢山の花を枯らせる魔法
心に咲くどんな花も
枯らせてしまう

私は魔女ねと
窓辺 ....
弱虫の夜明けはまだ来ない
弱虫の夜明けはまだ遠い

優しい話をしておくれ
悲しい話しは運べない
嬉しい話をして欲しい
愛しい人がしておくれ

俺はきっと
いつまでも
弱虫のまま
 ....
水面に月が揺れている

岸の見えない
海の真ん中
それは誰にも見つからない

布製の光が
波の上を滑るように航海する
誰にも掬えない航路を行く

あの人の
おさげ髪が懐かしい
 ....
原因不明の
高熱の真昼に
ビーチサンダルの真似事

灼熱の砂浜を
踏みつけながら
彼女に伝える
夏の終息

沖へ行った
片方だけ
流されていった
さようなら

ビーチサンダ ....
憧れは
雪にとけている
朝に降っている
布団のなかで
熱を持っている

美しい憧れに
忘れられたくない
だから秘密で
いくつも言葉を並べてる

憧れは夢に住んでいる
憧れは君が ....
野良猫から
一粒の
種を貰った
二年の時

窓辺の席
淡く芽生えた恋心

誰かを好きになったら
分からず屋で
気まぐれな
花が咲く

野良猫は
生まれる前に
母猫から聞い ....
うみこ(45)
タイトル カテゴリ Point 日付
帝王学自由詩123/6/3 6:26
くるみ自由詩517/7/16 1:32
緞帳自由詩8*17/2/2 15:10
自由詩2*17/1/30 5:00
心拍自由詩8*17/1/25 2:44
プリズム自由詩4*17/1/19 23:41
街の夢自由詩4*17/1/9 23:47
灯台自由詩5*16/11/20 3:08
夜ばかり自由詩3*16/9/26 7:54
十代の腐臭自由詩3*16/3/27 2:20
the church自由詩4*16/3/15 23:55
遠雷自由詩5*16/3/1 23:41
cocoon自由詩7*16/1/12 13:10
蛍光コオロギ自由詩4*14/6/4 1:59
風硝子自由詩4*14/5/30 2:16
処女航海自由詩8*14/4/9 5:55
自由詩4*14/4/7 7:31
汗ばんだ帰り道自由詩5*14/4/2 4:31
夏休みの友達自由詩5*14/3/23 10:43
港町にて自由詩5*14/3/12 20:17
生きるということ自由詩3+*14/2/17 20:57
暴風雪自由詩2*14/2/15 2:15
みかん自由詩6*14/1/30 2:21
雨の恋人自由詩5*14/1/11 0:04
魔女の苦しみ自由詩6*13/12/29 14:09
弱虫の夜明け自由詩4*13/12/28 10:02
光造船自由詩4*13/12/26 8:22
ビーチサンダル自由詩6*13/12/22 7:15
ラブレター自由詩6*13/12/14 2:05
分からず屋自由詩2*13/12/10 4:00

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