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古書肆 新月堂 (創作系)スレッドオペレーター:佐々宝砂
著作権切れの詩を載せるスレです。
著作権上の問題がありますので、掟は厳密に守って下さい。
暗黙のルールではなく明文化されたルールです。
著作権上の違反を見つけたら警告なしで即刻削除します。
著作権に関するルールは青空文庫に準拠します。

青空文庫に掲載されているものはダメだとゆーことにしてましたが、
あまり意味ないルールのような気がしてきたので、
青空文庫に掲載されているものでもよしとします。
(上記三行2007.2/10追記)

青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/

著作権が消滅した作家一覧(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/siryo1.html

*** 新月堂の掟 ***

1.著作権切れを確認すること。
2.作者・翻訳者・引用元を明記のこと。(不明な場合は不明と書く)
3.なるべく自分でタイピングすること。
4.著作権に関する詳しいことは青空文庫をみてくれ。
5.感想つけるのは誰でも自由です。

*** その他諸注意 *** 

海外作品の場合、翻訳者の著作権が切れてないとダメです。
たとえば堀口大学の翻訳は著作権が切れてませんからダメ。

海外作品を投稿者本人が翻訳する場合、作者の著作権が切れていれば
投稿は自由です。(この項目、2004.11/28.3:25追記)

また、金子みすゞの詩は著作権切れの例外とします。
金子みすゞの詩を発掘した人にわずかなりとも貢献するためのルールです。
全文引用でない場合、「抄」「略」などと明記してください。
ふと思い出したフレーズは、なるべく「好きなフレーズ」スレに投稿しましょう。

厳密なことは言いませんが、旧かな作品はきちんと旧かなで書きましょう。
正字を使ってくれるともっとありがたいです。

感想は自由に書いていいですが、
どこからどこまでが作品で、どこから感想なのかわかりやすく。
感想だけを投稿する場合、「○○の感想」とかなんとか書いてください。
(2004.12/20追記)

過去ログがプロフ左に表示されるようになったので、
地味ィに復活させます。
(2007.8/3追記)

店主は古本屋の親父のよーにガンコですので、
投稿に文句をつける場合があります。


[6]佐々宝砂[2004 11/28 19:47]
三木露風『廃園』より代表作品。

***

「去りゆく五月の詩」

われは見る。
廃園の奥、
折ふしの音なき花の散りかひ。
風のあゆみ、
静かなる午後の光に、
去りゆく優しき五月のうしろかげを。

空の色やはらかに青みわたり
夢深き樹には啼く、空しき鳥。

あゝいま、園のうち
「追憶(おもひで)」は頭(かうべ)を垂れ、
かくてまたひそやかに涙すれども
かの「時」こそは
哀しきにほひのあとを過ぎて
甘きこゝろをゆすりゆすり
はやもわが楽しき住家(すみか)の
屋(おく)を出でゆく。

去りてゆく五月。
われは見る、汝(いまし)のうしろかげを。
地を匐(は)へるちいさき蟲のひかり
うち群るゝ蜜蜂のものうき唄
その光り、その唄の黄金色なく
日に咽(むせ)び夢みるなか……
あゝ、そが中に、去りゆく
美しき五月よ。

またもわが廃園の奥、
苔古れる池水の上、
その上に散り落つる鬱紺(うこん)の花、
わびしげに鬱紺の花、沈黙の層をつくり
日にうかびたゞよふほとり――

色青くきらめける蜻蛉(せいれい)ひとつ、
その瞳、ひたとただひたと瞻視(み)む。

ああ去りゆく五月よ、
われは見る汝(いまし)のうしろかげを。

今ははや色青き蜻蛉の瞳。
鬱紺の花。
「時」はゆく、真昼の水辺(すいへん)よりして――


***


「雨の歌」

静かなる心の上に
やわらかに落つるひゞき
雨の音こそはなつかしけれ。

つくづくと聴き入れば
雨のひゞき
そはさながら、白き額を寄せかけ
はづかしき彼の女(ひと)の泣くに似たり。

また幽かなる時
破れゆく悲しみ、
新たにふりそゞぐ時
溺ゝるうれひ。

われ、いとも恋しき園をあゆみ
ある日夢みし緑の木かげよ、
美しき薔薇(さうび)はなやみ、
径(こみち)は廃れ、
脆き涙にみちて
階段はくづされたり。

わが白き、若き、雨のひゞきよ、
いたましく希望(のぞみ)は濡れ
かゞやきは彼処に埋もれぬ!

ああ、さらにもまたふり濺(そそ)ぐ憂いのしらべ
きゝおれば切にも恋し、
夢のごと心の上に
泣き沈む夜の雨を……


***


「ふるさと」

ふるさとの
小野の木立に
笛の音の
うるむ月夜や。

少女子(おとめご)は
熱きこころに
そをば聞き
涙ながしき。

十年(ととせ)経ぬ
おなじ心に
君泣くや
母となりても


***


「林檎の樹のかげに」

林檎の樹陰に
われ、君を抱く。

日は静かに没しけり、
赤く赤く海の彼方へ。

胸ふるふ接吻の中に
をりからや、囀づる小鳥。

最終(いやはて)の別れの時、
啼きいづる小鳥――

今もまた涙ながらに
おもひいづる彼の日のわかれよ。


***
#引用元が不明です。なぜなら私が昔自分のノートに写したものだからです。
#すみません。おそらく筑摩書房版です。
 

[5]佐々宝砂[2004 11/28 19:41]
「閑情の賦」 陶淵明

清音を激して以てわれを感ぜしむ、
願わくは膝を接して以て言(ことば)を交えん、と。
自ら往(ゆ)いて以て誓いを結ばんと欲するも、
礼を冒すのあやまち為(た)るを懼(おそ)る。

鳳鳥を待って以て辞(ことば)を致さんとすれば、
他人のわれに先んぜんことを恐る。
意(おもい)惶惑(こうわく)して寧(やす)きこと靡(な)く、
魂 須臾(しゅゆ)にして九遷す。

願わくは衣(ころも)に在りては領(えり)と為り、
華首の余芳を承けん。
悲しいかな 羅襟の宵に離るれば、
秋夜の未だ央(つ)きざるを怨む。

願わくは裳(しょう)に在りては帯と為り、
窈窕(ようちょう)の繊身を束ねん。
嗟(なげ)かわしいかな、温涼の気を異にすれば、
或いは故きを脱ぎて新しきを服(き)るを。

願わくは莞(かん)に在りては席(むしろ)と為り、
弱体を三秋に安んぜん。
悲しいかな、文茵(ぶんいん)の代り御して、
年を経(ふ)るに方(あた)りて求められんことを。

願わくは糸に在りては履(くつ)と為り、
素足(そそく)に附きて以て周旋せん。
悲しいかな、行止の節有りて、
空しく床前に委棄せらるるを。

願う所は必ず違(たが)うを考(おも)えば、
徒らに契闊(けっかつ)して以て心を苦しむ。
情を労して而も訴うる罔(な)きを擁(いだ)きて、
歩して南林に容与す。
木蘭の遺露に栖(やす)み、
青松の余陰に翳(かく)れん。

もし行き行きてみること有らば、
欣びと懼れと中襟に交々(こもごも)ならん。
竟(つい)に寂寞として見(まみ)ゆること無く、
独り悁想して以て空しく尋ねん。

葉は燮燮(しょうしょう)として以て条(えだ)を去り、
気は凄凄(せいせい)として寒に就く。
日は影(ひかり)を負うて以て偕(とも)に没し、
月は媚(なま)めかしく雲端に景(ひか)る。

徒らに勤(くる)しみ思いて以て自ら悲しみ、
終(つい)に山に阻まれ河に滞る。
清風を迎えて以て累(わずら)いをしりぞけ、
弱志を帰波に寄せん。

蔓草の会を為すを尤(とが)めて、
邵南(しょうなん)の余歌を誦せん。
万慮を担(うちあ)けて以て誠を存し、
遙情を八遐(はっか)に憩わしめん。


(岩波文庫版『陶淵明全集』読み下し文から抜粋)
 

[4]クリ[2004 11/28 03:12]佐々宝砂
ミラボー橋
#ギョーム・アポリネール "Alcool"所載 /1913




ミラボー橋の下 流れるのはセーヌ
 そして僕たちの愛
また自分に言い聞かせなきゃならないのかな
「苦しみの後にはいつも喜びが来た」って

 夜のとばりを降ろせ 時の鐘を鳴らせ
 日々は過ぎればいい僕はここにいよう

手に手をとって
顔と顔を見合わせれば ほら
二人の腕で作った橋の下を過ぎていくのは
波に疲れた永遠の光景

 夜のとばりを降ろせ 時の鐘を鳴らせ
 日々は過ぎればいい僕はここにいよう

この水の流れのように 愛も過ぎ去る
愛は過ぎ去る
スローな人生を置き去りにするかのように
希望は残酷だとでも言うように

 夜のとばりを降ろせ 時の鐘を鳴らせ
 日々は過ぎればいい僕はここにいよう

幾日が過ぎ 幾週が過ぎても
過ぎ去った時間と
僕たちの愛は戻ることはない
ミラボー橋の下 流れるのはセーヌ



#拙訳です。作者の死後96年を経ているので、戦時加算を考慮しても自由翻訳が認められると思います。
#青空文庫のスタンスを踏襲しますが、佐々さんが「まずい」と思ったら随時削除して下さい。
 

[3]佐々宝砂[2004 11/28 00:20]
「和歌(うた)でない歌」より (中島敦)


 憐れみ讃ふるの歌

ぬばたまの宇宙の闇に一ところ明るきものあり人類の文化

玄々たる太沖(たいちゅう)の中に一ところ温かきものありこの地球(ほし)の上に

おしなべて暗昧(くら)きが中に燦然と人類の叡智光るたふとし

この地球(ほし)の人類(ひと)の文化の明るさよ背後(そがひ)の闇に浮出て美し

たとふれば鑛脈にひそむ琅玕(ろうかん)か愚昧の中に叡智光れる

幾萬年人(ひと)生(あ)れ継ぎて築きてしバベルの塔の崩れむ日はも

人間の夢も愛情(なさけ)も亡びなむこの地球(ほし)の運命(さだめ)かなしと思ふ

學問や藝術(たくみ)や叡智(ちゑ)や戀・愛情(なさけ)この美しきもの亡びむあはれ

いつか來む滅亡(ほろび)知れれば人間(ひと)の生命いや美しく生きむとするか

みづからの運命(さだめ)知りつゝなほ高く上らむとする人間(ひと)よ切なし

弱き蘆弱きがまゝに美しく伸びんとするを見れば切なしや

人類の滅亡(ほろび)の前に燦然と懼れはせねど哀しかりけり

しかすがになほ我はこの生を愛す喘息の夜の苦しかりとも

あるがまゝ醜きがまゝに人生を愛せむと思ふ他に途なし

我は知るゲエテ・プラトン惡しき世に美しき生命生きにけらずや

屹として霜柱踏みて思ふこと電光影裡如何に生きむぞ


***


 石とならまほしき夜の歌 八首
 
石となれ石は怖れも苦しみも憤(いか)りもなけむはや石となれ

我はもや石とならむず石となりて冷たき海を沈み行かばや

氷雨降り狐火燃えむ冬の夜にわれ石となる黒き小石に

眼瞑(と)づれば氷の上を風が吹く我は石となりて轉びて行くを

腐れたる魚(うを)のまなこは光なし石となる日を待ちて我がゐる

たまきはるいのち寂しく見つめけり冷たき星の上にわれはゐる

あな暗や冷たき風がゆるく吹く我は堕ち行くも隕石のごと

なめくぢか蛭のたぐひかぬばたまの夜の闇處(くらど)にうごめき哂(わら)ふ


***


 夢

何者か我に命じぬ割り切れぬ數を無限に割りつゞけよと

無限なる循環小數いでてきぬ割れども盡きず恐ろしきまで

無限なる空間を墮ちて行きにけり割り切れぬ數の呪を負ひて

我が聲に驚き覺めぬ冬の夜のネルの寐衣(ねまき)に汗のつめたさ

無限てふことの恐(かし)こさ夢さめてなほ暫(しま)らくを心慄へゐる

この夢は幼き時ゆいくたびかうなされし夢恐ろしき夢

今思(も)へば夢の中にてこの夢を馴染の夢と知れりし如し

ニイチェもかゝる夢見て思ひ得しかつツアラツストラが永劫囘歸

  *  *

むかしわれ翅をもぎける蟋蟀が夢に來りぬ人の言葉(くち)ききて

  *  *

何故(なにゆゑ)か生埋にされ叫べども喚けど呼べど人は來らず

叫べども人は來らず暗闇に足の方(かた)より腐り行く夢


  夢さめて再び寝られぬ時よめる歌

何處(どこ)やらに魚族奴等(いろくづめら)が涙する燻製にほふ夜半は乾きて



                 (筑摩書房版「中島敦全集」2巻より)
 

[2]佐々宝砂[2004 11/28 00:17]
>>1
引用元を書きましょう。それから、芥川龍之介とかきませう…
 

[1]汰介[2004 11/27 21:36]
失礼致しました、、、、



水洟や鼻の先だけ暮れ残る(芥川龍之介)

(これは、芥川が死ぬ間際に、祖母の枕元に置いた色紙ですね。)
1番目からこれかい、とよく考えりゃ目出度いのにしときゃ良かったですね、、、、

#ふと思いつきました。好きかどうかは微妙。と言うか、本人が書いた自分の似顔絵の方がインパクトあります
 

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