古書肆 新月堂[4]
2004 11/28 03:12
クリ

ミラボー橋
#ギョーム・アポリネール "Alcool"所載 /1913




ミラボー橋の下 流れるのはセーヌ
 そして僕たちの愛
また自分に言い聞かせなきゃならないのかな
「苦しみの後にはいつも喜びが来た」って

 夜のとばりを降ろせ 時の鐘を鳴らせ
 日々は過ぎればいい僕はここにいよう

手に手をとって
顔と顔を見合わせれば ほら
二人の腕で作った橋の下を過ぎていくのは
波に疲れた永遠の光景

 夜のとばりを降ろせ 時の鐘を鳴らせ
 日々は過ぎればいい僕はここにいよう

この水の流れのように 愛も過ぎ去る
愛は過ぎ去る
スローな人生を置き去りにするかのように
希望は残酷だとでも言うように

 夜のとばりを降ろせ 時の鐘を鳴らせ
 日々は過ぎればいい僕はここにいよう

幾日が過ぎ 幾週が過ぎても
過ぎ去った時間と
僕たちの愛は戻ることはない
ミラボー橋の下 流れるのはセーヌ



#拙訳です。作者の死後96年を経ているので、戦時加算を考慮しても自由翻訳が認められると思います。
#青空文庫のスタンスを踏襲しますが、佐々さんが「まずい」と思ったら随時削除して下さい。
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