すべてのおすすめ
デッキを叩きつける大粒の涙や嫉妬に狂った風、
幾度でも海に落ちる雷の眩しい光とけたたましい声が鳴り止まぬ
転覆するくらい傾いては揺りもどす破れた帆の船に乗った弱虫どもよ
今夜もセイレーンたちが舞 ....
disるか無視
そういう奴らに興味はねえ
全くわかっていない
自らの運のよさに胡坐をかいているだけの
能天気なマジョリティ
いわんやおれは
サイレントの無口なマイノリティ
隠されたマイノ ....
かなしくてないているのか
さびしくてないているのか
雲の切れ間に青空
風に小さな羽根をふるわせて
うれしくてないているのか
いとしくてないているのか
透きとおった雪が流れて
目の ....
{引用=進歩は昔話を撲滅する}
あんたの事は食わしちゃる
あたしが部屋で何しとるかは
詮索せんといて
覗きでもしたら出て行くきね
女房のオツーはそう言って襖を閉め
日がな何事か ....
シロツメクサに
私はなろう
遠い
異国のビードロを
木箱に
そっと包み込む
同胞たちの
笑顔のように
こわれてやまぬ
あなたの心
私は
そっと包み込む
花で
ある ....
おとのこどものおとこのこ
おとのなまえのおんなのこ
ぼくたち
m(us)icのなかにいるのさ
雪前は冬が温む
低気圧の湿気が降りて
虚の体積は収斂する
降る雪は音を引き上げる
積もる雪は世界を聾する
雪は聴力を催眠する
未明
耳を澄ます
動物として耳を澄ます
(1.意 ....
きみの憧れの中の
メアリー・カサットが微笑んで
わたしの心を揺れ動かす
マックス・クリンガーの追憶
その愛の違いは
晴れた日と
曇りの日の
日常を覆い尽くす大気の重さと似てい ....
部屋が寒いと悲しくなった。手紙を書こうと思い立った時から、何かに追い立てられている気がしていた。八月は遠ざかり、友達は消え、毎日が残った。残っていたものものはべたべたと路上にへばりつき、それでも坂道 ....
ゾウのすむ森
という名の運動場
いちばん小さいウタイは
頭を振っている
振り子みたいに夕暮れ時
歩いてやり過ごす二頭をよそに
空中に鼻をしならせ
耳朶で風を鳴らすよう
右に左に頭を振り ....
‐‐‐‐ 悪いゆめより その魚は生まれた
風は
葦原のなか
{ルビ老女=おうな}が こっくり
こっくり
囲炉裏に ゆれている
それは、川瀬の流れに ながされ ながされ
....
(創傷/創唱)
ことばが砂のようにサラサラ
つぶの気泡になって
おちてくるね
でも痛くない
痛いときはどうぞ
万能なぼうしをどうぞ
きずまみれにしないでね
いつかとけてゆくけれ ....
あの子は大人になってしまった
彼女は虹のたもとで
まだ
じょうろを握り締めている
***
鈍色のカーテンを引いて
人々は眠りについた ....
{引用=
閉ざされた
雪夜には
きまって本の中の
物語りへ
旅に出る
いつもそこには、
長い一本のレ‐ルが、
旅人の平衡を もとめ
走る
私は、一輪車の列車の
乗客
文字の ....
封筒の右端に犬小屋を建てました。
赤いペンキで塗りました。
そこで手紙を書きました。
とても短い鉛筆で。
さいしょに友達の名前を書きました。
つぎに夜のあいさつをしました。
あたらしい ....
1.ゆきんこちゃん
段ボールに書かれた 真っ赤に書かれたクレヨンの暖炉の炎には
ぱちぱちと
もえる友情が燃えていた
おともだちの ゆきんこちゃんは 五年生で
なふだにも ....
1
幸福はもう手垢まみれである
そしてもう二度と清潔にはなれない
2
幸福はあらゆる種類の人に弄ばれる
産声に弄ばれ初恋に弄ばれ健康に弄ばれる
見えよう ....
あなたには
笑わせたい 人は いますか
笑わせたいひと と
笑いあって いますか
笑わせたい はずなのに
泣かせては いませんか
笑いあった そのあとで
にじむ 涙の 話なら ....
n次元関数の座標軸の一端にしがみついて
グラフのn次曲線を眺めている視点から
三次元を眺めると歪んだ感情が広がる
感情という名の空間を認識しているのだが
座標軸に沿ってスライドして0へ
....
つるつるの
のっぺらぼうより
ささくれだった
心のほうが好きです
だって
何かが
引っかかりやすいから
という言葉を残して
その九十六年の生涯を
未だ全う中の
山本兵衛さん ....
雪の丘に
さびしさの吐息が あまりに
白いから
夜空の星を 一つだけ
拝借いたしました
忘却というそれを 手にすれば、
私の ちいさな家には、
いれものが みつからないの ....
{引用=
洗濯を終えたあとの洗濯槽に、頭をつっこんで
耳をすます
見えなくなったものを見に行くために
目を閉じる
という所作を、毎朝の日課にしている
庭で、貝殻が咲いている
耳に ....
体臭は毛布のようだ
男臭い布団はそれだけで暖かい
男にとっては逆だろう
遠い子宮の記憶を辿り
疲れた胎児は体を丸めて
全てを忘れて眠るのだろうか
女の体の匂いの中で
私には子宮より
....
前略 神社の境内のながい石畳の階段を歩いて きずきました
わたくし カドウ域フェチなのでございます
鳥はイキモノの可動域を知らせてくれる
「愛(う)い奴 もちと 近こうよれ」と おもうほ ....
まどのこちらで膨らむレース
とぎれなく ひたながく
ひかりでいっぱいにささくれた
哲い うすみどりの風がおしいるのは
それは祝福ですわと
すずめたちがけたたましく喉をまっすぐにする
色とり ....
・23:18
入れましたか、と聞こうとして
いつも手を伸ばしてしまう
爪の先から痛くなる
ひとから施された病だ
留められている
でかけたままの姿かたちで
感受性を ....
愛されたかったと
声にも出さず 紙にも書かず
降りしきる錯乱に耐え
笑い立つ秩序を嘲り
愛という概念だけを知り
愛という無に向かって超越を繰り返した
生まれてからずっと孤独だったと
冷た ....
{引用=
冷たい
雨がふりだした
雨宿りする安らぎの軒は、どこにもなかった
若いものは 走りだし
きた道をもどり始める にぎやかな娘たちも
年老いたものは 天をあおぎ
荷を背負っ ....
僕には心がないのです、この充実ですか、これは何か砂糖菓子のような余分なものでしかないのです、ただ甘いだけでそこで閉じてしまいます、あなたはそんなに死にたいのですか、死にたいと言いたくて、死にたいと口に ....
太郎さん
紛らわしいぢやありませんか
太陽の「とう」と云えば
♪こおんにちわぁ〜こぉんにちわぁ〜っ
世界の国ではあの梅原画伯と同じく
「こらぁルノワールとセザンヌの折衷だべやー」
何の ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15