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‐‐‐‐ 悪いゆめより その魚は生まれた
風は
葦原のなか
{ルビ老女=おうな}が こっくり
こっくり
囲炉裏に ゆれている
それは、川瀬の流れに ながされ ながされ
....
{引用=
閉ざされた
雪夜には
きまって本の中の
物語りへ
旅に出る
いつもそこには、
長い一本のレ‐ルが、
旅人の平衡を もとめ
走る
私は、一輪車の列車の
乗客
文字の ....
雪の丘に
さびしさの吐息が あまりに
白いから
夜空の星を 一つだけ
拝借いたしました
忘却というそれを 手にすれば、
私の ちいさな家には、
いれものが みつからないの ....
{引用=
冷たい
雨がふりだした
雨宿りする安らぎの軒は、どこにもなかった
若いものは 走りだし
きた道をもどり始める にぎやかな娘たちも
年老いたものは 天をあおぎ
荷を背負っ ....
{引用=
いつか どこかで
すれ違った
小さな縁
糸を手繰り寄せられ、
髪を結い
黴のにおいの
黒い衣を身にまとう
行き場を失った 御霊が
森を 来世を
彷徨って ....