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羽根がついていたのにもぎ取った男
それが羽根だと知らずに捨てた老婆
折角拾ったのに羽根の付け方がわからなかった少年
それを観察して絵に描いた少女
絵から羽根を取り出した老人
その羽根をつけて ....
テレビなどを見ていると
むかし憧れていたアイドルたちが、みんな
おじさんやおばさんになっているのにビックリする
そりゃあ、僕らも歳をとるわけだ
で、最近、酸っぱいものが無性に食べたくな ....
ネオンと雑踏と台風とをまとめきれない街、そしてその旨。わからないから遠いんだよ。眠るようにするりと受け付ければ「飛ばされちゃおうか」とか軽やかにニア・ヒア。海沿の錆び方をした集合住宅、写真の中にいる気 .... 学生時代に旅した外国で
たくさん手紙を書いた
両親や兄弟や友人へ

砂漠に近い
ひどく乾燥した扇状地の街
ボロっちいホテルの一室で
二度とはき出せないような
甘い寂しさの詰まった手紙を ....
もうこんな窮屈なブラックホールでの生活は嫌だ
と彼は言った
しかし私の手のひらの上にも
本箱の中にも
ブラックホールなどなかった

どうやら彼の言っているのは
ただの黒い穴のことのようだ ....
今があり
なにもないから
安心して息をしていた
なにもないはずなのに
車が走ってきた
人が乗って居る
慌てて撃ち殺そうとしたが
武器がない
殺さなければならないものが
目の前を通 ....
私が寝ているあいだに
野萱草が咲いていた

百合の花を思わす
オレンジの花びらが
周囲をぱっと照らしている





------------------------
野萱 ....
午後3時に建物の外に出ると
ひとっこひとりいなかった
というのは冗談で
こんな大雨なのに
腕を組んでいる二人組がそこら中にいる

かくいうあたしだって
日付が変わるころに
お酒に飲まれ ....
GOD!
Rainy Blue Daisy "Clearly Clearly?"

昨日、彼ら、
ナポレオンフィッシュの群れは、20世紀の、雨、に溶けてしまったから
 ....
パレードがいってしまう
オープンカーがいってしまう
紙吹雪がいってしまう
にぎやかな楽隊が
歓声がいってしまう
   
パレードに手を振った
誰かが
こちらに手を振った
私が手を振る ....
駅前で
ギターで歌い続ける少年の
声を誰も覚えていない
ギターの音色が日付を越える頃
繰り返している月のかたちを
誰も答えられない
すっかり冷えきった自動車の
エンジンをそっとかける
 ....
少年は
旅に出た

真っ白なノートを
一冊持って

そのノートに
この世のすべての言葉を

すべての意味を
書くために

街には
言葉が溢れていた

朝には朝の
 ....
辞書は本当は辞書になんか
なりたくなかったんだよ
本当は絵本になりたかったのさ

だから、辞書は本棚で寝ている間
書かれているすべての文字を
手荷物預かり所に預けて
夢の中で
 ....
午前3時33分33秒になったら
こっそりと本棚から
辞書を取り出してごらん
 
99頁と100頁の間に
もう1頁できていて
そこにはとても大切なことが
書いてあるから
 
で ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
ひとつが
どこまでもひとつに感じられ
ふたつが
どこまでも数え切れなく感じられる
街が街を過ぎるような
水のような音の時間を
子は歩む
子は沈む



千の手の波
 ....
たぬきにばけたきつねが

きつねにばけたたぬきが

おたがいのさとにまぎれこんで

すぱいのやくめをはたしてました

たぬきときつねは

なかがわるいので

あいてのよわみ ....
わたしの彼方への文体は
うにゃうにゃした粘りを
まだ失ってなくて
少しだけ
安心する

生きていく
蛇足の波長で
くずれた思い
その燃えくすぶれる
硝煙を
つかまえている

 ....
もしもあのころのスタイルに
戻れるとでも言うのなら
悪魔にだって魂を売るつもりなのに
わたしの汚れた魂なんかいらないらしく
悪魔もわたしを助けようとなんかしない

がまんすればするほど
 ....
よる寝ていたら
彼が帰ってきて
ひどく酔っていて
わたしは体を起こした
そしたら女の声がして
女もひどく酔っていて
大きな声を出してる
「もう帰れないんだし泊めてよ」
髪の長い
白っ ....
逮捕されたそのオトコには
十億円の借金があったそうだ
四十年のジンセイで
どうやったらその借金が出来上がるのか
そしてそのオトコの数年は
十億円の価値のある
ものだったのか
それとも
 ....
雨は降りそそぐでしょう禁じられても
大地は受け止めるでしょう嘲られても

たとえ何億回囁かれたとて
愛は愛でございますとも
たとえ道端で売られていてさえ
人は人でございますとも

あた ....
冬は太陽が低くて
オープンキッチンのカウンターは
暖まっていて

太陽から連なる
六角の連凧が
ブラインド越しに差し込んでいて
左目を射抜かれてしまう



カップの中のアー ....
晴れた空は、あまりに眩しくきれいだ

幼い頃、一番欲しいものはなあに?と問われて
そら とは答えられず
むきかごーぶつ と答えた
(空は大きすぎて僕のおもちゃ箱には入らないとわかっていたから ....
  



 激しい足からなる二つの牛の角を
 燃えるひとすじの流れに委ねて
 速度を増す赤が増していくところ
 何層にもうねった漆黒の木々の幹に
 水色の肺が生まれる
 暗くともっ ....
                  「メリーゴーラウンド」 10


  メリーゴーラウンド


ようくんが死んでしまう夢を
わたし なんど見ただろう
そうやって
ようくんの命を ....
暗闇の中の大きな木
紫色の花がぼんやりと咲く

濃い緑と紫の混ざった匂いの下
わたしは靄のかかった月を見上げる

これはぜんぶ
いまわたしだけ
夢の中で道に迷うと目覚めなくなるって本当?
って彼女が訊くので
ルルルと笑ってごまかした

蓋し彼女の顔に見覚えがあるのは確かだ
しかし果たしてそれが
そうです

シスチンとシスチ ....
夕べのにおい
外灯のにおい
壁の裏側に眠る怪物
屋根の向こうにそびえる火を追い
刈り込まれた生け垣の葉をとばす



一筆書きの街から街へ
人のような虹が駆けてゆく
うろ ....
木葉 揺さんの自由詩おすすめリスト(1102)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
連鎖- 桜 葉一自由詩204-10-13
泡日- たもつ自由詩1004-10-13
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自動車- あおば自由詩3*04-10-9
ユリの花- あおば自由詩1*04-10-9
左半身の濡れかた- 吉原 麻自由詩7*04-10-9
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パレード- umineko自由詩604-10-9
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辞書をめぐるお話_第2話- たもつ自由詩1404-10-8
辞書をめぐるお話_第1話- たもつ自由詩15*04-10-8
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
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ダイエット- チアーヌ自由詩404-10-7
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メリーゴーラウンド- アンテ自由詩804-10-6
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エスエス橋の上で- たかぼ自由詩1004-10-5
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