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じーじーじー
喚く歌が煩くてしょうがない
もしも手に届くところにあれば
躊躇無く握りつぶせるのに
きょむきょむと潜む足音
横になれば耳元に囁く証
生きているということが
死んでいくと ....
あなたのくちびるから海がこぼれる
塩からい水が胸を濡らすから
わたしは溺れないように息をする
そっと息をする
空の高みが恋しいと指先をのばし
両手を広げてみるけれど
あなたの海が追 ....
朝めざめると
あなたは哀しい
人の形をしていた
毎朝きまって
そうなのだとしても
本当のことは
けっして言わなかった
言葉にできないことや
したくないことを
たく ....
{引用=
最近
ずっと
考えていた
部屋の隅に
うずくまって
考えていた
考えることの
テーマは
その日ごとに
違う
まるで
飽きないように
作られた
....
おはよう
君の声が聞こえただけで
こんなに朝は踊るよ
眩しいのは
陽射しが口笛吹いているから
朝露垂れて木琴を叩く
こんにちは
君の笑顔と弾んだ君の声
僕はおかげで嬉しくなって ....
イルミネイションだけが
林檎の果実のように
重いというのか
すぐ帰結する解釈に
首を押さえつけられ
呼吸困難で
喉元が熱い
殺伐とした時代だから
こんなにも膨らむというのか
....
見知らぬ人ばかりが
夜に追突した
追突した夜は
分散し
それぞれの夢に混じった
あ、と驚きが
その人々を捕らえ、
携え、
さえずりを
引き抜いて
躊躇いに換える
夢が重み ....
つつがなく
夢を終え
私はもう目覚めている
ここにいる
一人の人間として
酋長の口笛を携えた
一人の血肉として
バネだけが
きしむひと時は
帰結した
それは他者により
投 ....
七夕なのに雨模様
願い事を見透かしてしまう僕には
あまり関係のない事実
笹を(と携帯に打ち込んだところで、稽古が終わった娘が車のドアガラスを叩いたから、作業を中断をせざるを得ない)
※ ....
チェロが重低音を響かせる中
正座した理屈が
墨を含んだ筆をとり
大きな美濃紙の中央に
ごつごつとした岩山を
描く
モノトーンの岩山は
山肌の陰影だけ 浮き上がり
山の際 ....
眩い光りは衣を重ね
いつまでも消え去らぬ
それは人知れぬ
夏の海峡の 輝きを増した陽炎
落ちてきた 数知れぬ星達をあつめた天の河のように
静かによこたわる
無数のきらめきは、時を惜しみ
....
かみなり
ひんまがり 醜く よじれてペンダコのように頑なな私が
理想としているのが 渡り鳥の抑揚のように柔らかい けんこうこつだよ
ほしいよ
大理石の有翼女神像すら
空に ....
開け放たれた窓からは
初夏の高台から望む
雨上がりの小さな街が一望出来る。
マッチ箱のような小さな家には
色とりどりの屋根が
張り絵のように
斜面にへばり付いている。
空は真っ青 ....
雨を欲する街が
コンクリートのサバンナだとしたら
ぼくは群れからはがれた
いっぴきのガゼルになって
待ち伏せていた風に食われる
舐めてもいいよ、と
赤い花々のうつわがひらき
惹か ....
1
春を見て
鳥はなんて思うだろう
月を見て
蛙はなんて思うだろう
虹を見て
花はなんて思うだろう
雪を見て
雲はなんて思うだろう
空を見て
木はなんて思う ....
高層ビルのマンションが
あまく灯るころ
隣のビジネスビルには
まだ冷たい灯りが残っている
欲望と
欲望を支える人々の
コントラストの
夜景が今日もまぶしい
明け方
....
僕のしがない手を
君への花向けだと思って受け取ってくれ
僕の干からびた足は
君への愛着だと思ってくれ
僕の垢だらけの耳は
君への差し入れだと思ってくれ
僕の乾いた眼球は
....
風が駅前の野原に吹いている。
野原に生えた野草の葉は
優しくうなずきながら
隣の葉にお辞儀をしている。
風が駅前に優しさを運び
優しさで満ちあふれた
空き地の前に僕は独り佇む
風 ....
娘たちは
もう眠ってしまった
何も書かれていない短冊がひとつ
テーブルに置かれている
なあ、父さんは
こってり疲れてしまっているから
願いごとなんて
ひとつも浮かばないんだ
静 ....
}羊水(春)
コイン・ロッカーのコインが着地する
その音を聞いて
呼気をつきはなす
わきまえてなまえを呼んでも
まだないのだから
うぶごえをあげる
こっちへ来なさい、
と あな ....
{画像=100707203016.jpg}
{引用=
雲の上も
青空の上も
いつも星空
すべてが
星空の出来事 ....
100705
明日のことは
明日に
昨日のことは
昨日で
今日のことは今日に
当たり前のことを言われてその気になった叔父さん
テレビが映らないのは ....
{引用=
旅群の影に腰掛けて
静かにナツメを噛んでいた
夜露に濡れた
クサカゲロウの卵塊が
孵化した途端
光に溶けて
満ち欠ける月が映る
瞳を抉り出し
過去を刻んだ証人として
....
1
航行すべく人は完熟し、窃取された内側と内側に、逆らう砂の世紀から離れて、泳ぐ翼を縫い合わせている。だが石は諦めていた、露悪するだけの岩すらないことに。飛魚は絶望していた、感光するだけの直線す ....
独立記念日の夜
祝いの祭
星明りの夜空に光の花が舞い散る
願いを集め 放ち
大輪の夢を咲かせる
けたたましい空の鼓動となって
瞬時に消え去る はかなさに
―― 祖国という明日をもとめ ....
約束の場所を忘れてしまったのだと
忘却をたぐりよせる日々が続いている
わたしも、あなたも、
同じとはいえない、似通った部分を共有しているだけで
帰省本能さえも持ち合わせていなくて
ひとつの寄 ....
{引用=頂点はさらに、高さを増す。塔の上に塔を
重ね、そのようにして時代はいつも、賑や
かに葬られていく。足元には、無数のメタ
セコイアが植えられ、手をのばして、空を
仰いでいる。道は、休むこ ....
「恋」
七年目の恋に
激しく身悶えするような
情熱を注いで
イケメン男子は
初夏に早々と
もてないブサイク男は
落ち葉を揺らしながらも
たった一人の女しか ....
81.
太陽の真実を
月が省察している
82.
会議室のホワイトボードに掲げた
サハラ砂漠のレントゲン写真
言葉は保冷剤ほどの値打ちもない
....
狩野川台風で橋が落ちたために
駅からタクシーで大まわりして
修善寺温泉街にはいった
九歳のぼくは父と母に連れられて
和風の大きな旅館にはいる
玄関をあがるとすぐに大きな池がある
池の周 ....
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