すべてのおすすめ
開け放たれた 窓を 飛び出せば
どれみふあ空のかなたどちらさまでしょうか
わすれがたみということの
わずかないたみを もつものです
聞きかじりのリアリティに
意義をとなえる あたしと
....
あなたを泣かせたい
そんな意地悪な気持ちがわいてくる
だって
あなたのことで
こんなに心がざわめくから
いっそ
あなたを泣かせたい
だいっきらいと伝えて
だけど
あなたが私のこと ....
古くなったクリアファイルは
表に細かな傷がついていた
ひとつ拾い上げて、爪の先で
かたかたと光の溝をなぞる
そこに流れていたものを確認したかった
旋律に音がないなら
ゆっくりと ....
待ちぼうけのカフェで
冷めかけた紅茶をもてあそぶ
スプーンのあてどなさ
間延びしたリビングで
戴き物のゼリーをふるわせる
スプーンの退屈
行きつけのファミレスで
カツとカレー ....
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はっとして
涙が頬を伝い落ちる時、
私は独りで夜中に起きている。
何も言葉を語ることはできないし、
何をしていいのか、
何が正しくて、
....
知らぬまに
むかえた春の
さくらの 花が散る
ただ、はらはらと
ほら、春かぜが みなもをはしる
みあげる橋のその下を
通りすぎる水上バスに きそいあい
少女のスカートを
ほんの少し ....
?
無言の哀しみを垂らすカオス
木霊する虚数の戯れ
無限と背中合わせになって
月が次第に傾く
頂点で迎える明日は
まだ迷いながらも十二単を纏いはじめる
?
今昔のとき
....
桜ひらひら風の中
聖橋の南詰め
大きな大きな椋(むく)の木は
元宮稲荷の一口(いもあらい)
小野篁(たかむら)の霊験の
実はお狐、太田姫
それでも道灌ゆかりの地
こんこん狐の ....
*
夜が明けて
引き潮に帰る波
しら鳥は喉笛を慰めた
息をころすまえにそっと
手をかざすだろう
瞼のなかで追いかけている
)熱く宙を舞いながら
土埃霞む(蜂蜜に誘われて
吹きか ....
軽やかに街を吹き抜ける風が
まことしやかな君の噂を
僕の耳元で囁いていく
騙し絵もどきの日常の水路を
予定通り流されながらも
まだ僕はなくした鍵を探している
散り終えた季節に
....
幾重にも重ねられた
朝霞の様に
私は青く塗られた
何かが蠢くカンバスに
薄く薄く白を塗る
決して無理をしては
いけない
分厚く塗り込めば
いずれ割れ、剥がれ落ちる
薄く薄く白を塗 ....
わからないから不安になるんだよね
好きなひとの心うちと
明日の空模様
開けてびっくりでは困るけど
あてにはならない春の天気予報を頼りに
ご機嫌いかがなんて訊ねてみる
わたしから ....
サクラを観ない年がこの歳になってやってくるとは思ってもみなかった。
確かにサクラは咲いている。が、サクラの中で酔うことなく、風景の一つとしてのサクラ花。淡いピンクの染みぽつり。ぽつりぽつりの悲し ....
階段の灯りをLED電球に交換した
ちょっと薄暗いけど
四万時間の寿命だという
居間から二階の寝室まで
三十秒あれば昇りきるとして
電卓をたたいてみた
五十年は切れることはなかった
ぼ ....
底ふかい
ながれる霧の
亡失のよあけに
サインのかげりがうかびあがると
ゑづは
狂いはじめ
つよくあしでまといの舌苔
怪訝と
したたりで
烏合を吐きだすつぶてに
そまる
....
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足下の明かりを踏んでいる
私は歩いていた
その舗装された道では
所々に白い線が引かれ
アクセントとなって
景色が次々と切り替って ....
頑張ろうと
肩にばかり力を入れても
腰はひけている
仕方がないと
諦め顔で薄笑いを浮かべても
目は出口を探している
雨のような運命を
受け止めるのは
傘ではなくて腹の真ん中 ....
110416
ヒメジョオンとハルジョオンの相違は
人体には影響有馬線のことばに圧倒されて
桜が散るまでは気軽に聞くこともならず
いつの間にか不 ....
明日は合気道の審査である
深夜に寝汗をかいて
眠ったのか寝ていないのかわからないまま
眼が冴えた
今年の一月から
この日のくることを告げられ稽古を重ねてきた
その間寝つきの悪い夜は
....
始原の時を想わせる煌めく土や眩しい空の濃さが生々しく匂いたち、
かけらは、怖ろしく深い渓谷を穏やかな春に渦巻くつよい風にはこばれて渡る
その惨く美しい花の乱舞を無邪気に、遠くパノラマに見渡して ....
ひしゃげた白い空に
ひしゃげた日暈が架かっている
とりどりのチューリップは群れ咲き
金属的に笑っている
その笑い声の中を
黙示録に腐蝕された心臓がひとつ
歩いてゆく
果たされ ....
錦糸町へ行かなくちゃ
錦糸町南口のエイコっていうスナックへね
あの子に逢いに
何!
好きなバーボンアンドソーダを飲みに行くばかりだけど
かわいいな
ほんとにかわいいな
汗に濡れた肌を ....
もしもし、
春になって
やさしい色の花で
世界は染まっていったよ
せつないときには泣いてもいいかい
もしもし、
なんとなく今朝
中川家の漫才を ....
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血蛾が私の手に止まっている
皮膚を引っ掻く三対の足
私は妖しげな寒気に浸り
私の眼は喜びに満ち
その喜びが零れ落ちて血蛾の羽根を打つ
ブ ....
深く刺さった
棘のように
貴方の名前が
とれないの
つぶやき過ぎたせいかしら
泣き過ぎた せいかしら
棘は
痛みはしないけど
あたしの身体の
一部になった
まっ ....
ずうっと前に
プレゼントしたカップ
貴方は割ってしまったから
新しいカップを
選びます
もう誕生日も
過ぎちゃったから
照れかくしに
娘のカップと
一緒に選びます
....
上澄みの中を泳いでいた
透明ではなく薄く白濁した温い水の中を
紅い尾鰭をゆらゆら振って
指差すふくみ笑いを払い退けて
腹の下に感じる見えない水底の冷たさに慄きながら
ゆるんだ流れに身をまかせ ....
待合室のベンチの片隅
三百代言に堆積された
一言主の判事の方便
外は春だが歩くには寒く
部屋の照明は薄暗い
世間話の片隅で
忘れ去られた真実が
書類の堆積に発酵し
異様な臭気ととも ....
110412
ふしだらな
感じやすい
企みを
ひそかに抱き
か細い悲鳴をあげて
かわは流れてゆく
拡がる景色の果て
外国船が汽笛を鳴らし
風が凪いだそ ....
微笑み浮かんだら 授業は うわのそら
教室で運命・赤い糸さがしてる
願いが叶うなら 君の泣きじゃくる顔も
見たい 見ていたい 10年後も その先も
君に惹かれるのは なぜ だろう ....
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