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忘れてはならないものらしい
愛した男の名前と
その男を奪った女の名前
そして事の顛末一切合切と発せられた言葉の一字一句まで

こんな近くに勤めているとは思わなかった

東神田の交差点を右 ....
夜遅く、ひとりで湯に浸かっていると 突然、ふぐりにヌメッとしたものが触れたので あれ、おかしいな 何かいるのかなと俯いて湯の中を見ても これが何もいない 気のせいか このところ出張ばかりで俺 .... おれは
生きる


首を吊った馬鹿者や
身投げした愚か者や
そんなやつらに
用はない


死という
ひどく現実離れした
その事象だけが
他者に悲哀を強いるだけであって ....
F1モナコグランプリを見つめている

レースが始まると一斉に

相似のコースどりをうねらせて

バトルの河がながれだす

胸のつかえをとるには

F1の精密なバトルを見つめるに限る ....
今この瞬間が

期日ででもあるかのように

それは炎のような境涯だ

胸を痛めひとりでかかえこむ

正しいことが絶対でもない世の中で

こんなことはごく当たり前のストレスだ

 ....
古びた電話ボックスの中にあるタウンページに
妙な親近感を抱くようになり
気付けば少しおせっかいな人になっている
大量にばらまかれたレジュメには
不気味な挿絵が載せられていたけれど
その絵が示 ....
低迷線をたどっていきつく先は壁
そうしたら垂直に昇ってゆこう
横のままなら低迷でないから
いつのまにかの上昇線

また壁

真逆の心理の状態は
笑えるものだと思うのです

頭から垂 ....
それらをぼくは追いやって新しく息をしよう

それらをぼくは追いやって古くからの息をしよう

新しくて古いぼくは息をしよう


東大阪の公園で中国人のこどもたちが日本人のこどもたちを追いや ....
{引用=
いなくなったきみを探していたら
僕は自分を見失ってしまった

砂浜を歩くたどたどしい足元が
早く何処かへ連れて行ってくれないかと
波にさらわれることを望んでいるこころは
宙に浮 ....
{引用=
雨が降っているの
こころの奥深くで
あの夜のような朝からずっと
それでも空は晴れているから
傘もさせずにびしょ濡れのまま
けれどあなには見えない


魔法のような
私を支 ....
降る暮れの火と刺さる樹と
青と蒼と青と蒼
うなずくように
言葉なくす灯


花間のなかの蕭索
舌の上の山茶花
冠 冠
手に手をわたる


影 にじむ影
海 ....
{引用=
それぞれに交差する
よっつのひとみ

そのやわらかな表面は
甘いのだろうか
それとも潮の

見詰めれば
卵黄を飲み込むように
喉を滑らかに落ちてゆく

嗚呼

同 ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている

ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
バンコクにある
カラオケスナックの
ウエイターのお兄さんに
尻を触られたことがあるんです、わたし
ううん、それが恥ずかったわけじゃなくて・・・

そのとき
男のくせに
つい「イヤン」と ....
{引用=猫讃仰フェスティバル参加謹呈}

ねこちゃんは
一体どこから来、どこへ去るのか。
ねこちゃん
ねこちゃん。
これがコンニチの課題である。
じつに、コンニチの課題なのであった。
 ....
わしづかみするような五月のひかり
なだらかな緑のモザイク
呆然と見つめるいがい
ほかにどんな対処があっただろう

見つめかえしてくる
こんなところにいるんだ
ひかりが静かな
ざわついて ....
私がおかあさんというとあなたのことなんだけど
あなたはいつからかおかあさんだけではなくなった
ずっとはじめのほうからあなたはおかあさんとしての
ぶぶんが少なかったようにおもう

おとうさんと ....
股間から発射される
私やあなたの分身が
もしもパウダー状だったなら
まっ白い粉(ナノ粒子の)だったなら
さあ、あなたはどうします
さあ、さあ、さあ、さあ
どうします
えっ?
サラッとし ....
{引用=「果てのない孤独を感じるのは、まだ私が弱いからでしょうか。
私が未だ、言いようのない既視に打ち拉がれては瞼に幕を引こうとし、
触感を拒むのは、もう世に何がしかの光明をも信じていないからでし ....
次の物語も
まっ白い煙、通すガラス製のダクト
口に突っ込み撒き散らかした
白い宝石の舞う竜巻
朝日に照らされてキラキラする
船員はみな、眠っている
額に汗を浮かべて
夜を越えたから

 ....
{引用=
籠の中の小鳥たちが寄り添って
ささやいている姿を眺めながら
アルコールを呷り言葉と戯れる

自己意識を突放し抹殺し
消失にのみエクスタシーを求める者は
虚無が広がる世界に
制 ....
 
 
ついに
質量をうしなって
浮かんでいる

夕焼けに
焼かれてもなお
輪郭を保ち続けて

やがて点となり
そのさらに
小さな点の中心へ

飛行機は飛んでいく
私の知 ....
星以外そこは闇だ
光以外そこは闇だ

感情はなにに
コントロールされてんだろう

思考よりも
背中を押してくれている祈りに

まだやりなおせる
こんなだから気づけたんだよ

星 ....
さみしがるのをやめにする
悲しんでばかりで雨がやまないから
しとしとしとしと空が暗いから

泣いてしまうのをやめにする
このままいくと目がとけて
海に流れてしまうから

あちらのほうか ....
歪みだすと止まらない
記憶の底から 漂う廃棄物
悲しくなる でも繰り返される

汗と飴は 釣り合わない
何かが砕ける音 初めてじゃない
言葉にはしない 出来やしない
悲しくなる でも繰り ....
鏡に映るおまえが
歪んで 醜く見えるのは
おまえがそういう存在だから


あれこれ愚痴る前に
自己批判せよ


どうせおまえは
他人の言葉に耳を傾けたりはすまい
それ故
 ....
 
 
不在票が
届いている

裏の公園の
桜が散ったのだ

こんなにたくさん
さよならを伝えたくて

春が終わっていたのだ
私がいない時に
 
 
べたあっと広い横断歩道で信号待ちをしている人混みのなかにいた
曇り空だった
曇り空のひかりが広い横断歩道に溜まっていた
女子高生数人がぼくに笑顔で駆けよってきた
二十年まえなら吉川晃司や的場浩 ....
日曜日 桜ははけて 古城を囲うお堀の濁水が媚びさえ売らずぬるく照り返す水面の気がよく晴れた正午すぎ
ごくごくささやかに 家庭的なもののなぐさめを求めてスーパーマーケットへペダルを漕いで行く

わ ....
あなたを思い出す
回転寿司に来るたび
百恵ちゃんのように
急な坂を上らなくていいので
私には好都合(ひざがね、ひざが)
だから今日も来てしまった

横須賀中央の
魚屋さんの新鮮回転寿司 ....
小野 一縷さんの自由詩おすすめリスト(462)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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屈辱- 花形新次自由詩5*10-5-10
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ウニを見ていた午後- 花形新次自由詩4*10-5-2

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