すべてのおすすめ
白い光がふちどる窓辺で

二人はふるえる菫の口づけを交わす

二つの華奢な心臓が

透きとおってしまいそうだ
恋という字と
悲という字は
少し似ている

恋しいこころは
悲しいこころ

こころの水溜まりには
散った桜の
花びらが浮かぶ
どうだ

この青い空は

雲はうすく横に流れる

梅雨入り前の夏だ

私の背を押す日の力

気持ちいい

楽しい

今、大地が裂け

一瞬にして世界が失 ....
先生と夜食事でもしなさいと今朝社長から電話があったのでユキオはカタヤマを食事に誘った
カタヤマは意外に乗り気で、ぼくもきょうそうしたいなと思っていたんです、と嬉しそうな顔をした
営業車にふたりを乗 ....
楕円の皿にわたしの指紋が乗る
楕円 私は 指紋のひとだ

ゆらゆらと少し苦い棒茶をすする
大鉢の下は銅の網が敷かれ
光沢もない

格子戸から黴がこぼれる
吹き抜ける風と
カーブミラー ....
刺激さえなく
入り込む余地さえなく
雨音だけが満たす
平衡感覚の欠如
はじめから普通でなかったこと
心なしか不安
室内香の香り

もどかしさだけを抱え
その先を見遣る桟橋のたもと
 ....
空に墨を塗ったら
穴に住んでる鳥が鳴いた

「病気はどこにでもある
赤い熱は誰もが持ってる
だから苦しまなくていい」

やさしい言葉をかけたいけど
フェルト生地ばかり重ねて
尖った万 ....
3時に営業所に戻るとユキオの向かいの席に薄い黄土いろのスーツのカタヤマが座っていた
カタヤマがほんとうにどこかの国の蛇つかいのように見えた
ゆるいオールバックがターバンに見えないこともなかった
 ....
みぞれと言うのか
雨が凍っているというのに
こんな夜にも走る男がいる
気が済まない、
習慣に中毒したのか自己啓発強迫なのか
こんな夜くらいはさぼろうという気がない
上空で
雨が凍るという ....
わたしは自分の部屋の
樫の木のデスクの前の
座り心地のよい椅子に深く腰を下ろして
窓の外の様子を気にしている
今日は朝から細かな雨がたえず降り続いていて
それがもうやん ....
止まない雨だった

優しいままでいられるほど嘘つきではないから
まだあまり汚れていない窓ガラスに向かって
冷たい視線を送り込む
反射した感情の行方を知っているくせに
しばらくそこに立ち止ま ....
雨はもうやんでいるのだろうか
プリントアウトしたA4の資料をユキオは読みはじめていた
青灰いろの夕方はユキオが窓に目をやるたびに黒く染まっていった

自分の思考以外なにも聴こえなくなっていた
 ....
あたしたち、地球で死ねるから、しあわせだよ、

ヨシミがユキオの部屋に遊びに来ていた
2時間半かけてヨシミを迎えに行き2時間半かけてヨシミを連れて戻りユキオはヨシミの胸にたくさんの歯型をつけた
 ....
{引用=
誰も知れない部屋に
愛しい疲れて飽いた私のプシケ
その瞳の黄金の闇に恋をしてから
どうにも朝が眩しくて

指先に掴めない月光を纏わせて
草原で花冠を編む
春雨のような声で静寂 ....
にわか雨、紡ぐゆううつ
溶け混じり合わない主旋律のゆらぎ
光かすかに切れ間差すベール 青
波間の佇まい、永遠の瞬間

かすかに浮かぶ笑顔、細い両手を胸に添えて
朝もやの慈愛 見えない波 ....
ちょっとした長さのフレーズがひとつ思い浮かんだ。
それだけならこれまでにも何度かあったけど、
いつもと違って放っておいてもしばらく頭から消えずに、
いつの間にかその次の一節までぼんやり輪郭をつく ....
十代の憂鬱は倦怠を呼び起こし
おれに苦行を強いた
時がすべてを解決するはずなのに
おれは今でも退屈してる
呪詛の言葉を唱え頭を振り乱す
おまえは悪魔か堕天使か
目撃者はその存在理由 ....
所長最後の日、社長がカタヤマとともに営業所にやって来た
社長はユキオの髪型を見て
おっ、こころを入れ替えてがんばってるんだなあ、
と言って顔をほころばせた
社長と所長とユキオで主要なお客様を回 ....
電車ではなく車で高松に向かった
ユキオは営業所の2階に暮らすことになり営業車を私用車として使うことが許可され実家に帰る際の高速代も会社が持ってくれるとのことだった

営業所の所長はカタヤマがはじ ....
お客様をもっと回れ、6時まで帰ってくるな、という会社の指示通り、ユキオは6時きっかりに帰社した
倉庫をぬけて2階のフロアへの階段をあがりながら、きょうはやけにタバコくせえな、その階段の雰囲気でその日 ....
春の水っぽい匂いがユキオにはなんだか他人事のようだった
グシャグシャにつぶされた空き缶が朝の風に音を立てた
ユキオはそれを視界に入れないようにして会社へと急いだ

いつもより会社の朝はそわそわ ....
{引用=

世間が
大きな怪物に見える

それよりももっと恐ろしい怪獣が
他の場所にいる

麦畑が
静かに揺れている

彼らも
約束された平和の中に
揺れているだけ

刈 ....
{引用=
風の音が聞こえる

戸外は雨だ

脹らんだ大きな雫が
木の葉の表面を滑る

熟れすぎた文化のなれの果ての
決済の時間のように見える

カーテン越しの
切れ長の瞳は
 ....
目には
まぶたがあって閉じることもできるのに
耳にはないね

目はよほど
脳にとっては過負荷で高価なセンサーなのだろうけど
耳だってとじられればいいのにね

ケータイや
ウェブの海で ....
ああ、何と美しい光景でしょう。野の獣道を突っ切っていった先、その川べりには、
誰も踏み込むことのない煌く水面が滔々と浮かんでいるのでした。
夕陽と水面が鏡面のような対称の形を作り、溶け合う様、そし ....
{引用=
ごらんよ、僕たちの家が燃えている
帰る場所を失くした孤児は、何処へ向かうのだろうね



顔をあげて 僕の最後の一滴まで飲み干して
ゆるやかに 死に絶えてゆく世界で
胎児の ....
君は何もするな
消え去ることのない手に希望を抱いてほしい

どこかへ手を伸ばそうとしてはいけない
その先には人が求める愛の形などないのだ

手を振っても 誰にも小声としてすら答えられない
 ....
おめでとう 

ついになりたい自分に

変わる事ができたんだってね

いろいろ大変だったんじゃない

がんばって がんばって

栄光をつかんだってわけ


家族の中の地位も
 ....
掌が傷だらけ
彼女はきっと キスだらけ

巣くわれた 巣窟な躯は
昨日も 架空を跳んだらしい

チョコレートシロップに
足を染められたなら

ホワイトソースばかり
作りすぎてし ....
あなたがおもうほど私
不幸に育っていないから
私を不幸な子だと呼ぶのは
やめてください おかあさん

あなたがかんがえるほど姉は
困ってなどいないから
知恵が遅れていると
泣かないでく ....
小野 一縷さんの自由詩おすすめリスト(462)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
早春小曲- 塔野夏子自由詩4*10-3-11
恋と悲と- 小原あき自由詩4*10-3-11
初夏- 蒲生万寿自由詩2*10-3-11
蛇の宴- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-10
テーブルから- しべ自由詩210-3-10
#9- 山口清徳自由詩2*10-3-10
鳥の声- やや自由詩2*10-3-10
蛇が泣く- 吉岡ペペ ...自由詩210-3-10
阿呆の星- salco自由詩810-3-9
雨の日、わたしは窓のそばで- ホロウ・ ...自由詩2*10-3-9
同心円状のバルコニー- 中原 那 ...自由詩1410-3-9
蛇つかいとの交信- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-8
蛇たちの休息- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-7
真夜中のロンド- 高梁サト ...自由詩12*10-3-7
ソフトフォーカス- 山口清徳自由詩110-3-7
40℃以下の水で手洗いして下さい- 国産和風 ...自由詩310-3-7
Serve_The_Servant- 寒雪自由詩110-3-6
蛇つかい来たる- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-4
蛇つかいうごく- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-4
蛇つかいのはじまり- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-4
蛇つかいたちの行進- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-3
空気- 真島正人自由詩8*10-2-28
失墜する文明- 真島正人自由詩8*10-2-25
地球外詩的生命体探査計画- 海里自由詩210-2-13
あの美しくも誰もいない川べりへ- 五十里  ...自由詩210-2-13
毒見役としての僕の為に- 高梁サト ...自由詩6*10-2-13
希望の日- 番田 自由詩310-2-13
グリーングラス- ハイドパ ...自由詩6*10-2-12
デンティベス- 黒乃 桜自由詩210-2-11
やじろべえ- 朧月自由詩510-2-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16