日曜の浜辺を少女が歩くと
海は境を失って
空気のすべてが海になる

宛先のないという名の手紙
インクが海に溶けだして
魚になって泳いでいった。

悲しそうにうつむいて
少女は機械に話します
「電波の届 ....
田舎の片隅にある小屋
道具が沢山置いてある。
子供達の基地になっていた。

間違えて柱にぶつかり
小屋が傾いてしまった。
大人達は驚いて直しに来た。

誰がやったとかは聞かれなかった。 ....
「other=M」

浜名湖畔に住む老人が、言葉を発しない
物語調に、省みた波が今日もM字を描く
潮干狩りにきて、指を挟んだカニのハサミが外れてしまう
僕のせいじゃない
骨を砕いたような雲が
大声で笑 ....
今日の空は青すぎて善人しか似合わない
大手をふって歩けそうにないから部屋にいる

閉じる部屋の
向こうにあなたはいるでしょう
きこえない
音を見ようと研ぎ澄ます
それでもまた
己のドア ....
たかい
たかい
あったかい

たかい
たかい
あったかい

だれかのうでに
だきあげられて

たかい
たかい
あったかい

あれから
なんじゅうねん

たかい
た ....
  どの花瓶になるだろう
  竹のはなが生けるのは
  月の国から降り立って
  娘は、衣を置いていく
  静か揺らめく白い羽衣
  薬の燃えた、白い灰煙
  糸のようにすっと伸び
  あなたの元に ....
その舗道の影は
拾えそうなくらいに黒いじゃないか

お前さんのチョコレートの髪は
このカンザスの太陽で溶けちまわないのか

荷物のなかに
傘がなくても平気か?

あっちはもうカンザス ....
顔を上げてホットチョコレートを
口にするたびに

きみは編み物の手をとめて
「おもしろい?」と微笑む

僕はうなずいて伸びをしながら
虹彩できみが姉の方だと気付く
                  100423



あまくだりの
やくいんの
ほうしゅうが
たかすぎる
洗い流せ
背中の

小舟の中に堆積する悪習

さおを差すタイミン ....
遠い天体から

ひかりが届いている

それはぼくから見れば

永遠と

言ってしまいたくなる距離だった

そんなに離れていても

引力など働いているのだろうか




 ....
はっきりとした目的もないと

矢印が他人事のように見えてくることがある

この矢印はじぶんにとっての矢印なのか

ぼくはどこへゆこうとしているのか

矢印はなにも知らないだろう

そんなことぼくが決め ....
人間不信
貴方なんか嫌い
貴方なんて偉くない
貴方なんて尊敬していない

ただの大酒飲みの
肉体労働者さ
睡眠時間は3時間でいい
なんてバカじゃない?!

ヒトの彼女とりやがって
 ....
珊瑚にも見えた
夜のいっかくに宇宙を膨らませたそれは
いきものたちの銀河だ

ぼくらはあんなとこにいるんだ

こんなところで

あんなとこの一員をやっているんだ

一秒も何億光年も ....
私に残されたものは
何もない。
全てを失った。
もう誰も信じない。

暗い暗い、暗闇の底
落ちてゆく
失望のあまり
地から落下してゆく

体から力が抜け
蝉の抜け殻となる。
絶 ....
パンと珈琲と絶妙な目玉焼き―
それだけで

眼差しと沈黙と即席の悪意―
それだけで

唇と両腕とベッドの上で呼ぶ名前―
それだけで

朝と昼と自分だけの夜―
それだけで、十分だなん ....
機械的に家路を歩いてた

なんにも考えずに

帰巣本能でもあるまいし

歩道橋の向こうに

私を照らす光源があった

セピア色した夜に

私は突撃したのだけれど

それは本能でなく

機械的にした訳で ....
降りているのか
上がっているのか
分からなかった

肩を並べてなのか
今からすれ違うのか

降りているのか
上がっているのか
分からなかった

幻なのか
悲しみなのか

降 ....
甘い夢

白くて冷たい手の




泣きたかったよ

悲しくて




片目は自然と閉じてしまうから





何となく


あなたが羨ましい ....
生ぬるい夜だ。時折吹く風は昼間とは違って重さがなく、ただ空気をかき混ぜて通り過ぎる。
僅かに髪を揺らす微風が心なしか清涼に感じることに、人の生み出した毒が世界にあふれているのを知る。

夜の風は ....
孤独な hungry wolf
陽気なボルフガング
笑顔のたえない少女
可愛い2歳の男の子

歌を歌い
喉を鳴らし
泣きましょう
笑いましょう

お調子者は
損をする。
真面目 ....
きみの手が
数手前から
ふるえてる
着地点は
すこし遠いね
真剣で
切り抜くような
まなざしで
走ってるのは
二年目の恋
あなたとは
嘘でよかった
手作りの
バリアをはって
目をそらすから
   
     1

明るい陽光を浴びて
僕の黒猫は
幸せそうに膨らんだ
黒い鞠となって
朝から眠り込んでいる

彼女の黒い体毛は
朝の陽光を吸い込んで
幸せ一杯に膨らんで
 ....
くだらない話を
長々と電話して
卑猥なことを言う
相手をコケにする

おっぱい吸って
寝んして抱っこして
おんぶして
また明日。

明日は飲み会
明後日は夕食会
明々後日は
 ....
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている



花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る



光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋



輪郭をも ....
処女の下着を脱がすみたいに
やさしく一枚一枚皮膚を剥いでいっては
シミの痕 ホクロの母斑
何も残らない生鮮な肉体を
あなたの前にさらけださせて
あふれだす粘液
真っ赤な舌でコロコロと舐めま ....
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
ダンボールの中の子猫
雨の日に、ミュウーミュウー
ないている。
お腹減ってるのかな
寒いのかな

同じ命なのに
人間とは待遇が違う。
他の生き物がいるから
人間も今の生活ができるのに ....
ここが気持ちの良い伸びやかな場所だということが
霊能のないぼくにもよくわかる

水のふくよかさが光に自由だ
土や風はじっとりとあえなく色彩へとかわり
そして私は鼻腔から生まれかわる

この地で生を受け ....
くろきたさんのおすすめリスト(567)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
宛先のないという名の手紙- クローバ ...自由詩1*10-5-5
迷える子羊- ペポパン ...自由詩7*10-5-5
other=M- クローバ ...自由詩1*10-5-4
らんちたいむ- 朧月自由詩410-4-25
たかい- 紀ノ川つ ...自由詩3*10-4-25
竹のはな- クローバ ...自由詩2*10-4-25
kansas- mizunomadoka自由詩310-4-24
replacement- mizunomadoka自由詩110-4-24
竹のはな- あおば自由詩3*10-4-23
遠い天体- 吉岡ペペ ...自由詩1410-4-22
矢印- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...810-4-22
ノッポの木偶の坊- ペポパン ...自由詩4*10-4-21
いきものたちの銀河- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-4-20
谷底へ- ペポパン ...自由詩6*10-4-20
贅沢- 瑠王自由詩7*10-4-19
セピア色の夜- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...910-4-19
ジムノぺディ- 吉岡ペペ ...自由詩1310-4-19
春眠- 自由詩3*10-4-17
ヒイラギ- ハノ自由詩110-4-16
アマデウス- ペポパン ...自由詩5*10-4-16
chess- mizunomadoka短歌210-4-15
active- mizunomadoka短歌310-4-15
changes- mizunomadoka短歌310-4-14
猫二題- ……とあ ...自由詩9*10-4-11
100万ドルのダイヤ- ペポパン ...自由詩4*10-4-9
- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...29+*10-4-9
渇き- メチター ...自由詩3*10-4-4
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩11*10-4-3
生類皆平等- ペポパン ...自由詩5*10-4-3
生家にて- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...510-4-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19