注がれた牛乳や
たたまれた洗濯物
そういうものから読み取るのは
難しすぎて
未熟な手のひらをみつめ
星座のないことを悲しんでいた
こぐま座なんて
一度も探したことはなかった
い ....
わたしがまだずっと若くて
恋を信じていた頃のこと
大好きな恋人に
捨てられて
それでもしつこくして
嫌われて
あんなに好きだって言ってくれた人が
変わってしまったのが
どうしても信じら ....
うつぶせに寝る
一週間分疲れたからだを
ほねつぎの先生は
大きい手の親指で
ぐぃっ ぐぃっ
とのばしてくれる
「 マッサージしてもらい
すじがのびると
....
高い所から見下ろした街には
やさしさ みたいな光が
たくさん走っている
その一つひとつが
ゆっくりと目蓋を撫でて
今日の寒さを忘れさせてくれる
どうしてだろう
遠く離れてみた方が
....
どこまで私は落ちていくの?
この植物に食べられちゃうの?
どうして私食べられちゃうの?
人間がたくさん木を切ったから?
地球を汚してしまったから?
好きではない
むしろ嫌いかもしれない
それでも、
作られたものまでをも
嫌いにはなれない
魔性より上の一手で栓をする
豹柄手錠似合う黒蝶
逃げ場所は どこだ
酒かタバコか 男か女か
逃げ場所は どこだ
週末か未来か 妄想の中か
声をかけて張られるバリア
視線そらさないで ホント凹むから
そんなに僕が嫌いか ....
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
衣類を剥いて 手足を縛った
跡が残るように きつく きつく
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
....
{ルビ呑気=のんき}な仮面を被っていても
ほんとうは
わたしもあなたとおんなじように
ひとつの大きい影を背負って
流浪の旅路を歩いています
木造校舎の開いた窓に
手を振って ....
冷たい雨のあがる日を
釣り人のように
じいっと待っている
暮れ続ける日々のなか
片足でリズムを取りながら
秋雨が途切れた瞬間
ここぞとばかり
洗濯機へ
汚れ物を放り込む
後はまた
....
詠めへんわ
北大路橋 好きすぎて
三十一文字に まとめきれへん
狂うほど 心ねじれる想いごと
京都御苑にサファイアの雨
あなたと
いつでも
たのしく
いれたら
きみも 同じカタチに 見えているのだろうか?
きみも 同じイロに 見えているのだろうか?
きみも 同じセカイに 見えているのだろうか?
たとえ もし きみが何も見えていなくても ....
・
駐車場で暮らす人と知り合いになった
駐車場の
車一台分に四角く区切られたスペースに
うまくお布団を敷いて
机を置いて
入れ替わり立ち替わりする車のヘッドライトを灯りにし
雨が降れ ....
格闘技観戦が吉 おひつじ座
リングサイドで熱を感じて
無理をせず健康管理大切に
おうし座の君 野菜足りてる?
双子座の陽気な魅力曇りがち
楽観的に甘えてごらん
恋愛はフォロー大 ....
「遠い親戚です」と呟きながら
脂ののった秋刀魚を食べる
身を骨から器用に削いで
大根おろしをちょんと乗せて
神経質に醤油を垂らして
「遠い親戚です」と呟きながら
秋刀魚の塩焼きを食べている ....
偽物の夜がきて
偽物の星空のした
仄暗い記憶の海に
釣り糸を一本垂らすと
偽物の魚がかかる
その場所から
本物のおとぎ話が
はじまる
*
今まさに
事件は暴かれた
偽 ....
きみと僕 ゼリーポンチと珈琲と
喫茶ソワレのブルーの中に
氷の絨毯に
雪の壁
冷蔵庫はいらないわ
洗濯機はいるけどね
冷たい男と暮らしています
おやつはいつもアイスバー
毎日とても幸せよ
氷の絨毯に寝転んで
遊んでばかりなの
撃ってさ
食ってさ
寝てさ
起きてさ
切なくてさ
泣いてさ
それが何を解決するわけでもなくてさ
辛くてさ
考えてさ
猟、やめますってさ
言ってさ
銃を返してさ
昨日撃っ ....
朝食をとるファーストフード
一年前はレジカウンターの向こうで
こまめに働いていた
君の姿の幻を
ぼんやりと夢見ている
その可愛らしさは
指についたシロップの味
今ここに ....
気をつけてね
もうすぐ秋が来るわよ
切なくてね
胸がキュンと痛むから
独りにしないでね
遠く透けた青の先に
星が瞬いたように見えた
メトロノームと馬車馬を
足して割ったかのように
徐々に朽ちて行く時の片隅
枯れる事も出来ないまま
街路樹はやがて眠る
安らかでさえない ....
鳥カゴに串を一本入れときたいな
小鳥がいないことの理由を
誰が見ても分かるように
飛び散った羽もきれいに片づけて
「青い鳥」って書かれた
プレートだけを張りつけて
鳥カゴに串を一本 ....
じいちゃんの言うこと分かるやろか。
人生なんてな
花火というか
花火の後の残像のようなもんやからな。
なんて言うのは
少し寂しいやろか。
でもな
寂しいところに人生はあるもんやっ ....
真の賢者に
恋の相談はしない
悩みとともに
その恋からも 解き放たれてしまうから
三番線のホームを獣が通過する
知らなかったなあ
いつの間にか世界は
こんにも美しくなっちまったんだ
二番線のホームに到着した
足の長い甲殻類の殻から
沢山の人間が這いずり出して ....
あんたに どんなことがあったんか
どれだけの人が気にしてるんやろな
あんたが思ってるほど
あかの他人のことなんて気にならへんもんや
あたしは見てて楽しいで
あんたの悪あ ....
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