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送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、
はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
....
国道沿いのマクドナルドで
あなたのシルエットを買った
伝えたかった言葉で
支払いを済ませる
足りなかった文字が、あったような気がする
4時限目の鐘が
モノレールをつたって、とど ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
雲が、ちょっとのすきに消えてしまう
ので
わたしたちはいつも
空から目がはなせないまま
たちすくんでしまう
ちっぽけな球体のうえで
手をのばしても
届かないものがある、
って
....
ばばちゃんが死んだ日のことは
よくおぼえていない
朝、いつものように食卓についたわたしに
ばばちゃんは何か話しかけた
たあいもないことだった
と思う
しかし あきらかにその言葉は
....
1.
かみさまは、どこですか。
2.
かみさまは、どこですか。
道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
あいたいひとが、いる。
それはある種の、あこがれ。
もしかしたら、あえないのかもしれない
けれど、そうであってもかまわない
という思い
けれど、あったら、なにかがきっと変わる
そういう ....
きみがぼくにすてられたって
そんなふうにおもっているとしたなら
それは
とんでもないまちがいなんだよ
きみ、
ぼくとであうまえにだって
だれかとであってたんだろう?
だれかとキ ....
高層ビルのすきま
通勤ラッシュの駅のホーム
それに似た、二酸化炭素の中
で
たりない、
たりない、と
うわごとのきみたちを
いつだって満たしてあげたいと
信号を送っているのだけれど
....
やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます
あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、
が
ふい ....
並木道の
みえない、ずっと向こう
から
容赦なくやってきた足音
を
かんたんには受け入れられない、
決して受け入れちゃいけない、
と わたしは
いつまでも
スカートのすそに
砂のま ....
天窓からのながめが
この世のすべてだとしたら
世界はキャラメルだ。
でこもぼこもなく
のっぺらぼうにつづく地面には
ただただ
マス目だけがのっかっていて
人々は暇をもてあますとそこで ....
あなたはたぶん
わたしがシアワセと感じる指先や
透明になれるほんのすこしの暗号を
ちゃんと知っていて
いつだって手をひいて
この思慮深い森の出口につづく
複雑な線をといて
近道へ、
近 ....
朝、目をさましたら地球儀の上でした
当然ですが、びっくりしました
あんまりびっくりしたので
枕元のメガネをさがしあてるのに
2分40秒もかかってしまいました
頭の上のあたりを
何度も何度も ....
いつだってただ生きるためだけに眼をこらしているけれど
たしかにあの頃はそうして寝転んだまま泣いてさえいたら
おいしい物だとかやわらかい声だとかあたたかい手だとか
そういうものはいつもかたわらにあ ....
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす
と
コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、 ....
ぼくの投げた、ダーツ
海沿いカーブで 急ブレーキ
壁に貼られた
ロックスターのポスターに
ささって
ぼくの投げた、ダーツ
あそこは風が通るから
早く起こさないと、って
ロックス ....
ねえ、
こんなふうに光る
赤信号の交差点でも
きみは
遠い場所へはせるの
さっきまで
胸をかげらせていたニュースも
アドバルーンの空気といっしょに
ぷすぷすと
消えてしまった
....
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で
洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
要るもの、
要らないもの、
要るもの、
要らないもの、
ねぇ
そこの、おにいさん
要らないものを別の誰かが
要るもの、
要らないもの、
要るもの、
要らないもの、
ね ....
星砂の夕べ
ファクスからでてきた
きみが
あんまりうすっぺらで
それはそれは
過日の約束ほどに
ぺらぺらだったので
ぼくは
受信エラー。
とだけ 書いて
南の窓から ....
こうやって、ね
もちあげたら
そうしたら、ね
おっこちてきたんだよ
ぽた、ぽた、
って
おっこちてきたんだよ
ぼくが
うちゅう、みたいな
まっくらで
つめたいところ、
り ....
ほら
きょうは もう
ひ がおちる ね
と いいながら
遊歩道ぞいの木々は
うでいっぱいの
はっぱ を
するするとみまわし
だれが いちばん
きいろいか
えらぶのに
いそ ....
あの日
しゃがんで拾った貝殻は
引き戸の奥
ひしめきあいながら
眠っている。
波に濡らしてしまった、
と泣いた
スカートのすそで
今なお
夕暮れは踊る
あの日
目の前を ....
とおくへいってはいけません
うん ママ
わかったよ ママ
あしかドン、あそぼう
うん。あしかゴン、なみをとんでね
あしかドンはじょうずだなぁ
あしかゴ ....
笑って笑って
笑ってますか
いとしいわが子
見えてますか
いとしいわが子
の笑顔
つぎだした右手のPEACE
その指のあいだの
無邪気な笑顔
の裏側
の後頭部
そ ....
まるみをおびたふち
から
足をすべらせて
フラスコの中に落ちた
としても
意気消沈する必要は
ない
そこでなにかできることを
さがせばよい
そこにも
陽はさす
屈折さえし ....
メリーゴーランドに
ふたりで乗ったあのとき
ふさがった右手のことばかり
気にしていたあなたは
左手でにぎる
わたしの右手をふいに忘れた
遠心力のそとがわ
こぼれて飛び散った
カ ....
わるいことがあった日は
たまごを100個
ゆでたそれの殻を
むく
そうなさい、と
むかし誰かに言われたのだ
けれど
誰だったかは
わすれた
殻をむくのは
夜じゃなくっちゃいけな ....
いつからか部屋は
水槽、で
ガラス越しに燃えている
赤、また、赤
近寄るとそれは窓で、
背伸びしたそのとき
窓枠は壊れ
緑色、流れて、
流れて、
緑色をのぞきこむもの
も、 ....
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