キルクルとスコットは僕の見える場所にいるはずなのに
忘れようとして忘れられるものは
そんなにあるもんじゃない
すぐに忘れることなんて別に忘れたくて忘れるわけではなく
キルクルはそん ....
くもり空のおもたい朝
欠伸をしている川獺
頭にかぶっている笠
ぷんと鼻にかおる野糞
きみの眼のまぶしい若さ
よれよれになっている裾
てのひらにあふれる乳房
白い毛の犬がのそのそ
....
今年の鮎う ちっこおてえ、
{引用= 夕方
小さい頃から毎年聞かされてきた
親父の秋を告げる声
ここ数年は}
空港工事で もう釣れんわいね
{引用= と続く
....
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
夜が
よるが
よ る が
唇に夜
指でなぞって
夜
来ている
+
夜は沈殿する夜
夜を沈殿する夜
夜に沈殿する夜
なん ....
歌うために作られた口が開きっぱなしだ
それもそうだろう
その目に映る多くの人達が
この街に生まれ来る子供達のために
何を残してゆけるのだろう
なんてぐらい難しそうな顔をしながら
....
アメリカ人はみんな金髪なんだと思ってた
マリリン・モンローがそうであったように
売れたいがために染めたのだと知ったのは映画を何本か観た後だった
TVじゃ相変わらずデイブ・スペクターがからかわれて ....
おとうさんと散歩しよう
サトウキビの畑の中を
夕陽が射していて影が大きく
落ちた
おとうさんと散歩しよう
ゴツゴツの手に引かれながら
なにも言わなくなっ ....
海
闇の海
闇の海のなやみ
闇の海のなやみの意味
いみ
意味のなやみ
あらゆる意味のなやみをのみこみ
海の波にたゆとう色好み
いろごのみの酒呑み
酒呑みのねたみの厭味
....
こおろぎが歌っていた
草むらに伏した子の
目の前で
太陽のない午後の理科室
もうすぐ終わる授業中に
床と天井の間に浮かぶ
水銀色の粒の柱
青空と灰空と
白 ....
きゃらめる 2
たまご
1
もしもし
だれかがよんでいる
こんこん
かべがふるえている
へんだ
わたしまだ
みみ ....
「義男や
あんた、あたしを年300万円で捨てたね。
路上や山に捨てたら犯罪だけど
ホームなら犯罪じゃないんだね。
ゴミと同じかい?
あたしは?」
「恵子さん?
あなたは清 ....
眠くて仕方が無いと母は言う
こんなに眠くて仕方が無いのは
悪いことが起きるから
それとも脳梗塞なのかしらん
雑煮の鍋を温めながら
迷信深い島の年寄りの顔になる
庭には
他の樹木とは、 ....
夏、庭にアリクイが迷い込んだ
首輪をしていないところをみると
たぶん、野良アリクイだったのだろう
アリクイは庭で蟻を食べ続けた
長い口先から長い舌を蟻の巣めがけて伸ばし
舌に小石や砂 ....
はじめに
感動する詩論を読むと、いいなあ、自分も書いてみたいなあと思うのだけど、いかんせん筆力がなくまた、長い文章を書くのにものすごく時間が掛かるタイプなのでメモの形でアップします。(ずっとメモかも ....
1
とりあえず別腹を空かせる
あんたこの頃 大分太ってきたんとちゃうの
と一週間ほど前から言っておく
そんなん結婚詐欺や
とか
普段の料理でも素っ気なくしておく
それか ....
言葉の王国には
言葉の王様が住んでいて
ある時は
言葉の災いや悲しみに弄ばれ
時には言葉の民や王妃が
言葉の命を落とし
またある時は
言葉の試練が押しよせ
みんなで言葉の手を取りあ ....
夕陽に向かって
加賀一の宮駅裏の公園から
手取川にかかる橋を歩き
まん中のちょっと手前で
深く一息
トン トン トン トン と
公園の方から三つ過ぎの僕がや ....
ねむれ。
胎児のように、ねむるがよい。
せいけつなみなれた風景の、
すこしばかりの変化など気にせずに。
あわれなものだ。
マルチメディヤとかいうものに
おかされてゆく母胎の中では、 ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの
憧れていたんだ、ワイパーのある ....
寒さが染みてきて
壁から伝ってくる
ひ
暖房を酷使しても
革のソファは冷たくて
ふたり絡まりあっていても
耳に吹きかける息が白くにごる
ひ
かつて
部屋の中で燃えていた
暖 ....
その宇宙の絵本は
だんだん遠くなる孤独の絵本だった
広さを知れば知るほどさみしくて
青い宇宙がこわくて
地球が消えて 太陽系が消えて
銀河系まで消えてしまって
ぐんぐんとスピードを ....
アンディ 君の小さな胸に
アンディ つぶれた小鳥を抱いて
アンディ 泣くこともできず
アンディ 乾いた影を連れて
ひとりぽっちのアンディ
口笛も吹けなくて
さいごのコインはなくして ....
年明けて水の凍らぬ土地にゐて空を見上ぐる空は凍れり
さやうならと云ふ言葉のみ美しく響く気がする睦月中旬
迫り来る地獄の闇に名を付けよ死ね死ね団とかショッカーだとか
遠ざかる銀河遠のく ....
雨季のタレーがなみだつ。かなしみをたたえて、
すぎさってゆく時間をつらぬいて、
浮世のゆれつづける、虚実のいろがみえる。
とおい、タレーのかなたの国へ、ぼくはかえる。
すぐそこにきてい ....
犀川の河原
しゃがみ込んだらあ
対岸の
浴衣色が滲んでるげん
うちの気持ち
いっくら解いても
解いても
頑固に
縺れていくじい
いじっかしい
こんな
うちの気持 ....
よあけの、ふかいしずかなタレーの中にも、
やりきれない嫉妬がまっていて、
ほんのわずかなぼくの不在をうらんでいて、
おそいかかってきたのだ、手にも脚にも。
ひさしぶりの海水の感 ....
それでもゆく
やわらかさを固い外皮でくるみ
吹きすさぶ風に
涙などすぐに乾くだろう
ずぶずぶとはまりこむ
湿地帯のような母性など
もはや要らない
踏みしめられた乾いた父性が
一足ごとに ....
はじめから
あってないようなものを
ほしがるしあわせを
まだもっていてもいいですか
まだまだ
あまったれでいいですか
そらをみて
ときどき
うそぶいてみたり
そのうそ ....
君が積木など買ってくるものだから
僕らは積木遊びをするしかなかった
家をつくって
壊し
城をつくって
壊し
他につくるものなど知らない僕らは
やがて一つ一つを並べ
街をつくり始 ....
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