あなたが本の真似事をしている
ぱらぱらページをめくると
良いことが書いてある
わたしは少し良い人になる
わたしも何かを伝えたくて
ささやきの真似をしてみる
音のようなもので
あな ....
この先
いきどまりです
木陰の看板を
すぎてゆく雲
誰かの何かが持ち去られ
小さなものひとつ分だけ足りない世界の
午後のガラスの路を歩む
春は銀 ....
きゃらめる 9
うた
1
きれいなこえを
ひろったので
はねをつけて
そらにはなちました
らら
きれいなこえで ....
君の狐つきもすっかり板についた四月の日没さ
今日は良い天気だったんだね、ほら、宵の明星
という意味のケン、ケン、ケン、そしてJump!
君のJump!はいつもいい匂いがするね
だから僕の目 ....
赤く青く黄いろく黒く戦死せり (渡辺白泉)
なんだかだんだん非ジョーシキでなくなってきた「俳句の非ジョーシキ具体例」、今度は時事ネタである。それも茶化すわけにはいかないたぐいの時事ネタである。 ....
駅のホームで国歌を斉唱します、国歌を斉唱したいのです
どこの国歌でも構いません、僕は斉唱したいのです
恋人はホームの先端でフェンスを噛み砕いています
ものすごい音をたて、あるいは音をたて ....
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
もぐらが穴を掘るわけは
ほんとは空が見たいから
トンボが空を飛ぶわけは
海を泳いでいたいから
夕日が海に沈むのは
赤く染まる波々の
向こうにおうちがあるからで
とうさん帰 ....
楽しいはずの
デートの帰り
彼が
たぬきを轢く
たぬきはこげ茶と黒が入り混じった体毛で
牙はするどく体長70センチくらい
道路の真ん中で横たわるたぬき
たぬきは息をしてい ....
人間であるのがいやで山を行く
スパイする鳥には鳥の秘密あり
晩飯の足しに菜を摘む生き抜くぞ!
春もみじ赤く萌えても桜に負ける
迷彩服迷彩帽で環境保全
どこまでも誰かが踏ん ....
とある日
父と母はSEXをする
うらぶれた
障子の影で
佳き日の御縁で
迎えられた若い女性は
しかし
戸籍に入れない
「ちゃんとした
跡継ぎが産めるかど ....
肉体を支えるものが骨であるならば
空を支えている骨は人の想念である
人が空を想うかぎり空は空であり続け
けして空は空から落ちてくることはない
つまりそれは
人が人であり続けることと同 ....
1.
今日から失業者ですわコラ。知能程度の低い友人どもはねちっこく解雇解雇と書き立て
ますが、私が会社を首にしたのですよコノヤロウ。
日本国をアジアにするべく完全失業率のアップに貢献したのだ ....
花に水をあげている君を見て
ああ、じょうろのまま一生を終わるのも悪くないな
と思ったのは、もう
うつらうつら
していたからなんだろう
背中の取っ手から
ひんやりとした手の温もり ....
(母に手を引かれて歩いていた幼い「私」は
母になにかを言いたかった でも
母の耳ははるかうえにあり
声が届かない気がして
またうつむいて 光るアスファルトを見ていた ....
ココロ コロコロ 転がって
コオロギ コロコロ 鳴きました
ココロ 凍って ロココ調
コールタールのナタデ・ココ
ここは 露天の 六本木
今宵 ロックが 心地良い
....
三人姉妹なら
オリガにマーシャにイーリャだろうが
私はオリガではない
ぜーったいに女主人なんかではない
マーシャでもない
私は結婚に幻滅してはいない
だがよく考えてみりゃ
イーリャ
で ....
カラフルメリーは自分の名前が大嫌い
カラフルメリーを本当の名前と信じたがってる
唐辛子よりブラックペパー
胡麻油よりオリーブオイル
テーブルの上の醤油が死ぬほど恥ずかしい
天国のパ ....
さらりさらりらと滑りゆく夜明けに
生まれ変わることなどないだろう
視界半分に偏頭痛性閃輝暗点
この輝きを誰かに伝えることなど
できないだろう
モザイクかかった風景に
ひよどりが一羽やっ ....
とてもいい天気だったので
カーテンを洗濯した
お風呂場で格闘して
庭の物干し竿に広げて
やっと一段落ついた
お茶を入れると
どっと疲れが押し寄せた
窓はこんなに大きかったっけ
昼間 ....
{dl}
{dt}片野晃司 [22:15:47]{dd}では、そろそろ合評会はじめますね〜
{dt}PULL. [22:15:58]{dd}有井さん、こんばんは。
{dt}片野晃司 [22:17 ....
不意に降り出した雨の、流れていく先が
足の裏に
張り付いて
ぐしゃぐしゃいいながら
それでも、ついてきた靴でした
枝ばかりの桜の枝が、葉をつけることを忘れながら
どこか、遠くを見ていました ....
前回私の足の話をしたので、今度は私の夫の足について話してみる。
私の夫は肉体労働従事者で、趣味が山歩き渓流釣り山菜採り茸狩り、毎週二回バレーボールとインディアカの練習に出かけ、日曜日にはソフトボ ....
ドーナツの穴から覗くと
世界はいつも
いいにおいがした
食べ物で遊んではいけない
そう教えてくれた人が
今ではもういない
体中の
キズを辿る
一番大きいのは
三歳のときの
やけどの痕
足だから目立たないのに
ママは
いつまでもいつまでも
ごめんなさいと
言う
もうこの子は
結婚できないかと
....
夜が呼んでいるような気がしたので
誰かが待っているような気がしたので
自転車のかごにウイスキーボトル入れて
僕はさんぽに出たのです
どこか遠いところで
凪いだ海のおなかの中
呼び交わす ....
夜を
数え上げたらきりがないし
眠れない夜は全てそうだったのかもしれない
と思うぐらいなのだけど
右の握りとそっくりな人に出会って驚き
その日のうちに確かめた朝
ほどに ....
まわった
10回まわった
目がまわった
ゆかがまわった
いすがまわった
つくえがまわった
まどがまわった
かべがまわった
わたしの足をまんなかに
せかいがまわった
....
鳥は自由に飛ぶ
一本の線によってへだてられた空間を
風つかいのグライダーのように滑空し
大気をはらんだ凧のように静止し
熊蜂のように羽ばたいて流れの外に飛跡を残したりして
そして時には それ ....
きゃらめる 7
ことば
1
とてもさむいあさはやく
よぶこえでめがさめた
もうふにくるまったまま
ずるずる
ゆかをは ....
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