のんびりとした生活し過ぎですね…
声を漏らさぬよう
唇を噛み締めたら 甘かった
なにせあたしの血は 苺シロップでできているし
あなたなんかに 舐めさせてあげない
ほっておけばすぐ すっぱくなる ....
おんなにとっての
それは囚われ
深遠の亀裂より鉄鎖を垂らし
おんなは生きる
獣は獣
下履きから覗かせる鉄鎖を
見も知らぬ男に掴まれたとしたら
それが悲恋物語の序章
秋の日の静寂に我が身 ....
一人でいる寒い夜は
温かいミルクを飲みます
スプーンで雫を落とすと
ミルククラウンができるのですが
それがあまりに一瞬のことなので
私には何も見えません
あなたがそこに
いれくれ ....
森の小さな滝は
冬とともに
時が止まる
滝は白い線となり
静かに眠る
森の小さな川は
冬とともに
音が止まる
川は白い玉となり
ゆっくりと休む
森の小さな湖は
冬とともに ....
幼年
玩具の為の金を
爺の情から得る
少年
薬の為の金を
財布から得る
青年
遊びの為の金を
中高年から得る
壮年
地位の為の金を
得意先から得る
中年
返済 ....
あなたは
簡単な挨拶をしただけで
ここから引っ越していきました
残ったのは
適当に結んであるだけの
数え切れないほどのゴミ袋
可燃と不燃の分別も
これでは識別できません
残され ....
携帯電話を持たず
運転免許は取らず
国家試験も受けず
やりたくないことには目もくれず
自分のやりたいことのみ精を出す
いかなる{ルビ流行=はやり}に流されず
いかなる派 ....
あだしのくんのことを話そう。
あたしのあだしのくんは、
あたしの恋人である。
どんな恋人なのかといえば、
あたしのあだしのくんは、
彼氏というには顔が ....
子持ちパンクは二十歳になるところで
子持ちパンクはマリアって言うありふれた名前で
子持ちパンクはもう刺青がきらいで
子持ちパンクはお菓子の刺青シールが好きで
子持ちパンクは ....
かみ合わない歯車に、また少しだけ時がずれる
秒針のきしみは それでも
壊れたメトロノームのように 私を、
追うから
逃げ込んだいつかの雪原で 私は、
細雪がわずかに切れる夢を見た
....
賑わった砂浜は
今では自分の足音しかなく
しかもそれは
波風とともに消されてゆく
目の前に見える海は
今の海ではなく
遠い昔に見た記憶の海
狭かった砂浜は
今では自分の足跡しか ....
どれだけ自分を偽っても
消せることの無い本能がある
理性では制御できない
覚悟すら失せるような青
それは銀河のコウズイのような匂いを漂わせている 私は携帯電話をいじっている女子高生の隣 ....
いつの日の窓辺に聞いたとおい歌
盗んで消えるおもいでの耳
汽笛すぎ残されゆくは草鉄路
待つだけの駅呼ぶだけの風
なぐさめを知るか口笛おおぞらに
心を放 ....
戦争を知らない子どもたちが
大人になって
大人の信用を知らない子どもたちが
大人になって
戦争を知らない子どもたちを知らない僕等は
髪の毛が茶色いと許されないなら
携帯電話を持つと許されな ....
月明かりに揺れる影を追いかけて
僕は真夜中を走り抜ける
君の姿は見えないけれど
きっといつかつかまえてみせるよ
みんなが寝静まった真夜中
僕たちは追いかけっこをする
君はうまい具合に影 ....
どこまでも
いつまでも
だれよりも
なによりも
あなただけです
その道が続く限り
歩き続ける
たとえそれが
果てしなく続こうとも
楽しいことを思い出しながら
その気持ちが続く限り
想い続ける
たとえそれが
限りなく続こうとも
うれしいことを思 ....
南風に乗って
白い旗がなびく
鳩の群れが
周遊する空は
果てまでも青い
穏やかに目笑する日
リーンゴン
リーンゴン
鐘の音が駆けてくる
1 序章
慎ましい木霊の眼から、
細い糸を伝って、子供たちが、
賑やかに、駆け降りてくる。
溺れている海の家の団欒は、
厳格な父親のために、正確な夕暮れを、見せている。
見開 ....
しまい忘れた風鈴は
もうトンボは飛んでこないよと
話しかけてくる
夏は終わり
秋も過ぎ去る
汗の輝きは思い出
放っておいた植木鉢は
乾いた土だけが
黙ったまま
夏は終わり ....
?.
まだ葉が落ちない
白樺の上に
黒猫がいる
のを
見ている
うつくしい猫で
目が
とくにきれい
久しぶりだけれど
思い出 ....
少しずつずれた紙の束を。揃えようと焦る
指先が乾くからまた少しずれてゆく、それを
ありふれていると笑いながら言の葉と呼び合った
ふたり
絶え間なく淡い音で空隙をう ....
君はもう見たのかい?
翼をもった
銀色の馬が
空を翔けてゆくのを
冬はこうして
やってくるのを
君はもう聴いたのかい?
いななくたびに
冷たい風が
地上に吹くことを
冬はこうし ....
森の中を歩いていた
何かを探しているわけでもなく
何かに追われているわけでもない
ただ単に 森の中を歩いていた
しばらく歩くと ある空間に辿り着く
おそらくは森の中心なのだろう
大きく空が ....
いつか投げ捨てた祈りを
今更泣きながら探すあなたを見て
僕はただ物音をたてずに遠くから眺めていた
優しさが欲しい と
激しさも欲しい と
あなたは何度もわめいていたから
....
風に
どこまでゆくの?
と尋ねたら
わからないけれど
吹けるところまで
と返事をして
どこかへ行ってしまいました
雲に
どこまでゆくの?
と尋ねたら
わからないけれど
....
うは
お前の言ってたとおりだ
あるよ
間違いのない木漏れ日和
信じられないほど柔らかに吹く風も
明日を語らっているような
木の葉のさざめきも
目を奪う光の木漏れ日も
あぁ
なんか ....
空の青さがはじけて
海の蒼さと重なる日
光のシャワー浴びながら
あなたに会いに行ったの
こんなに素敵な朝だから
何もかもうまく行くと思ってた
なのに誰?私を罠にはめたのは
きらきらと輝く ....
あなた、セロリの透明なきりくちに
恋をしたことはあって?
栗いろの瞳
かきあげる仕草
車椅子の少女は
細すぎる膝を斜めにそろえて
やさしい朝のふりつもる ....
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