きれいに消し去って欲しい
あなたの腕で
わたし自身では消せなかった
こころのなかに棲みついたもの
胸騒ぎのようなもの
きっと消せる あなたなら
その腕でわたしを抱き上げて
森の奥深く連れ ....
地下につくられた大きく広い駅
地上に出るまでの小さく細い通路
急ぎ足ではないと
後ろとぶつかってしまう

機械から出される熱い風を
暑いと錯覚する
めまぐるしくファッションと経済が
身 ....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気がした

畑の真ん中から
重い夏を汗を流しながら運んで
丸い大きな宇宙の中にそっと入れた

 ....
ひっそりとした山の中に
一筋の銀色の水が
きらきらと輝きを放ちながら
そばに開く大きな葉に
花を咲かせるように
静かに脈をうつ

時折り光が流れの中で止まり
うたかたとともに消えてゆく ....
鱗無き大蛇(をろち)は
盲(めしひ)の蒼馬(あを)に絡み付きたり

月いづくにかあらむ
月すでに落ちぬ

花は蕾のままに立ち枯る
はや花は咲かざり

蒼馬は臥して息絶え
大蛇は泥中 ....
蝉時雨も止んだというのに
真昼の喧騒が
じりりと
耳に焼き付いたのを
両手で塞いだ

鳥の群れが西をめざし
灯火色した空に
消えていくのを
門口に焚いた火とともに
静かに見ている
 ....
くたくた なりながら 働く
    に     も
理由 愛する 
  は   妻の為
         に
          必死に―――

自分の身の忠告を無視してでも ....
炎天下の路上に 
{ルビ蝉=せみ}はひっくり返っていた 

近づいて身をかがめると 
巨人のぼくにおどろいて
目覚めた蝉は飛んでった 
僕の頭上の、遥かな空へ 

瀕死の蝉も、飛んだん ....
浜辺に群がる人波が
ひとしきりうねって退いたあと

待ち兼ねていたように
波音は膨らみ
熱を孕んだ砂の足跡も風に消されて
浜は打ち上げられた藻屑の褥(しとね)になる

風が
湿り始め ....
 私は今、七年ぶりに訪れた遠藤周作先生の墓前にいる。墓石の下
に供えた僕の第一詩集「風の配達する手紙」の表紙が夏の日に照ら
され、白い薔薇の影が、表紙の余白に揺れている。私が生けた赤・
白・黄色 ....
引っ越したアパートは
薬屋の二階だった
辺りには小さな商店しかなかったが
近くに大きな川が流れていて
君の心を支えながら
よく土手を歩いた

神社には大きな桜の樹があって
薄紅の季節を ....
「おばあちゃん元気にしていた?」
わたしの大好きなおばあちゃん
共稼ぎの両親はいつも家にいなくて
学校から走って家に帰ると
おばあちゃんが出迎えてくれて
手作りのおやつがとても美味しかった
 ....
お帰りですか、と
聞くとその{ルビ女=ひと}は
ええ、と
小さく頷いて
穏やかな微笑をうかべた

鬱蒼と茂る緑葉の下で
木洩れ日が描くまだら模様が
白い肌をよけいに引き立たせ
蝉しぐ ....
お、そ、ら



        もよん
        もよん


{引用=
                   鳥は空を彫る彫刻刀
                   うつ ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
私の部屋の金魚鉢には
金魚が一匹いる

金魚鉢を見ていたら
すうと引き込まれて
泳いでいた

涼しい青い水の中
緑の水草ゆうらゆら
赤い尻尾はひいらひら

たくさん泳いだら
す ....
待合室には
女の子を連れた母親と
少し離れたところに
人の良さそうなおばあさんが
座っていた

熱のせいでボゥッとなった私の目も耳も
何も見ようとも聞こうともしていなかった

「お子 ....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
以前、私は、現実とはなんであるのか、という事について触れた。
最近、現実とは「何かをつかむ(実感)」ものだと思いはじめてきた。

確かに、全てを虚構といえば、虚構であるかもしれない。しかし、それ ....
バザールは活気に満ち溢れていた

女たちは色鮮やかな衣装を身に纏い
自慢の品々を並べて
旅人たちに朗らかな笑みを投げかける
すべては明日の命の糧の
マナトを稼ぐための軽妙な話術

 ....
「こんばんは、お久しぶりね」
聞き覚えのある声に振り返ると
おんながひとり乗っている
「今日ぐらい早く帰ってきてね」と
妻にせがまれたのに残業を強いられた
可愛いひとり娘の誕生日だっていうの ....
それで、詩についてですが・・・。

あまりどうでもいいことかもしれませんが、
暗い詩、絶望的な詩を書いている人が、残酷であるだとか、
明るい展望ある詩を書く人が、やさしいだとか、
そんな事は ....
(でっかいのが、死んだ。)

風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
昨日は切なさを
今日は愛おしさを
明後日は狂おしさを
一枚
また一枚
引き剥いだ心から溢れ出る
あかい
あかい溶液は
あなたの眺める空を
あなたの愛でる花を
染めぬいてくれるでしょ ....
1. 

もわもわ
と、ふくれあがる嫉妬心
あなたが遠くをみつめるその先に
見えるはずのない影を見ては
心に広がる黒い雲


2.

クルクル
と、まわる私の猜疑心
ゆう ....
こんにちは
なめくじ
イカの塩辛じゃないんだね

きみがもし
飛んだら
恐怖

生ものだから
でんでんむしじゃないから
はだいろだから

なめくじら
なめくじり
なめくじる ....
きみは

どこにいるのだろう

ほんとうは

そんなこと

どうでもいい

いきていてくれれば

それだけでいい

いつも

いつも

ねがっているよ

きみが ....
サイダー
壊れたタイル

フラッシュ音
(写真は、撮らないで下さい)

果実の汁のように
飛び散るのは

海の水

天まで届いて
はたかれる

波を汚していく
サーフボー ....
あなたは、
もう、年老いたので、
以前のように完璧な
前屈姿勢がとれないと
最高速挑戦は辞退した
こころの中で寂しげにつぶやいて
280Km/hで諦めたのですね

短かすぎる、 ....
僕と僕が語り合う夜
煙と溜め息の
化合物は昇天
夜と煙草と雨の
交じり合う微香空間
さてもう寝ようか
こわい夢を見る前に今日は
月の
背中の
粘着質な唾液の
日々の
なぞり愛 ....
杉菜 晃さんのおすすめリスト(1154)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ラヴなステーショナリー_その1- 恋月 ぴ ...自由詩20*06-8-18
孤独な都会- ぽえむ君自由詩13*06-8-17
重い夏- ぽえむ君自由詩13*06-8-17
渓流- ぽえむ君自由詩13*06-8-16
望み絶ゆるうた- 三州生桑自由詩306-8-16
灯火- LEO自由詩19*06-8-16
運命- 海月自由詩1*06-8-16
路上の蝉- 服部 剛自由詩14*06-8-14
湘南、夏- 銀猫自由詩17*06-8-14
遠藤周作の墓前にて。- 服部 剛散文(批評 ...5*06-8-13
支え続けるもの- 佐野権太自由詩44*06-8-9
幸せと出会う丘で- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-8-8
盂蘭盆- 落合朱美自由詩3006-8-5
空の・・・・・- ふるる自由詩7*06-8-4
サミーラ- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-8-3
金魚鉢- ふるる自由詩21*06-8-2
病院- さち自由詩14*06-8-1
捨てられない運動靴- 恋月 ぴ ...自由詩47*06-8-1
神さまが教えてくれたんだお☆(実際、アホみたいなもんですが汗- 奥津 強散文(批評 ...406-7-31
世界の社長から〜今日はトルクメニスタンです〜- 落合朱美自由詩20*06-7-29
帰らざる海まで- 恋月 ぴ ...自由詩20*06-7-28
女なんて嫌いだよぉ。ううっ・・・(あんまり関係ない- 奥津 強散文(批評 ...3+*06-7-27
パサヤ・ドニバネには道が一本きりしかない- 水在らあ ...自由詩56*06-7-27
百日紅- Rin.自由詩24*06-7-26
もわもわ_クルクル_ぷっちん_コロン- 落合朱美自由詩32+*06-7-25
くじら- 蒼木りん未詩・独白206-7-25
_- 実夜自由詩1*06-7-23
明日の朝、- ふるる自由詩6*06-7-22
前屈姿勢- あおば自由詩4*06-7-21
シニンにクチヅケ- チェザー ...自由詩4*06-7-21

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