ひんがしのくにのね 群らない夜は
だれもか大勢の中で たったひとり
回遊魚のように 周回する深夜バス
満員なのに みんな たったひとりきり
だれもが どろりととけた目をして
混雑した車内 ....
あなたはどうして
広げた腕に
光と闇を
交互に見せるの

優しい顔で
厳しいことを言う

大縄跳びの
ジャンプに飛び込む
タイミングがまるで
解らないように

私たちずっと
 ....
久々の実家に泊まり
ふと手をみれば
爪はのび
父と母はよたよた、歩く
磨いても磨いても光らない

いったい
いつ輝いていたのか

目にいたいほど
肌をえぐるように
光をうばうほど
輝いていたのかしら

ああ
遠い声を聞いた 海の底のようなはるかな声だ
耳に残る 今はおぼろげな記憶のようだと
貝殻の奥にある秘密の旋律のようだと


遠い道を歩いて抱いてしまった憧れに逢いに行く
人々が集って来る  ....
 よく晴れた十月の午前
 山の上の一軒家にひとりで住んでゐる松倉さと子さんのところに
 郵便局員がたずねてきた。

「ごめんください、お届けものです」
「あら、何でせう」
「どうぞ ....
ロウソクを吹く
何回かに分けて

煙が目に入り
涙を連れて行く

空っぽになった
誰も訪ねてくる
予定のないスリッパは
値札を切るまでが前夜祭だ

暖めた部屋の壁が
白い生クリ ....
 
 選ぶことができない

 自分の体のメモリーなのに

 耳からの音

 目からの影像

 肌からの感触

 鼻で感じる匂い

 高性能のマイク カメラ 触覚を持ちながら
 ....
木犀の木漏れ日の路に座りこみまばゆい風が吹くの待ってる みずうみにゆく日写真を束ねる日クレヨンもらう日いま 生まれる日 みずうみにゆく日写真を束ねる日クレヨンもらう日いま 生まれた日 君の背に
あらたな白い帆があがる九月
夜明けのうす青い空に
銀色の雲

君のその帆が
どんな風をはらんで
君を何処へつれてゆくのか
君は半ばは予感し
半ばは不確かさにおののいている
 ....
それは偶然ではない

幾年もの月日を私は棒に振り
自分の事に精一杯でもない日常は
惰性や言い訳にまみれ
耳を澄ますことすらしなかった、
その結果です

おば ....
 いつの間にか見ている

 声に鼓膜が引き寄せられる

 胸に広がる霞

 どうしてこんなに気になる

 すれ違うだけで ドキドキ

 気がついた

 今日が「好き」の誕生 ....
結婚して
日日も時間も分も秒も
わたしだけのものでなくなり
神さまを
(わたしだけの神さまを)
忘れがちになり
(声に出さずに)
御祈りを、‥わかっててスルーし
(内緒!)
気がつけ ....
がんばれないけどがんばるとがんばれないけどがんばるとまた靴を履く その人は
一生の間に六匹の猫に出会うのだという
わたしが知っているのは
九回生まれ変わるという言い伝え

あなたに会いたくて
も一度生まれてきたんだろうか?

昔死んだしろちゃんに
 ....
いつぽんの川がながれてゐる。

川べりの道は夏枯れた草に覆はれてゐる。

川はゆつたりと蛇行して その先はうつすらと 野のはてにきえ

太古の記憶へとつづいてゐる と村びとたち ....
三日前、一度だけ会った新聞記者が
病で世を去った
一年前、後輩の記者も
突然倒れて世を去っていた
彼の妻とは友達で
今朝、上野の珈琲店にいた僕は
スマートフォンでメッセージを、送信した
 ....
君に会えると
言った後で
君に会えないと
嘘付く花びら

たんぽぽの
輪郭が消える頃
夜はスカートの
下に潜り込み

君に会えるまで
数えた黄色の
長い爪を集めた
花占いが
 ....
いま全てを投げ出したなら
どんなに身軽で孤独でしょうね

しがみ付いている
この一瞬も横切る風は
冷たくなっていくのに

温かい言葉を探しながら
差し出す相手が
見つからないまま
 ....
うつくしいひとたちに遇ひ

うつくしいはなしを聴きました

空はたかく 澄んでゐました

かなしみはもう とほくにありました

よろこびは すぐそばに そして

手のとどか ....
時には、夜のドアを開けて
静かな世界を照らす
月を眺める
秋の宵

――あなたのココロの目に視える
  月の満ち欠けは?

日々追い立てられる秒針の{ルビ音=ね}から逃れて
やってき ....
お義母さま
あきの こごえです
朝風に 精霊バッタの羽音が
そっと 雫を 天に すくいあげています

何が終わったのでしょう
もう はじまりはじめの空
むかしむかしの反対のはじまりのはじ ....
2月の心音を思い出しながら、8月の憂鬱を海に流した。夏の夜はきみの瞳の色をしていたの。拾い集めた星屑を沈めて、ひかりを宿して、わたしの再生が始まる。こうしていまさら思い出すのは線香花火のにおいや、なだ .... 「世界が平和になりますように」の立て看板を次から次へとぶっ壊して破片の上でダンスダンスダンス。七夕まで踊り狂うよ。天の川の下、きれいに残った文字だけを組み合わせたらそれが世の中の真実なんです。
嫌い ....
船は往く
昨日の港を
遠い背後に置いて

船は往く
未開の日々を
目指して

揺れ動く海の{ルビ面=おもて}を
魚のリズムで、跳ねながら

甲板に立つ旅人よ
潮風に
頬を{ル ....
水に溶かした
これまでのこと

光に透かした
これからのこと

誰にも言わないのに
君は知っているから

明日よりも
もっと先にある
希望のベクトルで
待っていてくれる

 ....
そんな顔しないで
の、そんな顔がどんな顔なのか私には分からない
特に悲しくも無いのに
悲しいのと聞かれ
特に怒ってもいないのに
怒っているのと聞かれる事が多く
 ....
 深い赤色のテールランプ

 一瞬発する光に我に返る

 衛星の目から見た光景は

 地上の天の川

 運んでいるものは

 流れているものは

 一つの運命を運んでいるか ....
杉菜 晃さんのおすすめリスト(1154)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
東の国の眠らない夜- るるりら自由詩15*18-10-21
- ミナト ...自由詩418-10-20
実家にて- 服部 剛自由詩418-10-20
_- 印あかり自由詩418-10-18
遠い集会- 石瀬琳々自由詩18*18-10-17
やさしい世界の終はり方- 石村自由詩26*18-10-14
誕生日- ミナト ...自由詩318-10-10
選べない記憶- 佐白光自由詩5*18-10-10
ただ一日の秋- もっぷ短歌318-10-7
星屑- もっぷ短歌218-10-6
星屑のくず- もっぷ短歌418-10-6
九月出航- 塔野夏子自由詩4*18-10-5
おばあちゃんはもういない- 中山 マ ...自由詩418-10-3
「好き」の誕生日- 佐白光自由詩3*18-10-3
ゆるしてください- もっぷ自由詩418-10-2
すみれ日記_09.31- もっぷ短歌318-10-1
六番目の猫- Lucy自由詩22*18-9-27
小さな村で見た- 石村自由詩22*18-9-20
光の欠片- 服部 剛自由詩1318-9-18
輪郭- ミナト ...自由詩218-9-5
独り言- ミナト ...自由詩118-9-2
- 石村自由詩15*18-9-2
お月見の夜- 服部 剛自由詩618-9-1
ラ・ラ・ラ族- るるりら自由詩22*18-8-30
某式日- 青花みち自由詩618-8-30
ダンスダンスダンス- 青花みち自由詩8*18-8-18
時の航路- 服部 剛自由詩218-8-16
翌日- ミナト ...自由詩418-8-16
慟哭の向こう- 中山 マ ...自由詩318-8-15
天の川高速道路- 佐白光自由詩1*18-8-15

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39