すべてのおすすめ
あたらしい世界にやって来たぼくたちは
とりあえず線を引いた
ぼくの土地
きみの土地
あなたの土地
彼の土地
彼女の土地
先祖の土地
生まれてくる子ども達の土地
神様の土地
誰の ....
旧交をあたため
僕らおどりだす
ねて たって たって
くだらんワインで
酩酊して
うまいだろう
僕らリズムとる
オンとオフ
でたらめに
過去と未来が明滅して
チカチカと今をてらして
仄暗い公園のベンチで
みかんの皮を食べろと言われている老人が
喜んでと言って頬張っていたのは新聞紙
これでいいですかとにこにこしながら
鳩の目で少年たちを睨みつける
ぽおっぽっぽっぽ ぽ ....
時計が夕方の四時を回る頃
夕餉の支度のため
買ってきたシジミを水に漬ける
しばらくして覗いて見ると
貝が口を開け水のなかで息をして
ゆっくりとくつろいでいる
窮屈なパッケージからガラガラと ....
明日の朝になったら
気付かないうちにあたしが
鮭の小骨になってて
どの食卓でもよけられて皿の端に置いてきぼりで
最後には
グルメな猫にも食べてもらえずに
入れられたゴミ袋を ....
丘が燃える
潮騒の果てで
ラムネ壜の中の気泡が何処から生まれ
そして何処へ消えるのかを知っているだろうか
耳を澄ませば聴こえるだろう
遠い海の ....
冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
懐かしくてももう泣けない自分がいました
それが寂しくてそっと瞳を閉じました
太陽が淡く輝いた冬の日のことです
太陽 ....
冬のくじらは島になりたかった
椰子の木を一本 背に飾って
あの人のために家を建て
そして浜辺を用意した
一人きりの夜に 歌を歌う
夜の海に ....
星がね
またたいてるんだ
すごくたくさん
月はななめにまっぷたつに切られ
とろりと卵のとうめい膜を溢れさせていた
まるで夜空は星の呼吸と
その何万光年離れた遠いしゃべり声のにぎやか ....
今日、拾ったんだ
あの川の輝くあたりで
あの空の疼くあたりで
あの山の轟くあたりで
幾つかの種を拾ったんだ
今日、種を植えたんだ
この氷のような胸に
....
わたしは揺られてゆくのです
暖房で濁った、暖かい空気に包まれて
わたしはゆくのです
赤い列車はわたしの知らない幾人を乗せて
ここよりまだ寒い明日の方角へ向 ....
ダンボール
捨てたいものをつめた
ダンボール
は、ちいさかった
そしてなにもなかった
わたしはなかった
あ、あ、あ、
みじかい音をいくつも出して
壁に羅列のスタンプをして
そ ....
ああ
かみさまはいるのだ、と
思った
そんな夜の話をしてあげる
雲をつんざく、青
無尽に動く、光
まっすぐ、
ひたすらまっすぐな、光
それから逃れるため
走った
(まっすぐ ....
笑顔の下に透けて見える冬を
お互いに無視して
決して埋まらないものを
埋めてしまわなければなりません
それは大きくて また 愛しい不在を
お互いの 手と言葉と表情だけで
....
寒空へ向かうシャボン玉の割れたさきで
季節が変わる
ふくらんだ嘘を削ぎ落とすようにきみは
僕をたった一つにする
やさしい指先に抗いましょう
午後の上機嫌なチーズスフレ ....
のどが「ミスター」といった日から
ぼくが階段を見ることはなくなった
スコップは土が好きだろうか
ぼくは塔よりもネジにのぼりたい
きれいなしたい
夕陽はもう少しできれいなしたい
....
結露が止まらない
いくら拭いても
壁や窓から滲み出てくる
このままでは
部屋が水でいっぱいになってしまう
僕らは慌てて非常食、ラジオ付き懐中電灯、
釣り竿等々をリュックにつめる
....
霧は晴れた 夜は明けた そして戦争は終わった
だからこそカーニヴァルがひらかれ
娘たちと青年たちはみな
陽気な音楽のリズムに身体を預け踊り狂ったのだ
レイヴンよ おまえは覚えているか
戦 ....
奇怪な生物が群れ泳ぐ
微細な海で
きみは自在にはねまわる
ぼくはきみをすりつぶす
人差し指の先っちょで
ぼくと君のあいだにある
屈曲率が
あんまり悲しいので
( ....
ね マナちゃん 今日はいっぱいおひさまがいるよ
母はわたしの名前を間違えたのだ 公然と 間違えたんだ
肩を抱くと 猫と同じにおい がする
今日の朝ごはんは 半分くらい食べたんだよ
....
その言葉を待っていたんだと
小さな月の下で輝いて
遠い夜景と
遠くない息の間で
君とキスをする
やるせなさの上に
せつなさを置いて
焦がれる心は
風を泳いで
湿った舌と
乾いた ....
部屋からの風景は
丁度こんな感じだ
そう、丁度こんな感じだ
この辺で頭出してるのが
ほのぼのレイクのネオン
隣の ....
雨にうすく濡れた歩道の中心に
盲人用の黄色い凸凸道が
遠くへと敷かれている
いつもそ知らぬ顔で歩いていたが
凸凸道を求めているのは
よろけた歩みで目線の定まらない自分だった
黒いこ ....
面接官は一重の目で
おれを見つめ
何も言わなかった
机にある採用チェックシートの上の宙を
ボールペンがせわしなく回転する
肌寒い頃だったが
秋だかまだ ....
その箱の中には
巨大なソーセージのような
赤黒いいなまこのような
パンパンに膨れ上がったものが
体らしきその全体をくねらせていた
私はそれが自分のもの ....
30歳になったら
凄くなる
ずっと思ってた
今の期待にクールに応えられる
エリート且つ人気者になりたいって
お手本が欲しい
こんな人になりたいと思える人に
近付いて
吸収して
....
もう少し あと少し 遠すぎる 届かない
人の顔をよく見ると
性格・趣味・思考
大体把握出来るようになった
必死になって
自分を見返したくて
人に依存したくて
もっと皆活き活き ....
もっとずっと確かなこと
だったのだと思う
何も知らなかった
わたし
日が沈んでゆく
窓から見えるのは 山
相変わらずの景色は
三年間ずっと変わらない
授業で「第三セ ....
どうしたんだろう
今夜はひとりがさびしい
よくわからないけど
鍋焼きうどんでも作ってみようかな
彼とは別れちゃったし
次の合コンは新年明けてから
友達は彼と一緒みたい
やっぱりうらやまし ....
「なかったことにしよう」
と言われて
黙って頷いた
そうかぁなかったことかぁと
帰り道電車の中
何度も何度も考えた
とても疲れていたので
座りたかったけど
井の頭線は混んでいて
つり ....
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