泣いてスベスベマンジュウガニ 充填された
ミルクのような霧の中で問う

片付かない問題を抱えて
森の中

足を浸した水の中に
見たことのない生き物が棲んでいる

勢い込んで走る特急列車に
その側面にこの身を添わ ....
僕はもう終わりを見つけてしまった
君のために祈る
知らない君が愛おしくて、同じように知らないふり

君のために願う

僕はもう終わりを見つけている
すぐそばにある、君も気づいて ....
夕暮れ
石ころが転がる河原で
ひとりのんびりビールと

割り箸に刺したはんぺんを
七輪でささっとあぶり
ちゅるちゅる呑みこんでいると

対岸にオレンジ
鬼火が屋台の提灯のように
等 ....
目の奥がずんずんして
とても眠かったが
夕方の電車に乗って
町に向かった

子供の頃
縁側に
本箱が置いてあった

陽がたっぷり差し込み
田んぼや
小川や
遠くには山も見えた
 ....
ゆめはいつも不安にさせるから

形なんてないに


目に見えるものが すべてなら

耳にはいる あたたかい音はなに

このてに触れる ほそいゆびに

あなたのおんど  ....
知らないから呼んでみた
そっとお父さんと
声にだしてみた

お隣にも友達にもいたよお父さんが
どんな人なのかは見て知ってた

お父さんって子供を
どんな風にみるの
お父さんって子供を ....
水道水にかぶれた皮膚のあたりを掻く
描いていたのかもしれない
赤く、ぽつぽつと、
夕日の質感に似せて
 
滑車に吊るされている重量のないもの
贅沢は言わない
ほんの少しでも重みがあれば
 ....
明け方四時から朝の六時ころにかけて枕に頬をつけ、真昼の十二時ころに目を覚ます。ところがどうかすると、四時から、五時、六時、するすると九時頃まで眠れないことが週にいちど程。そういうとき眠ってはいけな ....  ないのに 夕焼けで会ったことなど
 どうしてか思い出す 燃えゆく空の淡い茜
 いつまでも
 あの空のようには交われない
 炎と 水とは 触れたその時に 離れている

 優しさは きっ ....
ひとしずく
器 くちもと


遠くを
ぬぐう
ひとくちを
映す


静かな渦が
冬の曇を見る
膝の上の
鈍色の背


どこかで
どこかが
うたっ ....
かなしみと出逢わなければいたみなど 
ふわり、するり、と流れてゆくのに


よろこびと出逢わなければ涙など流れなかった
ぱさぱさとして




いつわりへ戻りはせずにここに ....
暗闇に指を伸ばして
知ろうとしている
指先が暖かく湿る
聞こえるのは、ピアノだけ

鳴いている
泣いている
うまく言えない
でも大好きだよ

ピアノのトリルのような ....
暇つぶしに読んでいた夫の漫画本に
ヒミツが挟まっていた
それはちょうど主人公が
携帯電話のメールを確認している場面で
お札と同じくらいの紙切れだった
(本当のお札だったら良かったのにな)
 ....
何をおもい
何をみつめ

紅が
雲をとらえ
空が
紅を受け入れた

同化していく地上に
根を張り
弱ささえ伺えるような一輪
それなのに深い桃色は
紅に包まれてもなお
奪われることなく凛と成し
魅了して ....
僕は夢の国に住んでいる
愉快な友達だってたくさんいた
肌の色の病気の熊
言語障害のアヒル
狂犬

僕は笑い続けた 血を吐くまで笑い続けた
僕は踊り続けた 気が狂うまで踊り続けた

僕 ....
 
汗をかいたので
洗濯して
ベランダに干す

ここは海が近いから
命の
匂いがする

書店で本を開いても
どれも白紙なので
選択は
できなかった

もう
言葉などいらな ....
ひいやりと冷たいメロン空に浮き
    悩ましい夜見つめるだけの


物思いシロップの海に漂うか
    救ってみたい桃のかんづめ


ごめんねとパイナップルの輪切りして
    白 ....
くらいくらいくらいくらいで
浮遊できるんだ
さびしさばかりが先行する
夜はまったくの白紙で
波打つ鼓動だけを聴いている





口を開くと
言葉がこぼれ落ちて
かた ....
築50年のアパートは
あたしら家族以外 全員ヘルス嬢
昼間、子供とワイワイ騒いだら
うるさいねん、外で遊んでえや、って怒鳴り声がして、壁がどんどん揺れる
あたしは真っ昼間のきっつい日差しの中
 ....
雪の降らない夏は
やさしく壊れる背中が丸くて撫でた
ソフトクリームより黒髪が甘くて舐めた

去ったり去られたり
さらわれたりしながらも
おれは海に拾われたグニャグニャのあめふらしで
また ....
乱暴に呼び鈴鳴らすその指のリズムに乗ってやってくる夏



目薬のほうも緊張していると今知りました、テーブル越しに



交通事故ゼロの記録が途切れたから明日あたらしい香水を買う
 ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った

休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
{引用=(きこえる)}


プールへ出掛ける
こどもたちの声
真っ黒になって
かえってくる



ノートには
書きかけの小説
風に吹かれて
めくられていく
白い ....
手を
つなぎたいんだよ
一緒に
歩いて

雨が
降るから匂いがね
夏の
匂いで

髪を
切ったね似合うよ
とても
素敵だよ

もう
改札なんだね何も
言えな
かった ....
風がとてもつよいので
窓をしめて
新聞紙のうえで爪を切る

あれから、
手のひらを丸めるくせがついて
そのくせ伸びるのは
はやくて

パチン、パチンパチ、ン、
的をはずれ
飛び散 ....
ねがいはかなわない
なんてねうそだよ
雨上がり、祝福されたまぶしさの中
君がいってしまった
眠らなかったけだるさと家に帰れないかんじ
寝てるひとは何もしらないはずだ
なのに
見ていた
 ....
花よ おまえは

そうやって 最期のときまで芳香を放ち
あたりに愛を振りまきながら

気前よく花びらを散らせて融けてゆくのだね
なにも求めずに

ただ与えながら
柔らかな夜に静かに落ちる
真っ白なシーツは柔らかく
おやすみなさい子供達
白い卵の割れる朝まで
おやすみなさい子供達
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる

鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
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本箱- まんぼう ...自由詩611-10-19
空間- 一酸化炭 ...自由詩1*10-10-12
お父さん- 朧月自由詩810-10-12
滑車- たもつ自由詩1010-10-8
朝のこと- はるな散文(批評 ...410-5-25
失恋- ふね自由詩209-9-27
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◆出逢わなければ- 千波 一 ...短歌3*08-11-3
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未来ちゃん- 吉田ぐん ...自由詩2308-7-11
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