君なら
しっているよね

赤い鳥居をくぐるごとに
空気
ひんやりしてゆくこと
しっているよね

お城の石垣にのぼる理由
そこから落ちるときの
一瞬の長さ
しっているよね


 ....
さよなら、さよなら、


記憶を解き放って 
遠ざかる夏の
四角く切り取られた 空


枠からはみだした場所では
かなしみによく似た顔の
ぼくたちが
今も、酸欠になっている

 ....
気がつけば
わたしは
人生を盗まれていた

わたしがしゃべる言葉は
どれも借り物のようで
まるで誰かが
わたしの口を勝手に使って
しゃべっているような気がした

誰に向かってしゃべ ....
 Quartz
 震えて
 終わりと
 始まりのないものを
 区切っていく
 切り刻んで
 数をあてる
 なにものとも
 名づけられない筈の
 私より薄くて
 鉄も
 昼夜をも含 ....
水の本を開く
文字は流れ出し
意味は溢れ出し
あとには
水の思想だけがのこる
川によってはこばれ
人びとの喉をうるおしながら
水の暗喩が偏在する
その波の繰り返し
晴天と雨天の交替
 ....
誰も
さよならを言わない
誰も、何も、言わない





ジ、


ただ
重々しい青へ、空の、青へ
弾け散るように飛び立った蝉の
既にこげ ....
 DIVA




 響きのないところに唄は産まれ
  伝えようとしている。

 幾つかはこぼれ
  すでに無くなったのだとして、


 ひとつひとつ、
  朝日に撫でられて ....
馬でも風邪を引くらしい
何だかひと安心したりして

年末だったかな彼氏に連れていかれた
新宿南口の場外馬券売り場で見かけたのは
レースに夢中な父親とはぐれた幼い兄弟
通路に散乱する外れ馬券 ....
あの日
あっというまに難破した僕らは
流木にもなれずに
世界中の海に散らばった

絶え間なく打ち寄せるくらやみの音色に
安心してしまいそうな
ちいさな木片

ほんの少しの誤り
いく ....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた


わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ


そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
 ....
微かにまるみを帯びた水平線から
紺、と翡翠色は曖昧に溶け合い
蛍光色のブイを揺らしながら
海風がしろい道を無数に拓いている

目の前に置かれたグラスの透明も
水晶の粒と汗をかき
夕闇 ....
10万人の名前を書き並べてみる



書き並べてみる

書き並べてみる





ただ、ただ、
帯のように
書き並べてみる


それぞれの名前
いろいろな名前

 ....
太陽が眩しい
朝帰りの
誰に電話しても出なかったほんとに
困ったときにわたしは誰にはなせばいいのか
すぐに顔が浮かばない
宙ぶらりんな生活ずいぶん前に蚊に刺されたとこがかゆい。
これが治れ ....
なんとなくことばをはっしてみたくなる
ひかりみたいにさ
キラッキラッてひかるといいなあって
ひらがなにひとさしゆびをそえてみる
りゅうせんけいをえがいておちていく
からだ
ほほをつたうなみ ....
驟雨と不可視的な大気からの氷の噴霧によって
夏の果物たちはいっせいに腐りゆく

森の中
まだ碧々とした葉のはざまに立てば
濃厚なる芳香
甘酸っぱくそして酔いをひき起こす淫靡な ....
牛がこない
遅れるなよと言ったのに
メールさえ返ってこない
電源を切っているのだろう

遠くに
うすちゃ色のまーぶるがみえる
きっとあれだ
おーい、と呼ぶ
MOO―、と感情を長くのば ....
なみだというやつは
潤んで
ぷくりと膨らんだなら
ふるえ
映えたつめたい青色をくるりと丸めて
珠の中
ちいさな
とてもちいさな
気泡が
深海魚の呼吸音をたてる
ふたつ
もうひとつ ....
かんらん石を積む夢と
黒砂が舞い踊る夢を
秒針が殺したので
小指にてそれを折りました

ざあざあと鳴る
雨の音の降りしきる
信じ
終わり
嫌疑は流れず
淀み腐り異臭を奏で
雨の音 ....
音楽
ダンス
ファッション

ドラッグ
セックス
宗教
哲学
ぜんぶやっちまって
しんじまったあいつは
ショーマンだった
みんなをコントロールして
言っちまえばさ
洗脳さ
 ....
雲無しの高い青空に
ひりひりと胸の底が焦がれ
季節外れの山藤は
頭の痛くなるほど
甘い香りを振り撒いて

どこまでも高い蒼穹を見上げて
わたしの存在は拡散してゆく
伸ばした指先はほら
 ....
太陽が
触れるほどに膨れて
私の頬の辺りを
じりり、と焦がしている
 
へばりつく髪の先に
小さく火が灯って
そのまま燃えたいと願う
溶けてしまえたら、と
 
 
その日
世界 ....
      光がきれいだといいますが
      朝日が夕日がきれいだといいますが
      太陽で人は死ぬんだと思うわ
                            ....
海岸線沿って定規で空を引く色鉛筆で画け得ぬ青




深く深い場所まで熱せられていくオーバーヒート前の打ち水




おしなべて心を乱す約束と雲の行方をだれも知らない

 ....
八月が終わらなければいいと
願っていた

そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
ぼくたちが童貞だったころ
汗で肌に張り付いた
女の子たちの制服の白いブラウスは
未踏の大陸の地図のように見えた

街角の薬局の店頭では
小箱に入った不穏な計画が
巧妙にカムフラージュされ ....
空も高くて
青いから
遠くまで出かけようと
二歩歩くと
三歩目を降ろすところに蟻がいて
踏みたくはないので
停まろうとしたが間に合わず
足を上げて見ると
蟻の腹は空き缶のように潰れてい ....
雨のなかに
すむさかなを
優しいひとくちでは
描けない
まだ


飲み干したはずの
模様がいつまでも海、で
花びらに
ふるえる風の光と影
それはもう
はるかに見失うよう ....
見上げれば星屑が眩ゆすぎて
さすらえば闇が深すぎて
若いぼくらは歓喜で眠れなくて
そんな国があった


言葉でもなく指きりでもなく
確かめ合った
赤い木の実を食べて
甘い草の根をかじ ....
もう、すっかり
昨日とちがう


まだ背中が熱いのに
太鼓の音が耳に
こびりついているのに
黄色い法被の色が
ちかちかするのに

そんなふうに
頬を冷たく
なぜてゆかない ....
あるひとが言った

  世の中の戦争は
  おとこが起こしたもの
  おんなには罪の無いはなし

そして
ほかのあるひとが言った

  そんなおとこを産み
  育てたのは
  わ ....
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