焦燥感
あずみの

雲無しの高い青空に
ひりひりと胸の底が焦がれ
季節外れの山藤は
頭の痛くなるほど
甘い香りを振り撒いて

どこまでも高い蒼穹を見上げて
わたしの存在は拡散してゆく
伸ばした指先はほら
もう青く染まって透き通る

甲高い鳥の聲だけが
矢のようにまっすぐ
身体を貫いてわたしは
音もなくその場に崩れ堕ちた

青空だけがそっと
わたしのカタチに残っていた



自由詩 焦燥感 Copyright あずみの 2007-08-12 11:15:51
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