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六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑
噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった
二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる
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水葬の教室
鱗を捨てた冬
シーラカンスの鳴き声を聞く
バス停の一駅ごとに君がいて
みんな逆方向を指さしてる
からだじゅう絶縁テープをまきつけて
ひとのか ....
指組みのように身体を絡めゆく 二人で今日の夜空をつくる
ひとつずつ舌でたどれば直列の熱に融かされてゆくビイドロ
「ねえ、君にアイスピック突き立てたらブラックホールができたの ....
鉛のような風荒びながら常緑樹
ゆさゆさと撓り突っ立った舞踏
この調べに現代の破調聞きたし
葉桜の緑 色づき始めて
のめり込む歌の調べは ....
日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー
おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから
祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
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瓶詰めの淡い桜の花びらに葬られている背骨がふたつ
水仙を手折った君の指先が夕陽で赤くて綺麗で恐くて
ぬるいよる鏡の自分と目が合ってさびしそうだねって笑ってあげたの ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて
『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた
ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....
{引用=
(透明な感性とやらがほしくってそれは犬とか食べても安全?)
}
ビー玉が散らばる雪の校庭を裸足で乱そう(見つからないように)
息を吸って吐いて吸って吸って吸っ ....
水晶を砕いてください船底でふゆの花びらかくまうように
捨ておいた言葉に幾度も拾われて星座のたもと鋭角を知る
閉じかけた波音の日がよみがえる月の鏡の無言を浴び ....
白空のヒビは街路樹の冷たい手 聞け言の葉の声をココロで
外套の襟をかすめる単音のグロリア今宵は木枯らしのイヴ
目の前の妖しき影に いぶかるも
あげ羽蝶なり 思はず和む
草の実も少しふくらみ見えてきし
秋に入りゆく風の移ろふ
目の前に子蜘蛛落り来てテーブルの
上を正しく距離おきて飛ぶ
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行方不明の洗濯機が二番線のホームで脱水していた
振り返ると家電フロアーの主任が裏口でまだ手を振ってる
今日もレンジの平和を願う君が両手でものを温めている
「いつも利用する ....
海岸線沿って定規で空を引く色鉛筆で画け得ぬ青
深く深い場所まで熱せられていくオーバーヒート前の打ち水
おしなべて心を乱す約束と雲の行方をだれも知らない
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