ビールをコップ三分の一くらい飲んで
ほろ酔い加減になったきみが急に
散歩に行く
と宣言し
最近越してきたばかりの
夕暮れの町並みに
とことこ歩き出すから
ボデイガード替わりのおれは
オ ....
僕の必殺技のことを奴らは知らないでしょう
とても細いところで空ばかり見上げている奴らですから
ああ、高い高いですねえ
と、その間に電話をかける仕事は朝飯前です
朝飯前なのでまだ歯も磨いてい ....
ほの暗い世界に浮かぶ首筋に沿われる指がナイフに変わる



地図にも載らない楽園を住民票にも載らない妹の兄一方通行



百回目姉と知りつつ背徳を覚えて二人鉄柵越える


 ....
先生 この前のテストは100点だったけどBでいいです先生私先生が好きです。


ラメ入りの少年 惚れさせてしまうのは男どもばかり 生理も来ない


触れてとは言わない言えないでも触れな ....
{dl}
{dt}片野晃司 [23:21:54]{dd}凪いだ8月/霜天
{dt}結彩 [23:22:51]{dd}描写が凄く、綺麗ですよね。
{dt}片野晃司 [23:23:40]{dd}終戦 ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい

貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい

高波が何でも持っていこうとするからこわい

クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい

あが ....
9月は

臨月の母の腹に 私がいたのでした

空気が風が 金木犀色に満ちて

稲穂は波うち

大群のトンボの羽光らす 黄金の夕焼け

そのとき

ほんの暫く 時間が止まる

 ....
八月の背中を歩いていると
目の前で空気が寝返りをうち
その色にその場に立ちすくむ



秋のそばの道を歩いていると
水のようで水でないものが
いくつもむこうからやって ....
枝から枝へ
したたる雨のむこうに
遠く島が浮かんでいる
曇が海をすぎてゆく
光が枝を照らしている
雨はひと粒ずつ消えてゆく



ゆっくりと目覚めるひとを見つめること ....
ショーウィンドウに陳列されている
マシンガンの前にくると
少女はいつも立ち止まり
その色や形に
うっとりする

名前も聞いたことのない国で
戦いが始まった
と、今朝ニュースで言 ....
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人


森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森


瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
 ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
アイスキャンディー
ある冷たい話をする
アイデンティティ
大学の一室はもう真っ暗
カーテンは黒い
書道部が逃げていく
追いかける学生はその倍
自宅待機の者はその倍
中国の人口はその倍
 ....
翳りはじめた葉の陰でねむる日の
腕をのばし
触れた輪郭を
最初のものとして、覚えておこう

たゆたう
まだ眼をあけてはいけない
つたい流れてくる感触は、にぶい冷たさにふるえ
昨夜、飲み ....
深く広い穴を掘ったけど
埋めるものがないことに気付いて
自分が横たわった
気付くと夫が隣に寝ていた
空が少し高く感じた


深く広い穴を掘ったけど
埋めるものがないことに気付いて
 ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが

境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
上段から中段 冗談なら中断
下段下段GET DOWN
意味あり桜の散りぬる尾の部分
流れ 滴り落ちる水滴に
ヘッドスライディングのごとく
かぶりついていった

飛行船は飛行せんしオレだっ ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
飛行船はるか下方に点となり僕らふたりは帰れないまま


「ふらわぁ」と君がひとこと呟けば辺り一面芽吹きだす花


明け方に鏡の部屋に迷い込み乱れ咲いてるきみの朝顔


花園で追いかけ ....
あまりに懇願されるので
試しに小指を与えてみた
男は急いで口に運び
コクリと飲み込むと
生あたたかい求愛がわたしに届く
唾液に光った男の喉をうっとりと通りぬける
わたしの小指

満たさ ....
指、で押す
蝉のお腹の柔らかさのことを
私はぼんやり考えている


お腹、を
開いた人は
仰向けになり空の方角へ開いている


光、の直進は
結局ことごとく挫折し ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
お薬より鮮やかな色彩が
夜空に燃えている事に驚いて
あなたの高い胸に匿われたく思い
ぎゅう、と手を握る
遠い轟音
火薬の香り
陶酔して僕は
あなたの喉が震えるのを
待つ
いい夜でない ....
抱き合うことでしか伝わらない言葉で
君は
忘れられないモールスを
ボクへと送った

ボクは
その意味を図りあぐねて
夜行列車が奏でる和音を
ずっと数えてた

少し開いた窓の隙間で
 ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
 ローリングする着陸機よピッチングだけはするなよ いざランディング
 懐かしい名前でふいに呼ぶ人のありそうで怖い乗り継ぎの島

 あの雲の影はほらそこ あの影の雲はあの雲 青い青い海
 雲は皆 ....
 危険です真似しないでねハブクラゲつんと突付くと面舵転進
 道脇のガードレールに何気なくアカショウビンが止まっています

 真っ白なリーフエッジと砂の浜 引き潮どきの{ルビ美=ちゅ}らさ島々
 ....
血が欲しいんだ血が欲しいんだと繰り返し言うことが本当に必要だったらやってみるがいいよ今にじみ出すような本当にきみが必要としてるような世界は赤いセロハン一枚で事足りてしまうぞどうするんだ幼稚園児と手をつ .... 縁側で闇を見ている妹の白いうなじが僕を呼んでる


夏野山汗ばみながら駆けてゆくゆくえふめいの妹の兄


鉄塔の錆びた階段昇りゆく100階したから姉とは呼べづ


鏡台に映る妹べにを ....
閉ざされた空をこじ開けると
夜だった
これはもうするしかない
赤い花びらをそっとめくって
またはひらいて
潜り込む黒い蜜室
いつまでも潜ったままで
星々の干渉から逃れる
ああ 断絶 断 ....
石原大介さんのおすすめリスト(370)
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9月- 蒼木りん自由詩6*04-8-31
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ノート(曇火)- 木立 悟自由詩404-8-30
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はなび- 六崎杏介未詩・独白404-8-5
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