午後に消える鳥の声
冷えてゆく街の鉄の音
夜の波 海の嶺
黒い光のなかの
座することのない独つの星


風の名も
静けさの名も知らず
滅んだ国と
けだものの国の間をさ ....
                    
  前後  食虫  幼児  侵略  熱帯
  不覚  植物  虐待  戦争  雨林


  もの          とき
  ぐさ   さすら ....
 
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
 ....
そこに入るべくして、入ったかの如く
キチリと仕舞われていた
トランクの中身。
交互に並べられた歯ブラシ、206本。
一本一本、薄い渋紙で丁寧に包んで、
その、・・・。
歯ブラシは何故か、白 ....
窓のそばでかさをひらくと
ともだちの声が聞こえないので
仕方なくかさを持ったまま
くちびるの動きを見つめている
青かったかさ
今はむらさき



何かがすさすさ動いてい ....
38億年分を10ヶ月の間で
駆けぬける赤ん坊は
腹の中 ある時期になると
両腕に生えている立派な羽根を
一本一本抜いてゆきます

その間に
両足はするすると伸びてゆき
指先に爪が生え
 ....
1.

かめはめ波のポーズで

洗濯物に影をつくるその細かなしわから
隙間に入るハイパワーの酵素になって
ぼくは自分の皮膚の細胞のそのわずかな隙間から
入り込んでしまったくだらない時間を ....
アメリカは 君の夢を叶える!
才能と努力は 君を有名にする
美貌と博愛は オスカーへの早道
非凡と追従は VIPへのパスポート
大胆と細心が トランプ・タワーの資材
American D ....
ショベルカーが解体する工場を見て わたしは殺してしまったものを思い出す
固形したアスファルトに耳を付けたのは奇行ではなかったのだ
ショベルカーが工場を解体するのを見て 木々は歴史を構築し出した
 ....
    The Short Happy Life of Steve Godd with his Ol' Lady

 彼の両目が平均の1.5倍は左右に離れていた原因は、主にコカイン中毒に由来し ....
 暑い日だった。どうも影が黒い黒いと思っていたら、蟻が群れていた。蟻は集団でいながらまるで一匹であるような挙動で蠢いていたが、しばらく放っておいても害がなさそうだったので放っておいた。蟻は蟻の言葉で会 .... かつてここには声があり
雨とともに舞っていた
あつまる小さな手のように
はじきはじかれ まわる歌



緑の雨に声は飛び去り
雨の緑に見えなくなった
水は煙る手になった ....
ずっとずっと まわりで
小さな音が鳴り止まない
バスから降りて バスに乗る
またバスから降りて またバスに乗る
いつのまにか隣に
歌がふたつ 座っている



小さな支えを失っ ....
それは十二月二十四日のこと
日々忙しい二人も、この日だけは会おうと
どうにか予定を空けて待ち合わせた
場所が学生街も近い高田馬場とはいえ
こぎれいな店はどこも予約で一杯で
二人はしかたなくフ ....
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ   (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
その本を手に取るたびに
同じページばかり開いていたから
今では机に置くだけで
パラパラと そこへたどり着く

私の心の傾きが
そのまま しおりになっている
男と女は一戸建てだった 
もともとひとつの円テーブル
足があって
アクセサリーだった
一連につながったセットの死角で
バラバラだ
キラキラもして

遡る
もとの糸

太陽とか ....
彼の生家へ行った

仏壇のある部屋に通された
彼の寝ていた部屋だ
私の寝ていた部屋には 通されなかった

彼の母の母に 手を合わせる
「最近髪がよく抜けます」と報告
彼の母が
「疲れ ....
朝の影がのびてゆく
誰かが手放した
結晶のかたちをした風船が
小さな鳥たちに囲まれ
森のほうへと流れてゆく



町をかがやかせる
なめらかな人工
昼から夜へと動 ....
青空にゆるりと重なりひらく
細く淡い爪がある
遠く静かに狭まる道が
枯木に白く持ち去られてゆく
雲の速さに持ち去られてゆく



朝に散る虹
ふちどる碧
瀬に映る音
鐘 ....
 
道端で
ガードレールを呑み込んで
冬の蛇が死んでいた
白く 汚く
冷たく 硬く
すべてに背中を向けていた


ひとりの少女が泣きながら
蛇の頭を撫でていた
私は言っ ....
血のつながった人ではないか


花火大会の帰り
歩道を歩いていて

私は服を脱いでいなかったし
一番近い肌は あなたの頬でしたが
私は医者ではないので 血管のことはよくわかりません。
 ....
 {引用=十五歳抱かれて花粉吹き散らす 寺山修司}
十五歳の海から とんでくる一羽のかもめ
十五歳の海から きこえてくる潮騒
十五歳の海から およいでくるひとりの少女

わたしの十五歳はあま ....
明かりはどうか消さないで
ここにきて
すこし話をしたい

私はずっとひとりでいたらしくて
話し方をわすれてしまった
だからひとりがたりみたいになるけど
ひとりよがりにはなりたくないので
 ....
遠い雨

かくれた後に金銭を要求しやがって腹がたつ

遠い雨

日増しに強くなるみみなりがそれとなく合図

ふでばこ

貧血と涙が引き起こした最低のジジツ
ツジツマがあわないツツ ....
君が積木など買ってくるものだから
僕らは積木遊びをするしかなかった

家をつくって
壊し
城をつくって
壊し
他につくるものなど知らない僕らは
やがて一つ一つを並べ
街をつくり始 ....
砂漠へ行きます
では
私の写真ではなく
水を持っていってください水を

これからは いえ昔から
これからも
私たちは ひとりです

むこうは暑いそうなので
手に汗をかいて
指輪を ....
ほくろが動いてないかたしかめる。

玄関へ行って
あなたの靴に 足を入れる。

私は帽子かけの帽子になってしまったのだろうか。

りんどうを掴む

足首に捲く。
赤い靴はいてお出かけ

花屋を通り過ぎて、「うつくしいなぁ」
と 思うんだけれども

家の近くまで来て
雑草の中の白い小さい花などを凝視。
あまり見てると通報されるので気をつける。

 ....
いずれは大河へ注ぐ源の
細い流れは
野を行く幼子のように
冬の透ける日差しの中を往く
冬枯れて覆いかぶさる
草の葉の下で
岩を乗り越え瀬を転がり
時と戯れる若者の気軽さで
ポクポクサラ ....
石原大介さんのおすすめリスト(370)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
星_Ⅲ- 木立 悟自由詩504-2-8
地図(鳳至郡能都町周辺)- 黒川排除 ...自由詩2*04-2-6
緑の日々- 石畑由紀 ...自由詩2404-2-3
歯ブラシとTシャツと- 湾鶴自由詩3*04-2-2
ノート(まぶしい日_Ⅱ)- 木立 悟自由詩404-2-2
風切羽- 石畑由紀 ...自由詩504-1-30
何か出ないかなといつも思う- nm6自由詩904-1-30
●夢の国_アメリカ- クリ自由詩2*04-1-30
形象うみだされた背理背徳の情景描写拍子や病死や気を付けて頂き ...- 黒川排除 ...自由詩304-1-30
スティーヴ・ゴッドの短くも幸福な人生〜神業とかみさんの日々〜- クリ自由詩12*04-1-27
灰と黒蟻- 黒川排除 ...自由詩304-1-26
ノート(滴歌)- 木立 悟自由詩304-1-25
ノート(まぶしい日)- 木立 悟自由詩504-1-24
彼と彼女のボストン- 紀ノ川つ ...自由詩304-1-24
熱海- 石畑由紀 ...自由詩16*04-1-23
しおり- 石畑由紀 ...自由詩2704-1-22
肆覚イス- つきのい ...自由詩604-1-21
帰郷- 山内緋呂 ...未詩・独白12*04-1-19
ノート(町)- 木立 悟自由詩404-1-19
冬の飛礫- 木立 悟自由詩304-1-18
ノート(冬の蛇)- 木立 悟自由詩704-1-17
- 山内緋呂 ...未詩・独白7*04-1-14
自転車に乗ってさようならといいながら書いた詩- 藤原 実自由詩404-1-10
音楽- 佐々宝砂自由詩3*04-1-10
ふでばこ- 示唆ウゲ ...自由詩204-1-9
朝のこない団地- たもつ自由詩2304-1-6
独房独居許可局- 山内緋呂 ...自由詩10*04-1-1
- 山内緋呂 ...自由詩5*03-12-27
理想の老後- 山内緋呂 ...未詩・独白203-12-26
雪の下- まんぼう自由詩603-12-25

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