過去なんて見えない
私のいない思い出なんて必要ない
大事なものは
いま目に見えるもの
今は必ず過去になる
未来は絶対 現在になる
新しい過去はいくらでも作 ....
私たちが見ているものは
わずかに違っている
原事実と
そこに見えるものとの差異で
私たちは
困り果てている
だが
それは嘘なのだ
私たちは
原事実をしっかりと見ている
春は夏を ....
ひまわりを思い出す
夏、なにげなく通った街道に
群生していたひまわりを
川沿いのグロテスクなホテルで
ゆっくりと狭い風呂に入ったね
ひまわりを思い出す
黄色でらくが ....
凍結は純物と不純物とをろ過し
流れのうちに凝り固まった粒塵は
根を下ろした水草に溜まりをつくり
小さな凍土を作る
足のつま先をそっと浸せば
無数の細かな波紋が
ぷつぷつぷつと
干渉し ....
東京が
くちびるから
たそがれてゆく
秋口に
太陽の首を
刈りとったのは
鋭いほど
耳に残るものも
ないのだから
夜の
冷たさは
みちた春の
しずけさ
声にみ ....
あの日二人
言葉を惜しむ程に
見つめあった時を
昨日の事のように
想い出しているわ
どうしても
時間を止められず
唯それが悔しくて
泣く事も出来ずに
笑って見送ったの
時空 ....
イエス様のお母様であることを天に捧げ
マリア様もまた
イエス様とおなじ聖なる存在になられた
だから
マリア様のイエス様への肉の愛は
宗教画のなかにしか存在しない
いったい肉の愛とはなんであ ....
高層ビルを
見上げながら
家路につく
街は高さを失いながら
広がっていき
やがて私は
空を見上げている
今日も日が沈む
路地を曲がり
その先に辿り着くと
温かい光が灯る ....
あなたに
中年男の一番大切な
ナニをあげよう
42年間かけて
磨き上げた
大切な
ナニをあげよう
愛されることに
不慣れだから
きっと
独りよがりよ
詰られてもいい
....
上には上があるという
横には横があることを
だれもちゃんとはわかってない
並ぶってことは重要だ
生きることを認めることだ
同じ地球の同じ場所に
並んで生きるということだ
上には上 ....
帰巣本能とはなんだろう
なんのたとえ話なんだろう
いったいどういう宇宙を
ものまねしているんだろう
時間は帰巣する
宇宙の果てより始まりのほうに
ぼくは惹かれて ....
猫がなくので
すぐ愛子にいくと
インターネットをやる気にもなれず
寝ころんで
磨いたサッシ戸から月を見て
浮世の面倒から逃避するのです
布団は薄い夏布団二枚と
毛布しかないので
電気毛 ....
私の背中に包丁を入れてください
あーそこそこ
丁度かゆかったんです
そのまま まっぷたつに
お願いします
キャベツというのは
幾重にも丸まって
ドカンといるでしょ?
自分が大きくな ....
昔よく聴いたCDをかけてみた
当時つき合っていた女を思い出していた
精確にいうと
つき合うまえの胸騒ぎを思い出していた
その女にわるかったよなと謝ってみた
今でもいちばん ....
あきれるくらいに騒がしい日々
今日もだるい体を無理矢理起こした
歴史の教科書は重くて
過去の寸劇をかきしるしていた
落とし穴を掘っては自分がはまるのを繰り返していた
更新 ....
クリスマスにわたしの愛情240個
窒息しないように穴あきの箱で送ったのに
少しは自分で食えばよかったじゃんよって
....
遊星にあそぶ有人飛行体。君の言葉は○や△。
声高に春春と鳴いても、僕の耐えられないのは凍る鉄塔。
街に現れたオーロラは、三夜輝き消えた。僕はみえなかった。
古い写真は砂漠 ....
大花火合間合間にキスをする笑みを浮かべた天使に出逢う
髪染めて気分変えれば鏡には綺麗な自分こっちを見ている
最終の列車に揺られ見る月に疲れの度合い示す円グラフ
ワクチンを打つため並ぶ ....
石を並べていく
川を越え
空を越え
虹の橋を渡る
あなたがいた場所まで
石は並んでいく
あなたがいない場所で
今日もまた
体を成し遂げている
明日もまた
同じ数の
石 ....
こぼれたミルクは飾りボタンの溝を泳いで
くるくると光を跳ね返していた
いつまでたっても混ざり合うことはなく
胸を埋めるような匂いが辺りに漂い
大気ばかりが乳白色に濁っていた
窓の向こ ....
一匹狼
という言葉があるくらいだから
本来、狼は
社会性の高い動物だったのだろう
絶滅しちゃったけどね
詩人はどうだろう
一匹詩人という言葉はないね
自分はひとりの詩人である ....
駅のホームは
どうしてこうも美しい
パレットのように
混沌とした感情を
無機質な鉄の塊が連れ去っていく
流れる景色に思い出を溶かしながら
新たな始まりに胸が ....
今日も…
朝が来て目覚め、
昨日と同じ時が刻まれていくと〜
信じている自分がいる。
そんな自分がいることさえわからない〜
普段の日常の中の、
普段の自分がいる。
普段 ....
負った傷と都合の悪い過去は
片っ端から切って捨てる
少し 尾骶骨が痛い
道端に捨ててうっかり拾われてしまっては大変なので
その都度回収して箱に収めた
赤いの
....
流されることのなかった涙は
夜になると人知れず空に抜け出し
宇宙のどこかで
ひとつの星に結晶する
僕らは手を伸ばしても
その涙をぬぐうことが出来なくて
だから
ただ夜の空白をなが ....
きみに同苦したい
こころからそう思う
一万光年の髪を乾かしてからだね
きみがぼくに手紙をくれるのは
プラネタリウムで待っています
ぼくはきみを待っています
うらやむという気持ちは
胸の内側がやけるような
足を小さな虫がはいずるような
そんな小さなほころびから始まる
うらやんで/憎しみになる
あれになりたい/真似になる
あれはちがう ....
星が流れる夜明け前
二人は無口になって
遥かな水平線みつめてた
流星尾を引いて空を行く
永遠を信じてここまで来たけれど
夜明けのファンタジア
教えておくれ
二人の夜はいつ明ける
海 ....
私のおっぱいは
今じゃ毛むくじゃら
立ってもわからない
メラニンが多い
私のおっぱいは
寄せても上がらない
レロレロされもしない
メラニンだけが多い
二つつまんで
....
空の彼方から落ちてくる色は
僕の上から鮮やかに身をひるがえした
ぐるぐる駆け回っている粒子たちが
君と手を繋いでまっすぐに空へ消える
さかさになった緑色は
地面の中で眠っている蛙たち ....
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